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2006.02.10

持つべき物は、良き上司

 

「今日の昼休みは、45分休憩とします。」

 休憩直前に、病棟長から全職員にそう告げられた。

 それは私の職場で不定期だが頻繁に開催される、研究会や会議の開催通知でもある。
 業務遂行の為に最低限必要とされる職員を残し、残りの職員は全員参加だ。(業務に回って参加出来なかった職員は、会議後に議事録閲覧義務が生じる)

 この日のテーマは、『接遇技術』

 何でも、職員の入所者に対する接し方で、他のセクションに勤務する職員からクレームが出たらしい。
 一般の老人福祉施設や居宅介護と違い、総合病院内に設けられた療養型医療介護施設である我が職場は、外来部がある関係で接遇技術はそれなりに重要視されている。

 外来部、一般病棟、介護病棟等、複数のセクションに分かれている我が職場で、他のセクションに属する職員が介護病棟を通った際、介護職員の入所者への接し方に問題があった。とクレームが上がったそうだ。

 今の職場ではペーペーの新人である私は、いつでもどこでも誰にでも、自分を相手よりも低頭に落として接するように心掛けているが、恐らく、ベテランの職員のだれかが、仕事への慣れと、業務に追われる過程で、権威主義的に接してしまった所を目撃されてしまったのだと思う。

 当の本人は病棟長からその議題が出た時にそれに気付いていたようだが、また病棟長自身、誰の事を指摘されていたのか判っていた様なのだが、病棟長は決して犯人探しをしてその人を責める事をせず、問題を全員に共有させて全職員にモラル向上を促し、結果としてそれを、全職員の職業倫理啓発に結び付けてしまった。

 他セクションからとは言え、同じ職場からの内部告発に対し、それで指摘された問題の犯人探しをしてその犯人に自責を促すのはそれ程難しい事では無い。
 ただその場合、指摘された本人に「なぜ私だけが?」と言った類の疑問や不満が残るであろう事は、容易に想像が出来る。しかし今回の様に、全員で問題を共有し、犯人探しをしない事で、当の本人には無言の圧力と自発的自己反省が芽生え、該当しなかった者にも、その事例に対する問題意識が植え付けられた。

 見方によっては『それほど大した事では無い』と解釈されかねないが、全体の職業倫理低下へ確実に繋がる可能性を秘めた些末事を、15分の会議で職員全体の自己覚知へと結びつけたこの病棟長は、組織の責任者としては中々に優れた技量を持っていると言えるだろう。





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