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2006.02.12

戦術論・戦略論・戦争論

 戦闘機大好きな、ちょっと濃い目なミリタリーマニアでもある僕だが、戦争それ自体は大嫌いだ。理由も無く誰かに殺されるなんんて真っ平ごめんだし、敵だから。と言う理由だけで誰かを殺すなんてしたくもない。もちろん、どこかの誰かが僕や僕の家族・友人を殺そうとしたりなんかしたら、僕だってもちろん全力で反撃をするだろうけれど。
 世界から争いごとが永久になくなるのは、地球人類にとって究極の理想(除く軍産複合体)だけれど、現実として人類史上争いが絶えた事は無く、憲法で交戦権を放棄し軍備を禁止している日本でさえ、国土防衛を建前にした『自衛隊』と言う、世界第3位の予算規模を持つ軍隊が存在する。
 この、世界3位の予算規模を持つ『自衛隊』というのはとても可哀想な軍隊で、『専守防衛』が課せられている為、やられた後の反撃にしかその軍事力を使う事が出来ない。軍事力行使を純粋に戦術面から考察した場合、先制攻撃で相手に打撃を与え、特に現代戦ではそれで相手に致命的打撃を与えるのは常道になっているので、この「攻撃を受けてからでないと攻撃が出来ない」という制約は、軍隊としては既に終わっていると言ってもいいと思う。
 そもそも、戦争という外交戦略は国家にとってとても不合理な行為だ。戦闘とは、相手の戦力を減らせ、こちらの戦力損耗を最低限に抑える事を前提として行われるので、兵器も、兵員も、最初から損失する事を前提にしているのだ。1機百億円超の戦闘機や、1隻数千億円の巡洋艦はもちろん、それらを操縦する要員も、一度戦端が開かれると必ず、幾らかは消耗するのだ。
 ハードとしての兵器はもちろん高価だが、優秀なパイロットやオペレーターを育成するのにも相当なコストを必要とし、さらにそうやって育てた要員の質を維持するのにも莫大な予算を必要とし、そしてそれらは戦場で損耗する事を前提にして建造・育成されるのだ。戦争という行為が、如何に不経済で非合理な行為か、少し考えれば誰にだって判ると思う。
 しかしながら、今だ世界から争いの火種が絶えた日は無く、自分に直接関係した事など一度も無いような人を、「敵だから」という理由で殺させる『国家』という非情な組織と、それをしてしまう人間の残虐性。そして、仲間を殺された事で生じる憎悪と報復の連鎖は終わる事無く続いているが、この悪循環を断ち切り、憎しみを乗り越える手段は無いのだろうか?

 我々日本人は60年前、不幸な過去から学び取った教訓を基本に、この問いへの答えを国権の最高法規で規定していた。これを改正しようとする風潮が強い昨今ではあるが、ここでもう一度、その崇高な理想を確認しておきたいと思う。


“日本国憲法”
前文
 日本国民は、恒久の平和を念願し、人類相互の関係を支配する崇高な理想を深く自覚するのであって、平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した。われらは、平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めている国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思う。われらは、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する。
 われらは、いづれの国家も、自国のことのみに専念して他国を無視してはならないのであって、政治道徳の法則は、普遍的なものであり、この法則に従う事は、自国の主権を維持し、他国と対等関係に立とうとする各国の責務であると信ずる。
 日本国民は、国家の名誉にかけ、全力をあげてこの崇高な理想と目的を達成する事を誓う。

 第二章 戦争の放棄
 第9
 日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。
 前項の目的を達する為、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。

[English Translation]
THE CONSTITUTION OF JAPAN

    We, Japanese people, desire peace for all time and are deeply conscious of the high ideals controlling human relationship, and we have determined to preserve our security and existence, trusting in the justice and faith of the peace-loving peoples of the world. We desire to occupy an honored place in an international society striving for the preservation of peace, and the banishment of tyranny and slavery, oppression and intolerance for all time from earth. We recognize that all peoples of the world have the right to live in peace, free from fear and want.
    We believe that no nation is responsible to itself alone, but that laws of political morality are universal; and that obedience to such laws is incumbent upon all nations who would sustain their own sovereignty and justify their sovereign relationship with other nations.
    We, the Japanese people, pledge our national honor to accomplish these high ideals and purposes with all our resources.

CHAPTER2
RENUNCIATION OF WAR
    Article 9. Aspiring sincerely to an international peace based on justice and order, the Japanese people forever renounce war as a sovereign right of the nation and the threat or use of force as means of settling international disputes.
    In order to accomplish the aim of the preceding paragraph, land, sea, and air forces, as well as other war potential, will never be maintained. The right of belligerency of the state will not be recognized.

参照;『日本国憲法』小学館





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