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2006.02.15

ニーズを掘り起こせ!繋ぎあわせろ!!

 過疎に悩む中山間地域で、高齢者の足として病院等への送迎を行い、それに対しての謝礼を受け取っていた人が、無許可での旅客運送、いわゆる『白タク行為』を行っているとして、逮捕された。

 白タク行為それ自体は確かに法律違反の悪しき行為なのだが、彼が逮捕された事で、移動手段を失った過疎地の高齢者達が著しい損害を被る結果となった。

 高知の様な深刻な(一部地域は「激甚」と言っても言い過ぎではない)過疎・高齢化に悩む地域では、人口の殆どが65歳以上で、それらは殆どが独居、さらに隣近所と言う物が存在せず、最も近い家まで歩いて10分以上掛る。と言った地域が無数にあり、高知には、そういった地区で暮らす独り暮らしの高齢者が相当数存在している。

 さらに、そういった高齢者はかなりの割合で年金収入が拠り所。と言った場合が多く、上で挙げた白タク行為をしていた人が逮捕された結果、タクシーを利用する経済力などない彼等(最も近い病院まで、車で30分掛かるそうだ)は、社会的引きこもりにならざるを得ないという事になっている。白タク行為で逮捕された彼の元には、逮捕後の今もそういった過去の利用者からの依頼がひっきりなしにあるのだそうで、しかし彼にも生活がある為、ボランティアでの無償支援をするような余裕は無く、赤字財政と国庫からの補助金廃止で財政難に喘ぐ自治体はおろか、地域のニーズを掘り起こそうと試みたNPO法人すらも手が出せない現状で、地域住民、自治体、NPO法人によって開かれた対策会議でも、何ら有効な具体案を見い出せないままに終わった。

 しかし、例え密度が低いとは言え、そこには確かに需要がある。

 「自分の手で選んだ食材で調理がしたい」
 「自分の手で品質を確認した物を買いたい」

 そう言った文化的な生活を営みたいと言う欲求は、極端に情報が制限された北朝鮮のような国ならいざ知らず、情報供給方法が高度に洗練された日本に暮らす限り、誰もが必ず持つものだ。

 しかしながら、現行の法制度と社会福祉政策下では、過疎に悩む中山間地域の年金生活者にとって、そう言ったニーズを満たすサービスは存在を許されていない。

 もちろん私だって高度成長期の様な、資本の再分配システムが復活不可能なのは判っているし、それを全肯定するつもりなどさらさら無いが、地方・弱者切り捨てを財政基盤とする現政権のやり方には、マイノリティーとして切り捨てられる側に立つ地方出身者の私としては、ちょっと受け入れ難いのも事実だ。特にこのような現実に直面すると、とても強くそう思う。

 地方切り捨て、弱者切り捨て、格差容認、利益・効率最優先の現・小泉政権は、就任以来ずっとそれらの政策を変化する事無く継続しているが、こと過疎地の高齢者対策に限って見れば、政府は『切り捨て』だけではなく、『逃げ切り』を狙っているのではないのだろうか?とも感じる。

 政府は、本音では地方対策とか弱者救済なんか、これっぽっちもやりたくなんかないんだ。

 今、過疎に悩む中山間地域の高齢者も、放っておけばあと15~20年もすれば殆ど死んでいなくなるのだ。ここでヘタに情をかけて彼等を救済してしまうと、せっかく死に掛けた地方・弱者が持ち直って、また彼等の面倒を見続けなくてはならないかもしれない。

 じゃあ、ほったらかしにして奴等が死に絶えるのを待とう。
 従軍慰安婦や、在日の被爆者に対して取った政策と同じ手だ。
 私達地方出身者にとって都合が悪い事に、この作戦は多数派国民(都市生活者の事だ)からの支持を得てまでいる。過去記事でも取り上げたが、東京は地方の為にはもう何にもしたくない、ビタ一文払いたくなんかないんだ。

 多数派日本人がそう考えているのだからもう仕方が無い。我々地方出身者は何とかして、自力で生き残る方法を考え出さなければならない。

 需要の密度が低くてビジネスとして成立させる仕組みを構築できないだけで、そこには間違いなく需要はあるんだ。

 後は、知識と人材を出し合って、試行錯誤を繰り返してでも、システムを作り上げるしかない。

 俺達にはもう後が無い。
 だって政府が、東京が狙っているのは、

 
地方絶滅

 
なんだから。

 とにかくこの難局を乗り切って、地方の自立を確立させて奴等を見返してやろう。そして俺達を切り捨てた奴等には、そのまま切り離れてもらおう。

 僕等は地産地消で安全で美味しい物を飲み食いするけど、彼らには残留農薬で出来た輸入汚染食物と、高度に濾過された高価な飲料水で生きてもらおう。

 あいつらは金だけは持ってるんだから、僕等の安全で美味しい食物や飲料水(含む酒)は、目一杯高値で売りつけてやろう。

 そして地方移住希望者は、最大の歓待を持ってもてなそう。


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コメント

私の祖母も超過疎地の山奥に住んでいて(なにしろ道がないので車を止めてから30分は山登りです)、祖母と同じくらいの年齢や生活暦のお年寄りたちのコミューンが形成されています。そういった場所はものすごく近所同士の結束が強く、祖母宅に電話しても繋がらない場合はそのまま近所のひとの家に繋ぎかえられるしくみになっており、またヘルパーさんたちも「近所の巡回」がケアプラン以外に義務付けられているようです。ヘルパーさんは大変だ・・・でも「在宅介護の基本」をキッチリ抑えている姿勢には好感が持てますよね。
・・・そんな生活を1週間でいいからしてみろよ~純ちゃんは!ばーちゃんなんてもう40年近く魚の刺身たべてないんだぞ!今年88歳だけど痴呆もないし山登りしてイノシシを罠にかけて捕獲して捌いてクール便で送ってくれるんだぞ(ヘルパーさん経由で)!ある意味、かなり贅沢なこの山暮らし・・・。

投稿: hana | 2006.02.16 00:38

「88歳だけど痴呆も無いし山登りして・・・」
うんうん。元気なおばあちゃんですね♪
「イノシシを罠にかけて捕獲して・・・」
おおっ!!まるでマタギの様ではないですか!
「捌いてクール便で送ってくれる」
凄い。ホントに凄いです。

マモニッシュな贅沢とは対極に位置しているけど、そこには確かに、違う種類の贅沢がありますよね。(^^)

投稿: mizzie | 2006.02.16 22:15

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