« 姿は人なれど、その者人間に非ず | トップページ | デイ実習Vol.2 »

2006.04.20

介護職のステータス向上の為に

 特に賢い訳でも無く、向上心も自己啓発意欲も無いような、自分の時間を犠牲にして大学に行く為に勉強しようなんて克己心も、職人としてキツくて辛い下積みを経験するような忍耐力も無い、そんな志の低い連中が辿り着く、「下流社会構成人員」の職業としてカテゴライズされる事もある介護職だが、実際に介護業界に身を置く一人として、自己啓発意欲は高く、向学心と向上心にも富み、利用者の自立支援に向けて日々地道な取り組みを続ける、そんな志高き先輩職員達に囲まれている私にとって、その、一般人の介護職に対するイメージには、

 「んだとぉ!? (激怒)」

って感じだ。


 介護職者に志低き者が存在するのは事実だが、そういった人材の殆ど(つまり多少は生き残る)は、実際の業務のハードさと待遇の悪さに耐え切れず廃業して行く。

 ではなぜ、介護職に志低き者が参入してくるのだろうか?
 これは私の推論だが、介護業界の地位の低さと報酬の低さ、待遇の悪さ故に、いい人材が集まらず、結果、就職に対するハードルが低くなっているからなのでは?とも思う。
 ようするに、介護職は社会的地位が低いのだ。

 収入は全国平均でも月額20万円前後、(参考;
平成14年 介護事業経営実態調査結果 厚生労働省)と、国民平均所得と比較するとかなり低く、定休日はなく、早出出勤や夜勤もある変則勤務シフトで、派遣や非正規雇用が多く、しかも身体援助業務である介護福祉は、
 「体重70kg以上で四肢麻痺の利用者をベッドからストレッチャーに移乗させる事が日常業務としてある。」
 ってくらいには肉体的にもハードな上に、業務には常に付きまとう感染症の危険性や、自分が感染源となる可能性を避ける為に求められる高い自己管理意識、そして、医師・看護士と共に利用者の命を預かる事もあるので、求められる義務と責任はとても重い。しかしながら、フリーター並みの福利厚生にコンビニバイトよりはマシ。って程度の収入、加えて建設作業現場並みのハードさ、爆発物運搬車運転手級の危険と責任。
 労働環境と待遇は劣悪だが、少子化による労働人口減少と高齢化が同時進行する日本では、介護労働力に対する需要が恒常的に存在するので、介護職への就業は売り手市場となり易く、結果として、多数の質の低い職員が誕生する事になる。
 志の低い介護職者は現実に耐え切れず、他職種に移る事も多いと思うが、転職する事すら出来ない人材は、慢性的人手不足の業界なので解雇される事も無く、「こなす仕事」をしながら介護職に対するイメージダウンに貢献し続けて行くのだろう。


 義務・責任と、待遇・報酬のアンバランスさに離職する人があまりにも多く、実態調査で現実を突き付けられた厚労省も、「「2007年をメドに、介護職者の離職率低下に目標設定をして・・・」とか言っていたが、政府の回答は介護職者の待遇改善ではなく、介護職の門戸を低賃金外国人労働者にも開く。と言う方向に向かっているようだ。

 お上には、真剣に介護職従事者の待遇向上をやろうという意思が無い事は、上の事実からだけでも良く判る。

 政府がアテにならない以上、こちらで介護職の待遇向上策を考える以外に手は無い。施設管理者の平均月収は90万円以上(参考;同上)だが、それを国民平均所得並みに下げて残りの分を職員に回したとしても、大した賃金アップにはならない。
 既に火の車になっている介護保険制度なので、そちらから給与上昇に回すとなると利用者負担が増えるだけで、それは利用者減少にも繋がりかねず、自分で自分の首を絞めるだけでなく公共の福祉にも反しているし、『人の役に立ちたい』から介護を志した者達だって、そんな事は望まないだろう。
 日本中の介護職者が集まって、「報酬を上げろ~っ!!」ってデモをしても、世界中のちゃぶ台をひっくり返すくらいの怒りを表したとしても、その怒りを抑える財源はどこにも無いのだ。


 ここで改めて述べる事でも無いが、自民党政権下での福祉と言うものは、税金として吸い上げた国民の所得を大企業に対して再分配する事であって、経済的(経営的)に困窮した大銀行や建設会社を救う為の福祉予算はあっても、社会的弱者の為に使う福祉予算は無いのだ。

 政府がアテにならない以上、どうやって待遇改善をするのか?
 収入アップは望めなくても、せめて、介護職者が世間から尊敬される職業にする事は出来ないだろうか?
 介護職就業が欠乏欲求を満たす為の手段としてではなく、欠乏欲求よりもより高位に位置する、自己実現や自己超越といった成長欲求への道として社会認識されるようになれば、介護職は尊敬される職業となり、志の低い者達が参入してくる事は出来なくなるだろう。
 では、どうすれば介護職の社会的地位向上が?

 これについては、また機会を置いてじっくり書きたいと思う。


人気ブログランキングだそうです。クリックしてね♪
http://blog.with2.net/link.php?268283

|

« 姿は人なれど、その者人間に非ず | トップページ | デイ実習Vol.2 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/8531/9676082

この記事へのトラックバック一覧です: 介護職のステータス向上の為に:

» 求人サイトの比較 [求人サイト比較ナビ]
楽しいブログでいつも拝見しています。 突然のTB失礼します。求人サイトの比較が出来るブログを立ち上げました。訪問者の方の就職転職にお役立ちになればと思います。管理人様ご迷惑でしたら削除をお願いいたします。 [続きを読む]

受信: 2006.04.23 04:03

« 姿は人なれど、その者人間に非ず | トップページ | デイ実習Vol.2 »