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2006.04.01

エンジンが燃えちゃうよ!!

 介護職の労働環境の悪さ(3Kどころか8Kじゃ!)からくる、多職種と比較した場合の離職率のあまりの高さに、遂に厚生労働省がその重い腰を上げたらしい。(遅すぎるんじゃ!!)
 新人の離職率が20%を超える現状に、「このままでは現在のサービスを維持出来ない。」との結論に達し、(今頃気付いたんか!!!)2007年をメドに(まだ待たすんかいな!?)具体的な数値目標を設定した政策を打ち出すらしい。恐らく、労働環境や賃金を改善させるように行政指導か法律改正を行うのだろう。
(まさか、標語とか作ってお終い。とかじゃないよな?)

 ぶっちゃけた話、現実問題として介護職員の給料はとても安い。
 介護職者向けの月刊誌とかで見ても、全国平均でも月20万ももらえればいい方だ。
 介護職としては高知では比較的給料の高い職種である、
 医療介護施設で働く僕の場合、
 夜勤手当と皆勤手当が込みでも、税込みで月18万位にしかならない。


 渡米前、滞米中、帰国後と、転職する度に仕事への満足度は上がったが、それに反比例して給料は下がり続けているのだが、これはまた別の物語なので、これに関してはまたの機会に書くとしよう。


 そして、その仕事のハードさと給与の低さ故、離職者も数多い。
 就業してまる5ヶ月が過ぎた僕だが、既に4人の先輩達を見送った。
 一人は燃え尽きて退職。多分、介護は廃業。
 二人が「この手取りじゃ家族を養えない」と言って職種変え。
 もう一人は、老健に転職。

 燃え尽きた一人はとても気のいい、フットワークの軽い、しかもめちゃくちゃに優しい人だったし、職種変えした二人も、我が職場の2トップ。って位のチョー仕事師だった。

 確かに、時給換算すると高知ではかなり給料がいい仕事の一つに入るから、正規社員になる責任とリスクを負う事が難しい人には、それなりに稼げるイイ仕事なのかもしれない。しかしながら、生活や将来の事を考えたら、結婚を意識している若い男性や、介護に志と希望を持って参入した人(僕もその一人さ!)、人生を長期スパンで考慮する事の出来る賢い人達や優秀な人材を引き止めるのは、とても難しいと言わざるを得ないだろう。

 卒業すると介護福祉士の資格が取れる学校が林立する中で、実務を経て介護福祉士を取った人や取ろうとしている人の、その経験に基づいた、知識と技術と観察力と判断力と処理能力には物凄い物がある。
 そして、それらを全てフル活動させていかないと業務が回らない、それが介護業界だ。そこに要求されるスキルは恐ろしく高く、駆け出しの頃の僕など、彼等・彼女等の指導が無ければ既に何人かは死なせていたかもしれないし、ここまで成長したのも先輩方の指導(イジメ?)があったからこそだろう。
 そんな高度な知識とスキル、豊富な経験が要求される職種だから、優秀な人材を育成するには恐ろしくコストと時間が掛かる。しかしながら、そうやって育ってきた人材に対する報酬はとんでもなく低い。Crazy lowだ。

 これまで色んな仕事を経験してきた僕だけど、介護よりもラクに稼げる仕事なんかいくらでもある。

 それでも今はまだ、介護職者の志や奉仕精神で辛うじて維持出来ている現場だけど、僕から見ているとこの仕事が長い人ほど、肉体的・精神的に疲れている様に、今にも焼き切れそうに感じる。

 これは決して一部の経営者だけが儲けている訳では無い。介護全体が低報酬システムになっているのだ。介護保険ですら既に、負担率を上げないとやっていけない位の大赤字なんだ。
 優秀な人材を高給で集め、介護保険適用外のサービスを提供する、富裕高齢者対象の豪華な介護施設も存在するが、それは富裕層の分しか存在しないし、富裕層だけが満足したサービスを受けられる介護と言う物は、社会の不安定化に直結する。

 日本社会の高齢化が問題になり始めたのは、まだ高度成長期の中にあった70年代だ。それを数十年もほったらかしにしておいて、2000年になってようやく『介護保険制度』を導入し、それ以前からいた老人施設で働く人や、新たに参入してくる人を「おら働け!」とハイスピードでドライブさせておいて、アクセルは全開なのに冷却も潤滑も無し。
 ほらほら、早くなんとかしないと、
 異常水温と異常燃焼でエンジンが燃えちゃうよ。

 いいエンジンを一つ作るには、それなりの手間とコストが掛かるし、今あるこのエンジンだって、かなり手間暇金掛けて作ってるんだよ。これ燃えちゃったら、変わりなんかすぐには無いよ!!

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コメント

mizzieさん、夜勤明けお疲れ様でした!
本当に、まさに、ナイスタイミングな記事でした。
私、うちのホームの理事長さんからスタッフさんの時給をチラッと聞いたことがあったんですけど、もう、本当に仰天してしまいました。
そんな時給で皆さんがあんなに一生懸命働いてくださってるなんて、感動に近いものがありました。
気持ちがないとやっていけません。
気持ちがあっても、それ以上に押しつぶされる要因も多々あると思います。

本当に、もっといい条件と環境にしてもらいたいと思います。
どう変わっていくのか、期待したいです。

投稿: えびすけ | 2006.04.03 23:59

我が職場の新人さんで介護事務をなさっていた方がいるのですが、その方の話だと「儲けを追求して雇用者の賃金を低く設定している経営者もいる」との話でした。
そういった経営者にとって、介護保険は使えば使うほど利益が出るシステム(雇用者の賃金を安く抑えている為に利益率がいいので)なので、結果として介護保険の財政破綻にも一役買ったようにも思えます。

これについても、機会があればまた記事にしますね。

投稿: mizzie | 2006.04.04 01:01

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