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2006.05.01

利用者中心主義

 過日の夜勤中、定時のオムツ交換中にラバーシーツまで全交換。って位の凄い奴に遭遇し、夜中にバタバタとオムツと病衣とシーツの交換をしていた時その方から、

 「忙しい時にごめんねぇ・・・。」

 と言われた。
 オムツ交換では会話の出来る人はかなりの確立で、そして排便に当たった時は全員がほぼ間違いなく、僕にこの言葉を口にする。そしてその時はいつも必ず、僕は同じ言葉を返す。

 「○×さんは何ちゃあ悪い事らぁしちゃあせんがやき、謝らいでもえいがでぇ。僕らぁは、お便が出てない時の方が心配やもん。出ん日が続いたら薬を飲まないかんなるろう?出てよかったやいか。」

 そう言うと皆、申し訳なさそうな顔が少し照れの混じった笑顔に変わり、そうして僕は苦闘しながらも作業を進めて行くのだが、しかしこの日この方からは、いつもと違う反応が返ってきた。

 「そうやって言うてくれるんは、mizzieちゃんだけちや。」

 これは意外だ。僕はこう対処するのを、僕の教育係だった主任と、尊敬しているベテラン介護福祉士さんの背中から学んだのだから。

 「えぇ~? ☆△さんもそうやって言うろうがぇ?」
 「うん。Mizzieちゃんと☆△さんだけちや。」

 軽度の認知症も入っているこの方は恐らく、僕と同じ対処をする方の名前が咄嗟には出てこなかったのだろう。
 ただこの方の話では、オムツ交換で排便にあたった時、あからさまに嫌そうな対応をする職員もいるのだそうで、それで僕等介護職員に対して「申し訳なく」感じてしまうと言う事だった。
 この日は似たようなケースが幾つかあり、自分が担当しているフロア19人のオムツ交換を終えるまでに、1時間弱も掛かってしまった。

 だが、時間が余計に掛かった事よりも、利用者中心の対応が出来ていない同僚が居るらしい。という事実には、哀しみの交じった衝撃を受けた。

 確かに、四肢麻痺、言語理解不可、経管栄養、なんて方が多数を占める医療介護の現場では、「尊厳」を意識した仕事が困難な局面に出くわすときも多々ある。時々刻々と変わる状況要因も、無視出来ないだろう。

 でもでも、

 少なくとも自分よりも長い時を生きてきた方が、その時を巡り終えた時に、「ありがとう」って言ってもらえるような、そんな介護を提供したいと、僕はそう思っている。

 きっと、これからもずっと。





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コメント

職員の処遇が統一されていないことよりも、「夜勤中にラバーまで全交換をしなければならない」処遇をしていたことに驚きです・・・。なんでやの??当て方を失敗してたとか?交換をうっかりとばしてしまってたとか??
私の職場では、夜勤者が↑のような事態に陥らないように(だってこんなことでかかりきりになっていたら、緊急時の対応ができないので)なるべく注意を払うようにしています。排尿ナシの場合は必ず申し送り、時間を変えて確認、また一度の尿量が多く体動の激しい方に対しても、「定時」以外にもしょっちゅう様子を見ています。なので夜勤中に上記のような事態に陥ったという報告はめったに聞きません。療養型施設だとやはり「病院」が主体なので、緊急時の対応には恵まれていると思いますが(京都市内の場合、夜間一方通行の道等非常に多いので、救急車を呼んでもなかなかこないことが多いのです)。
出すぎたことを言うようですが、職員の処遇どうこう以前に、利用者に対する処遇の改善のほうが先だと思います。完全な処遇ができたうえでの利用者とのコミュニケーションですし、「出来ない分はやさしさとコミュニケーションでカバー」なんてのは介護「職」ではなくただのボランティアです。

投稿: hana | 2006.05.01 08:03

hanaさん>
「ラバーまで全交換」になった原因は、当て方が上手く行ってない所に、多量(300ccくらい)の排便があって横もれを起こしたからです。
頻尿の方以外に定時のオムツ交換以外の観察が無かった(23時の巡視後は3時まで病室に入る事がありません)のは、当直医がいるので緊急時も5分と掛からず医師・ナースが駆けつける、その現状に甘えている面があったんだと思います。

近視眼的になって見えていなかった問題点が、hanaさんからの指摘で目が覚めました。指摘された点を改善するよう、今後はもっと気を引き締めたいと思います。

投稿: mizzie | 2006.05.01 13:18

こんばんは。

デイでは、利用者さんがよく同じように、職員に気を遣って下さる方が何名かいらっしゃいます。
でも、こちらの職員は、皆、利用者さん中心に動いているので、その点では、誇れるチームだと思っています。
若干、例外もいますが・・・。
私も、利用者さんに喜んでもらえる介助ができるように、いつまでもそういう気持ちを大切にしたいと、改めて痛感しましたo(^-^)o

投稿: ガルボ | 2006.05.01 22:13

ガルボさん>
仕事を進める上で、「加齢と共に様々な能力が失われていく」利用者様が、その事実に滅入ってしまう事の無いような対応をしたい。
その思いをいつまでも持ち続けていたい。
と僕は思っています。

とにかく、

その人の全てを、あるがままに受け入れる。それがキチンと出来る介護者でいたいと思います。

PS 福祉ネットワーク面白いですね。ビデオに撮りだめして、まとめて鑑賞しています。

投稿: mizzie | 2006.05.02 03:30

「○×さんは何ちゃあ悪い事らぁしちゃあせんがやき、謝らいでもえいがでぇ。僕らぁは、お便が出てない時の方が心配やもん。出ん日が続いたら薬を飲まないかんなるろう?出てよかったやいか。」

ここにきて、いい事、学ばせて頂きました。

ありがとうございました〇┓ ペコッ

投稿: ひよこ山 | 2006.05.04 08:59

ひよこ山さん>
ご来訪有難う御座います。

"ここにきて、いい事、学ばせて頂きました。"

そんなに言われちゃうと照れちゃいます。(^^ゞ
ここは毎日更新してますから、良かったらまた遊びに来て下さいね。

投稿: mizzie | 2006.05.04 12:15

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