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2006.05.08

世界の終わり~支配者とリンクする情報科学~

 世界の終わり。という題で管理社会と再生医療について語ってきたが、最後に、そのどちらにも関わっている、情報科学について話そうと思う。

 この十数年の間に、情報科学(情報技術ではない)は劇的に進歩した。それは脳科学と結びつき、人間の知覚システムにより深い理解をもたらし、知覚心理学という分野を生み出したくらいだ。
 脳から発せられて脊髄を経由した命令が神経に伝わり、骨格筋を動かすそれが、神経線維を伝わる電気信号のやりとりで行われている事は大抵の人が知っているが、その、どういった電気信号がどの部分の筋肉をどういう風に動かすのか、そして、感覚器官で感知した熱や圧力や痛みと言った情報を脳に伝える信号、それらの解析が進んでいる。情報科学の進歩は、そうやって拾い出した脳からの、そして脳への電気信号を、デジタル信号に変換してインターネット上に乗せ、遠く数千キロ離れた所にある義手を、自分の手として動かす事が可能な所にまで来ている。

 デジタル化できるという事は、遠隔地への高速伝達を可能にするだけではなく、複製、拡散が容易に出来ると言う事でもある。前回書いた義体技術が進歩すれば、1人の脳があれば、数千人、数万人を動かす事が可能になるかもしれない。

 一つの脳で数千人の兵士を動かす事は合理的では無いが、神経伝達信号をデジタル化させて遠隔操作を可能にする事を軍事技術転用すると、兵士損耗率0、つまり戦死者0の戦争が可能になる。実際に前線に出るのは兵士とリンクしたサイボーグで、兵士は基地でサイボーグと情報の遣り取りをするだけだ。そこでは流れる血もなければ痛みも無い、無味乾燥な消耗戦が繰り広げられるだろう。

 話は少し変わるが、情報科学は脳科学とリンクして、記憶や判断、思考や想像を解析する所にまで来ているらしい。
 感覚器官を通して認識された情報が、どういったプロセスを経て記憶されるのかはほぼ完全に解析されているそうだが、もし、その記憶や思考が外部から制御可能になったとしたら、(そして必ずその技術は開発される)これほど恐ろしい事は無い。

 始めはきっと、異言語や学問と言った知識や、特定の技術習得についての、安価で効率的な手段として、開発・市販・普及するだろう。しかしながら、記憶や思考、判断を第三者が制御可能になったとしたら、為政者達は必ず、それを自分達の立場をより強固に、永続化させる為に利用するはずだ。

 大衆の個性化は、効率的な納税者の大量生産にとっては不必要な物だ。脳の外部制御技術は、そんな物は簡単に消してしまえるようになるだろう。万人の個性が多様化し、それら全てがCritical thinking skill(批判的思考能力)を身に付けたりしたら、特権階級の大衆支配制度を維持する事が難しくなるかも、ヘタをすれば革命なぞを起こされて自分達の不利益に繋がる事になるかもしれない。

 脳機能の外部制御が可能になれば、大衆がそういった判断力や思考力を持つ事無く、ドラマやスポーツや有名人のスキャンダルでカタルシスを得てそれで満足して居続けられるように、感情や思想を統制する事が可能になるだろう。

 そしてそういった情報科学と脳科学の結合は、将来的には人工衛星を利用した高速大量広範伝送技術に結びつき、特権階級者による世界支配へと結びつくだろう。

 宇宙から送られるコマンドに従い、自分でも気付かない内に支配される大衆達。
 そこでは競争も敗北も無く、争いも犯罪も差別も偏見も略奪も無いのかもしれないが、個性を奪われ、従順な消費者という特権階級者の家畜としてしか存在を許されない人間。そんな存在として生きて行く事しか許されない世界に、本当の意味の幸福などあるのだろうか?


 田舎の介護職員の疑問などお構いなしに、それへの流れは静かに、しかし確実に進行しているのだろう。



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