« 英語力低下 | トップページ | exile ~故郷喪失~ »

2006.06.11

緊急事態

 今日は、昼食終了後に『災害時対応訓練』が行われる予定になっていたが、それ以外では、その日は特に問題になるような事は何も無い、比較的平和な一日だった。その日出勤している職員のバランスが良かった事もあるが、ストレスフルな事は何も起きず、淡々と業務がこなされて行き、早出出勤だった僕はそのまま順当に行けば、久し振りに定時で帰られるかも?って調子で全てが順調に進んでいた。

 終業まで1時間を切った時、突然それは起こった。

 僕は現場にいなかったので事態の詳細は判らないが、スケジュールされた時間通りに水分補給を受けていたある利用者さんが、トロミのついたそれを大量に誤嚥し、気道が閉塞、呼吸が停止した!!

 病院内で起きた緊急事態なので、看護士や医師が即座に対応。しかし、気道を塞いだそれの吸引に手間取り、呼吸を回復させるまでに少し時間が掛かった。
 脳への酸素供給停止状態が5分以上続くと、脳細胞に不可逆性器質損傷が生じるのだが、水分補給をその時は病室ではなく詰所で行っていた為、看護士が即座に対応出来たので5分以内にそれを完了したが、一時はかなり危険な状態となり、容態急変の連絡を受けた家族が駆けつけた程だった。

 その利用者さんに水分補給をしていたのが新人さんだったと言う事もあるが、小さな不注意が、そのまま生命の危機に直結した一例だった。
 ベテランのテンポ良い仕事振りに触発され、同じ様に素早くそれを終えようとしたのかもしれない。状況要因も何か影響していたのかもしれない。色んな要因が絡み合い、それは起きた。
 救急病院に併設された医療介護施設なので、その利用者さんは30分後にはそちらの病棟に転棟されたが、その原因を作ってしまった新人さんは、「あたし、仕事が怖いですぅ・・・」と言って、今にも泣き出しそうな顔をしていた。

 「僕だって怖いさ。誤嚥は特に怖い。僕は食事介助が遅くていつも怒られてばかりだけど、これは皆に言っちゃダメだけど、僕は誤嚥させちゃうくらいなら怒られた方がマシだと思ってるもん。」

 なんて事を言いながら、落ち込んでいるその方を励まし、緊急対応で人手が取られてしまった分の穴埋めとして、2時間ちょいのボランティア残業をして(病棟長が特別に超過勤務手当てを付けてくれる事になった)帰宅した。


 介護はタフな仕事だ。
 プロとして。僕等は人様の命を預かっている。
  看護士の指示で動いていて、様々な局面での判断は看護士に任され、権限と責任は看護士や医師よりも遥かに軽いとはいえ、実際に現場で医療行為以外の対応をしているのは僕等なのだから。
 ちょっとしたミスで怪我をさせる、症状悪化させる、ヘタをすると命を落とす。

 今日の一件は、“慣れ”に流され始めていたかもしれない、自分にとっても強烈な教訓となった。
 Don’t get courageだ。



人気ブログランキングです。クリックして下さいね♪
http://blog.with2.net/link.php?268283

|

« 英語力低下 | トップページ | exile ~故郷喪失~ »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/8531/10471639

この記事へのトラックバック一覧です: 緊急事態:

« 英語力低下 | トップページ | exile ~故郷喪失~ »