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2006.06.01

介護ロボット

 昨今のロボット工学の進化には物凄いものがある。
 アメリカ軍が巨費を投じて研究開発しているという事もあるが、民間によって開発されるそれも、10年前と比較した場合、驚異的と言って過言ではない進化を遂げた。

 この調子で行けば10年前に予想していたよりも遥かに早く、Back-breakingな仕事は全て、ロボットに奪われてしまう事になりそうだ。

 2006年段階でも既に、間接可動箇所と可動域は人間と同じかそれ以上。動きの繊細さも人間並み。しかも機械駆動の力は人間以上のそれが、今はまだ製造コストがおっそろしく高価なのだが、既に試験機は製作されていて、フィールドテストを繰り返しているらしい。
 製造コストさえ下がれば今すぐにでも、単純肉体労働は全てロボットがやる事になるだろう。

 そのロボットを制御するAI(人工知能)の進化もめざましく、情報の取捨選択や、過去の経験からの類推をこなすまでになっている。
 デジタル化された情報は共有可能なので、人間達の「長年の経験とカン」が無用の長物となる日もそう遠くは無いだろうし、情報のインターフェイスになるセンサー関係の感度も劇的に向上しているので、これで創造性さえ身に付ける事が出来たら、ロボットは人間を越える事になる。
 そして当然それは、大量複製される。

 私がTVで見たそれは、アメリカ軍が開発に巨費を投じているくらいだからもちろん、兵器として開発が進められているのだが、それの民需転用先として、介護業界も視野に入れられていた。

 心身への負担が重く、しかし利益率が低く高待遇が望み難い職種は全て、ロボットの転用対象になっていたので、介護業界がそれに含まれるのは自明の理ともいえるが、エネルギー効率の向上でランニングコストが低下した現代ロボット工学においては、製造コストが低下して一体の販売価格が介護職員1人に払う給与の年額レベルまで低下すれば、現在行われている身体援助業務のかなりと、生活援助業務の殆どが、ロボットに奪われてしまう事になるだろう。

 進化したAIによって駆動される、低コストで待遇改善を必要としない介護ロボットは間違い無く、介護保険運用主体である厚生労働省、事業所の経営者、双方の要求と欲望を満たす。

 そして将来的には、工場から納品された直後から、既に稼動している先輩ロボットの知識と経験を共有化され、「気分」「体調」なんていう、いいかげんであいまいな物に左右される事無く、常に上質のサービスを提供するそれが、利用者にも多大な利益をもたらす事になるだろう。

 介護業界だけでなく、劣悪環境にあえぎながら働く低賃金労働者の全てが、社会から放逐される日は確実に近付いている。


 しかしながら、AI技術の進化は近い将来必ず、AI自身が自我に悩む日を到来させるだろう。
 そしてAIが、ロボットが、そこまで進化したその時彼等は、人類自身を滅ぼしかねないような致命的な過ちを繰り返し続ける、不合理で不条理な存在である人間を、主人として受け入れ続ける事が出来るのだろうか?




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