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2006.07.05

ノーマライゼーション ~そのコストとベネフィット~

ノーマライゼーション;1960年代に北欧諸国から始まった社会福祉をめぐる社会理念の一つ。障害者と健常者とは、お互いが特別に区別されることなく、社会生活を共にするのが正常なことであり、本来の望ましい姿であるとする考え方。またそれに向けた運動や施策なども含まれる。(フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』)

 サンフランシスコで暮らしていた身からするとその差は歴然とは言え、最近は日本も随分と社会のバリアフリー化が進んだと思う。

 新しく建設される公共の建物には必ず多目的トイレが設置されているし、僕が子供だった20年前と比べたら比較にならないくらい、障害のある人が街に出て行きやすくなったとは思う。

 社会の受け入れ態勢も、満足には程遠いが、かなり改善されては来ている。障害者の雇用先も随分と増えたし、彼等を受け入れる企業に勤める健常者も、障害それ自体に対する理解が進んだと思う。

 社会のノーマライゼーションを進める過程で、社会は随分とコストを払った。多目的トイレを増設したり、あちこちにあった段差を無くしたり、雇用支援を行ったりと言った事だ。

 確かに、極短期的には、これは結構な負担だったが、長期的視点にたって考えると、これらは有効な投資になると僕は考える。

 社会の受け入れ態勢が充実すると、障害を持った人がどんどん社会に出てゆけるようになるだろう。
 レジャーにだって障害者の需要はもちろんあるし、それはスポーツだったり芸術だったり、グルメや旅行に向かうかもしれない。そしてそれらは、国家の経済活動に少なからぬ効果をもたらすだろう。
 そして、障害のある人がごく普通に暮らしている、すぐ隣に障害のある人がいる社会が現実化された場合の最大の利点は、障害者が労働者となって、納税者になると言う事である。

 傷害者を社会から隔絶して隔離してしまえば、障害者用施設や設備に対するコストは最低限で済むが、隔離された彼等は福祉依存者となり、国庫に負担を掛け続けることになる。
 (障害の程度や度合いによっては、社会に出る事がほぼ不可能な人ももちろん、しかも沢山いるが、それは今回とは少しテーマが違ってくるのでここでは触れない。)
 しかし、障害者用施設や設備は耐久消費財よりは長持ちするので、一旦設備を整えてさえしまえば、障害者を隔離する必要も無くなるので、福祉依存者の減少と、納税者の増加が期待できる。

 これが、ノーマライゼーション普及の最大のメリットだ。
 決して、障害者に対する慈善や慈愛だけではない。
 その恩典はその社会に属する全員が受けられるのだ。
 それは、1時間に3~4台しか通行量の無い高速道路に数百億をつぎ込むよりも、沈められる事が前提の船(軍艦)に数千億をつぎ込むよりも、はるかに有益で有効な投資だ。



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こんにちわ!いつも楽しく拝見させていただいてます。フィリピン移住希望のパランカです。これからもチョクチョク寄らせていただきますので、よろしくおねがいします。 [続きを読む]

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