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2006.08.05

『地デジ』という名の低所得者イジメ

 2011年7月24日。日本のテレビ放送は全てデジタル化され、アナログ放送しか受信出来ないテレビでは、テレビが見られなくなる。
 以降は、地デジ対応テレビか、地デジ対応チューナーが無いと、テレビを見る事は出来ない。

 高齢者福祉に関わる者の一人として、これを看過する事は出来ない。
 この国の政府は、また低所得者イジメをしている。

 地上波テレビのデジタル化は、欧米でも進行しているが、あちらでは低所得者にはチューナーを配ったり、国費補助を行ったりして、買い替えが困難な層にも対応した。
 が、悲しいかな『強者の王国』ニッポン、地デジ化を強力に推し進めてきた総務省からは、買い替えに対する低所得者保障や補助の話は一切無い。

 現在、地デジ対応テレビは一台が安い物でも10万円前後、チューナーは5万円程だ。
 年金しか収入が無い独居高齢者世帯に、このコストを負担する余力があるだろうか?

 現実はこうだ。

 65歳以上人口が53%と言う過疎・高齢化の町、福島県昭和村で行われたアンケートでは、テレビ買い替えに出せる費用が「5万円以下」と回答した世帯が53%、「10万円以下」と回答した世帯を含めると70%を超えたらしい。

 独居だけでなく、高齢者にとってテレビはその一日において、接している時間がとても(恐らく最も)長い対象だ。
 しかし、総務省が進める地上波テレビの完全デジタル化は、低所得の高齢者層を視聴者から締め出す事になるだろう。

 もちろん、これからの5年間で地上デジタル放送対応テレビの低価格化もいくらかは進むだろうが、低所得者層への補助無しに、強制的に買い替えをさせるだけのメリットは何処にあるのか?
 総務省は多チャンネル化やデータ放送、インターネット経由の視聴者参加など、サービスの多様化を強調するが、
 多チャンネル化は既に、提供するソフトの枯渇による番組内容の質的低下(魅力あるプログラムが限られているのにチャンネル数だけが多いので、放送に価する番組が無い)を招いているし、
 データ放送も、「あれば便利」だけど、なくても別に困らない。
 インターネット経由の視聴者参加番組にしても、そのネット回線使用料は誰が払うのだ?

 テレビ放送がデジタル化する事のメリットは、低所得の高齢者には殆ど関係が無い事ばかりだ。
 その自分達には殆ど関係が無い事への対処を強制され、それに応じなければ、テレビは2011年7月24日以降は見ることが出来なくなる。しかもそれに対応する為のコストは全て自己負担、それも決して安くない金額だ。

 私は高齢者では無いが、その私にとっても地上波テレビがデジタル化される事のメリットには全く魅力が無い。そりゃ画像が綺麗になったりする事は、ならないよりはマシかもしれないが、その為のコスト負担なんか強制されたくない。
 しかも、デジタル波の放送基地局は殆ど全ての市町村では、アナログ波の基地局とは違う場所に設置されているので、アンテナも新たに設置する必要がある。つまり、デジタル対応のアンテナを立てなければ、地デジ対応のテレビを買ってもデジタル放送は視聴出来ないのだ。テレビのコストだって負担したくないくらいなのに、アンテナにまでお金を払うなんて絶対にイヤだ。
 (共同住宅(アパートやマンション)が対応した場合、恐らく居住者は強制的に負担をさせられるだろうが。)


 テレビが壊れたから仕方なく買い替え、とかなら地デジ対応型を買うかもしれないが、地デジを見るためにわざわざテレビを買い換える気なんかさらさら無い。どっちにしても2011年の7月24日以降もテレビを見たいのなら、アンテナの新規設置とチューナーの購入が必要になるのだが。

 地上波放送を強制的にデジタル化する事に、どんなメリットが、一体誰にあるのだろう?と思っていたが、その答えが8月1日の高知新聞記事に出ていたから、ここにそのまま抜粋する。

 ・・・なぜ性急とも思える政策を推し進めるのか。ある家電メーカーの社員は明快に答えた。「一億台を越すテレビが入れ替わることで、200兆円以上の経済効果が予想されている。景気対策以外ないですよ。」

 まただ。

 この国の政府はまた、私的企業の利潤の為に公共の補助金を提供し、金持ちの為の福祉国家を維持するために大規模な経済介入をしている。
 今度は、公共の資金(つまり僕等が払った血税だ)を提供するだけでなく、直接僕等にコスト負担を強いるような政策を打ち出してきた。

 わかった、もういいよ。

 テレビなんか、もぅ見てやんない。
 どうせCMばっかりだし番組はつまんないし。
 僕は情報収集は全部ネットでしちゃうから、もうテレビいらない。
 低所得層のじーちゃんばーちゃん達には、2011年7月24日からはラジオに切り替わってもらって、情報が音だけになる分、想像力を働かせてもらって、脳の活性化のリハビリをしてもらう事にしよう。



政府の進める企業連合優遇政策には嫌悪感しか感じないんだけど、ただ文句を言うだけじゃない、『行動するブロガー』になる事にしたmizzie、皆にも行動を共にする事を願います。と言う訳で、


「低所得独居高齢者から文化的な生活を奪う事になり兼ねない、テレビの地上波放送デジタル化への完全移行に強く抗議し、年金所得以外に所得のない低所得独居高齢者への配慮の為、地上波テレビ放送のデジタル化に伴う、デジタル放送用アンテナ設置、テレビ本体の買い替え・デジタル受信チューナー購入代金に対しての、低所得者に対する政府の補助、保障を強く求めます。」

の文をコピー&ペーストして、↓のリンク先に投書して下さい。
首相官邸 ご意見募集

http://www.kantei.go.jp/jp/forms/dokusha.html



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コメント

mizzieさん、はじめまして。
anikigaeruと申します。

発音はどう読めばいいんでしょうね。難しいですね。

貴方のような青年が日本にもっと沢山増えれば、日本ももう少し住みやすくなると思います。

投稿: anikigaeru | 2006.08.05 22:12

anikigaeruさん>
はじめまして、こんにちは!
mizzie's cafeに、ようこそ!!

僕の名前の発音は、”みずぃ”です。
anikigaeruさんのブログは、ブログランキングでよくみかけてました。常に僕よりも上位にいらっしゃて、常々うらやましく思っていたものです。
そんな方からお褒めに預かり、とても光栄です。僕は基本的に毎日更新してますから、機会があればまた遊びに来てくださいね。

投稿: mizzie | 2006.08.05 23:09

はじめまして、mizzieさん。
ブログに訪問&コメントありがとうございました。どんどん高齢者・低所得者には厳しくなってきているのに、地デジにしなくちゃいけない意味が未だにわかりません。そもそも、それになったら何がよくなるのか? 今までのTVでいいじゃんって思ってしまいます。 経済効果があるからなんですねぇ…勉強になります。なんだかmizzieさんも書かれていらっしゃいますが、こういうのって必要ないですよね。僕も同感です。介護職員さんされているって、スゴイって
思います。勉強するにつれて、まだまだ実際の経験はしていませんが、大変さを痛感しています。僕が思っているよりも、もっともっと大変なんだと思いますが…お仕事大変だと思いますが、頑張ってください。

投稿: sakuya | 2006.08.16 19:20

sakuyaさん>
mizzie's cafeに、ようこそ!!
この国のエリート達は、私企業の利益を公共の福祉よりも優先させる傾向があるのですが、それは先進国ではどこでも見られる現象です。
彼等にいいようにやられない為に、庶民である僕等が心がけていなくてはならないのは、考える事。単純化させない事。

介護はとてもやりがいのある仕事ですが、現場にはシビアな現実が横たわっています。その中で低きに流される事なく、しっかりと自分軸を持って業務にあたっていける、そんな介護人になって下さいね。

投稿: mizzie | 2006.08.17 00:48

ぜんぜんいじめじゃないと思います。
むしろ、これを機会にテレビを見なくなるといいと思います。
人生の大切な時間をテレビに奪われています。テレビ見ているときに何かもっといいことができそうに思います。

ボクシングでチンピラが八百長して、開き直ってまた八百長するといってます。
開いた口がふさがりません。ちょうどいい機会ですから、テレビ自体廃棄してしまえばいいと思います。そうすれば、問題だらけのNHKを見ることも金を払うこともないのですから。

テレビのない生活のほうが、よほど中身のある豊かな生活ができそうです。

投稿: わお | 2006.08.25 02:54

わおさん>
日本のテレビがとんでもないくらいに低俗で幼稚なのは事実ですし、テレビなど無い方がより充実した生活が出来るであろうとは僕も思いますが、あくまでそれは健常者の視点であって、寝たきりとなり一日中天井の模様を眺めているくらいしか出来る事の無い老人や、そこまで酷くなくても行動が著しく制約を受けている老人・障害者にとって、強制的にテレビ買い替えコストの負担を強いられるこの政策は、やはりイジメと呼ぶのが相応しいのでは無いでしょうか?

この世界には、中身の濃い充実した生活を送る事が、身体機能的な理由でとても難しい人がいる。その事を、どうか頭の片隅にでも留めておいて頂く事を、高齢者福祉に関わる者として切にお願い致します。
敬具

投稿: mizzie | 2006.08.25 10:21

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