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2006.08.31

革新保守は困る

 昨年の郵政民主化法案に、小泉首相の出身派閥である森派から唯一法案に反対し、解散後は無所属で出馬し落選した、城内実と言う漢がいる。
 郵政法案では採決直前まで安部晋三幹事長代理(当時)から賛成に回るよう説得を受けつづけていたが、最後まで自分の信念を貫き反対票を投じた。
 郵政改革法案に反対しただけで、小泉首相に対立候補として片山さつき氏を当てられ落選した城内氏は今、静岡7区の選挙区内にある家賃6万円の一戸建てに家族と共に住み、後援会再結成の為、地道に活動を続けながら雌伏の時を過ごしている。

 政治的には左寄りで、お金大好き自民党とナンミョー集団公明党が大嫌いで、民主党候補が自民党候補と競っている時以外は共産党と共産党候補に投票する僕だが、もし自分の選挙区にこの城内氏がいたら、彼に一票を投じるか投じないか、かなり真剣に悩むと思う。

 この僕をしてそう言わせてしまう程で、この城内氏と言う革新的な保守主義者は、その政治姿勢も主張にも僕を賛同させてしまう物を持っている。

 政治姿勢だけでなく、外国暮らしの長かった氏は日本のテレビについても「その通り!」と膝を打ってしまうような事を言っている。実にいい事を言っているのでここにそのまま抜粋する。

「・・・外国で見えるのは、たとえば日本のテレビの事。非常に子供じみたというか、くだらない番組が多い。外国にはあまりない非常に低次元の番組を、よくぞ公共の電波を使って流しているなと思います。・・・私はテレビのせいで日本人がどんどん幼稚化しているんじゃないかと思っています。だから・・・」

 テレビについてはこんな感じだが、肝心の政治姿勢も実に気持ちのいい物を持っている。彼から国会議員という肩書きを奪った郵政法案だが、その反対理由はこうだ。

 「民営化法案で経営形態を分社化すると、郵便事業なんて赤字に決まってます。日本の地図を見れば、7割くらいが山間地で、離島もいっぱいある。これで郵便事業を黒字で経営できるわけがないんです。それを支えていたのが簡保と郵貯のサービスであり、それと一体化して全体で独立採算制と黒字で、国家公務員の身分を与えていますけど税金を1円も使わずに何とかうまくやってきたんです。特殊法人の無駄使いは、その金を集めて運用した大蔵省理財局が悪いのであって・・・何も郵政をばらばらにする必要はないはずです。・・・一番おいしいところだけ市場に出すと・・・つまり資本力のある外資が買う。」

 この城内氏、郵政法案審議で竹中平蔵から、「郵政法案について日本政府とアメリカは過去17回に渡って協議した。」と言う答弁を引き出してもいる。
 つまり、郵政法案はアメリカの要求に合わせてその中身をどんどん変えたと言う事実を、竹中氏自身から引き出した。
 この、竹中から「郵政事業はアメリカの利益に応じてどんどん変えた」と言う言質を取った城内氏の質問を取り上げたマスコミは、共産党機関誌の「赤旗」だけで、他のメディアは全てこの事実を黙殺した。

 郵政関係合同委員会にもマメに出席して勉強していたらしい城内氏は、特定郵便局とか郵便局労組とかの立場からではなく、国益を第一義に考えて反対に回ったと主張しているのだが、彼の言葉によると、

「上のレベルでは郵政民営化の結論は初めから決まっていたんです。・・・結局は、一部の有識者と外国の方々が決めたものだったのですね。そのからくりについては、不思議と新聞やテレビは取り上げない。」

 となる。
 そうして郵政民営化法案は国益に反すると言う立場から反対に回り、自民党を離党して無所属となり、片山さつき氏に敗れて落選した城内氏だが、民営化した郵便事業がどうなっているのか、国益に沿った動きを見せているのか、これから無集配局となってサービスの質を爆発的に低下させるであろう、過疎地域の郵便局がそれを如実に物語っている。

 国民の支持の元で改革路線を驀進する小泉自民党についても、彼は容赦なく

「今の改革は、要するに強い者がどんどん勝ち続ける。都市部の人達中心で、地方の生活弱者、いわゆる過疎地に住んでいる方とか離島に住んでいる方々にとってみると、もうお先真っ暗です。」

 と言って、小泉政権の格差容認政策を批判する。

 彼は自分の政治信念を、

 「私の信念は・・・日本の国益にプラスかマイナスか・・・日本の国民にとっていいか悪いか・・・今の国民だけではなくて、将来の国民の事も考えなければいけない・・・政治家はエコノミストになってはいけないんです。市場原理に反対しないと。市場原理に任せちゃうと資源配分がうまくいかないようなところに、何とか配分するように努力するのが政治家なわけでしょう。」

 と語る。
 不正と不公平を死ぬほど憎み、それらに対して常に強い怒りを覚える僕としては、こんな漢は応援・支持せずにはいられないのだが、離党したとはいえ自民党員だった城内氏は、保守系無所属になるのだ。
 保守を嫌うリベラル派の僕としてはとても困る。

 しかしリベラルを標榜する以上は、そいつが保守だからという理由で、自分と一致した意見を主張する政治家を否定する事など出来ない。
 もし僕が静岡7区の選挙区民だとしたら、対立候補に
志位和夫でもいない限り、迷わず城内氏に投票するだろう。

 次の衆議院選挙、静岡県民の意識の高さを見る意味も込めて、静岡7区の結果には注目するとしよう。

参照;通販生活2006秋号 取材・文:溝口敦 「人生の失敗」 より


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