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2006.08.16

行かせたい靖国、行かせたくない靖国

 日本ネオコン友の会(仮称)の主要メンバーである濃い済(誤字)氏が、日本の終戦記念日でアメリカの戦勝記念日で韓国の開放記念日である8月15日、靖国神社を公式参拝した。

 中韓は早速烈火のような抗議声明を出し、韓国の盧武鉉大統領も、かなり強い口調での非難と抗議の声明を発している。
 まぁ、彼の場合はここでありきたりな抗議しかしてなかったとすると、支持率が低下気味の政権が危機に陥るので、徹底的に強気に出るしかないという国内事情もあるが。

 退任前のご褒美で、アメリカと中東を訪問した故意炭(誤字)氏は、アメリカ訪問時にブッシュ大統領から直に、「対中関係を悪化させるような事のないように」的な事を言われておきながら、自身の公約にこだわって、8月15日に靖国神社を公式参拝した。

 首相任期終了直前に公式参拝をしたのは、自民党の支持母体でもある(財)日本遺族会と、戦友会等(遺族会と合わせた総数約2000万人)への公約を果たす為、言い方を変えれば選挙対策と票固めが最大の理由だと思う。直接的には、自民党は遺族会の持つ数百万票を手放したくなかったのだ。投票率が低下し続ける昨今において、彼等の票は重要だ。

 「アジアは一つにまとまるべきだ!」と、「一般庶民を大量に無駄死にさせた奴等を崇めるなんて出来るか!」と言う理論で靖国神社には否定的な僕だが、この国では僕のような意見は、異端となりつつあるようで、「国の為を思って戦場で散った命に、現代に生きる我々が感謝と鎮魂を願い、不戦の誓いを立てるのに、諸外国に文句を言われる筋合いは無い!」と言った意見が増えつつある。

 日本ネオコン友の会(仮称)の主要メンバーとして、この国をもっともっと右傾化させて、特権階級の利益最大化を狙う小泉としては、もう笑いが止まらない所だろう。

 ーあの戦争は、負けて当然の戦争だった。

 これは僕の一貫したスタンスだ。
 確かに、前線の兵士達は本気で祖国の為、国民の為を思ってその命を犠牲にしたのだろう。

 それだからこそ、僕は思うのだ。

 本当は全然、国民の為では無い戦争だったのに、その戦争で無駄死にさせられた彼等を、その彼等に「死んで来い」と命令した連中と共に、そして戦前の軍国主義教育の象徴だった靖国神社に祀り、彼等に感謝を捧げ鎮魂と不戦の誓いを立てると言って、そこに公共の利益を第一義に行動する事を仕事とする、一国の首相が行く。と言うのは、ちょっとおかしいのではないか?と。

 「お国の為」と信じて戦場で散った同胞達には、もちろん感謝と慰霊と不戦の誓いをしなければならない。先の大戦で死んだ300万人以上の同胞の命は、とてもとても貴いものだ。
 これに異論をとなえる日本人はおるまい。

 しかし、彼等は本当にお国の為には死なせてもらっていない。

 先の大戦、主な戦場は沖縄以外は全て外国だ。

 先の大戦で、純粋に国土を守る為に死んだのは沖縄戦の戦死者くらいのもので、それ以外は殆ど全て、外国にあった日本の占領地を巡る戦いか、戦争中に獲得した拠点を巡る戦いで戦死している。

 戦争指導者達の戦争遂行プランとして行われた、どこか遠い外国での戦闘で命を落とした者が殆どなのだ。

 大東亜共栄圏とか、八紘一宇とか言った耳障りのいい宣伝文句で騙されて、時の権力者の欲望充足と外交政策失敗の尻拭いをさせられ、さらに軍の高級官僚が立てた机上のプランで、実現不可能な作戦に投入させられ遠い異国で無駄死にさせられた人達なのだ。
 それが如何に不毛で無駄な戦いだったか、興味があるならポートモレスビー攻略戦やガダルカナル攻防戦、インパール攻略作戦についての戦史を調べてみたらいい。


http://www.aka.ne.jp/~deguchi/hobby/japan/responsibility.html#newginia
http://www.aka.ne.jp/~deguchi/hobby/japan/responsibility.html#gada
等を参照

 その事実には目を背け、ただ、英霊に謝意と鎮魂を祈る。と言うのは欺瞞だ。

 もちろん、過去の戦没者に対する慰霊施設は必要だ。
 時の権力者達に巧妙に騙されていたとは言え、祖国の、国土の、家族の為を想って命を投げ出した若い同胞達が数百万人いたのは事実なのだから。

 ただ、それが靖国である必要は無いし、靖国であってはいけないと僕は思う。

 あの戦争で命を散らせた、享年が今の僕よりも一回り以上年下だった兵士達は、物心ついた頃から軍国教育を叩き込まれ、

『国家の為に死ぬ事は尊い事で、戦死すれば軍神として靖国神社に祀られ、それは日本人としては栄誉である。』

 と信じ込まされていた人達なのだ。

 つまり、靖国神社とは軍国主義国家日本を象徴する、庶民に権力者の為に命を差し出せるシステムのシンボルなのだ。

 その、庶民が権力者の為に命を捧げるシステムの象徴に、300万人の日本人を犬死にさせた、アジアで2000万人を殺した責任者達が祀られている。

 そこで過去の戦争を、犯した過ちを悔い、慰霊と鎮魂と不戦の誓いを立てるというのは、ちょっとおかしいのではないか?

 極東軍事裁判で裁かれた戦争責任者が合祀され、彼等の分祀を拒んでいるのは靖国神社だ。
 政教分離の原則から言っても、一国の首相が特定の宗教団体を詣でると言うのは問題ありなのだが、神道から離れ、慰霊の為の特殊法人となり、宗教法人ではなくなる事を拒み続けているのも靖国神社だ。(ちなみに、靖国神社は神社本庁他の包括宗教法人には属さない単立神社である)

 本当に先の大戦の犠牲者に慰霊と鎮魂を捧げたいというのならば、戦争責任者を除外した慰霊施設を無宗教で作ればいいのだ。そうすれば、慰霊はして欲しいけど家族を死なせた責任者と一緒に祀って欲しくないと言う遺族からも、先の大戦で自国民を殺された周辺諸外国からも、理解が得られよう。

 分祀を拒否し続けている靖国神社は反対するだろうが、政府と一宗教法人と、どちらが力が強いのかくらいは誰が考えても判ると思う。

 そこでもう少し考えて欲しい。

 何故、国は靖国にこだわるのか。

 誰が、一番の利益を得ているのか。

 誰がこの先、新たに利益を得る事になるのか。


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コメント

初めまして。hanaさんところのブログからここに辿り着きました。難しくも興味深いことを色々と取り上げていらっしゃって、とても刺激になります。

靖国問題ですが、恋済(誤字)の真意は一体何なんでしょうね?票集めがしたい、というのもあるでしょう。アジアから手を引こうとしているアメリカを引き止める為に、故意に中国と韓国に嫌がらせをして、日本の隣国は敵ですよ、と主張したいのか?それともアメリカのアジア離れは止められないと悟り、武力の低下を恐れた為に、中国と韓国を仮想敵に仕立て上げることで、軍備の増強を図ろうと考えたのか・・・。

そもそも、靖国を参拝することでしか、戦没者への敬意を表すことはできないのでしょうか?他に何か方法はあるのではないでしょうか?61回もの終戦日を迎えるのに、何故そんなことがこれまで考えられてこなかったのか、不思議に思います(アメリカの庇護の下にあったから考える必要がなかったのか)。外国から見れば首相の靖国参拝というのは、極端に言えば、例えばナチスの党員達が祀られた教会に、国の元首が参拝するのと同じことなのかもしれません。そんなことをすれば、誰でも「それはおかしいのではないか?」と思うのではないでしょうか。

中国・韓国の過敏な反応も、私にはよくわかりません。中華思想と小中華思想の国は、東夷たる蛮族である日本に侵略されたことを、感覚的に絶対に許せないのか?中華思想を捨てた台湾が、首相の靖国参拝を問題視しないという反応だったのとは、非常に対照的ですよね。

無意味にだらだらと書いてしまってすいません。でも何だかこの問題、よくわからないことだらけです。

投稿: ころん | 2006.08.16 13:50

わ~い!
ブログランキングから入れました。

投稿: かめこ | 2006.08.16 23:45

ころんさん>
米軍の部隊編成は対中国を意識した展開となりつつあり、アメリカをアジアに引き止める為に中国を煽っているとは思えません。対中脅威論を国内で煽る事で軍事費増加を見込んでいるのかも?と考える方が合理的だと思います。
自民党が靖国にこだわるのには、それで利益を得る層が自民党の支持母体に存在すると考えるのが合理的だと思いますが、真相は僕にはまだ判りません。

中韓の反応に関しては、イジメっ子とイジメられっ子の記憶の違いを考えたら判り易いと思います。殴った日本は、殴った痛みはおろか、殴った事実さえもすぐに忘れる事が出来るけど、殴られた中韓にしてみたら、その痛みと怨みはそう簡単には忘れられるものではないはず。特に韓国については、僕等は35年間も彼等を植民化して支配し続けたんですから。

かめこさん>
いらっしゃいませ!!mizzie's cafeに、ようこそ!!
ここは基本的に毎日更新してますから、いつでも、何度でも、気軽に遊びに来てくださいね☆

投稿: mizzie | 2006.08.17 00:26

靖国神社が戦犯を分祀しないかぎり、この議論は続くんでしょうね。
私は自分のブログでも書きましたが純ちゃんの参拝に反対ではありません。多分私と同じくらいの低次元で純ちゃんは「ここにはせんそうでしんだひとがまつられてるから、しゅうせんきねんびにはおまいりしなくちゃ」と思っているんだと思います。mizzieさんのように、それに伴うさまざまな不利益のことにまで目がいかないのです。
分祀されればそれでいいのか?!という問題でもないとは思いますが、戦没者に対して哀悼と感謝の意を示す施設がない、というのは問題だと思いますね。ころんさんもおっしゃっていますが、アメリカの庇護の下にあったから考える必要がなかったのかとは私も思います。
こういった事件が起きるたびに中韓はそろって反日行動に訴えてきますね。強引ではありますがああいった行動をみるたびに「ゲルマン民族は優秀だ」と民衆をあおり国をひとつにまとめあげたヒトラーと彼らはおなじなのではないか、と思ってしまいます。反日の名の下国をひとつに纏め上げる・・・彼らの切り札はそれしかないのかもしれませんね。それぞれ言い分はあるのかもしれませんが、中韓の求める「謝罪」をしたところで結局また同じ話が繰り返されるのでしょう。mizzieさんもおっしゃるようにいじめっこといじめられっこの関係ですね。

投稿: hana | 2006.08.17 13:43

hanaさん>
僕は初め、小泉氏には何か深遠な(そして右よりな)思惑があって、靖国参拝をしているのだろうと勘ぐっていましたが、この重要な時期にイラン、パレスチナ、イスラエルを歴訪し、そして何も為す事無く間の抜けたコメントだけを残して帰国したその姿を見て、「こいつはただのnitwitだ。」って言うのを確信しました・・・。

中韓の過剰反応については、韓国はやはり、35年間も日本の支配下で抑圧されてきた、その積年の恨みと言うものは、簡単には晴れないんだと思います。
中国に関しては、国内に問題山積で、そちらに目を向けさせない為には、外に敵を設定して国民の目をそちらに向けておく必要がある政府の事情が大でしょう。

僕の個人的見解として、A級戦犯は分祀し、無宗教の慰霊施設を作ってそこに戦没者を祀るのが筋だと思います。これで文句を言われても、その時は堂々と反論できるのではないのでしょうか?

投稿: mizzie | 2006.08.17 17:58

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