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2006.08.29

奴等を告訴しちまえ!!

 目の前で、我が子を乗せた車が水没して行く一部始終を目撃し、汚れた海中に何度も潜って必死で二人を救い出すも、最後の一人は救う事が出来ず海中に残し、さらに一度は助けた二子も次々と落命した、この母親がその心に負った傷の事を思うと、ほんとうに、いたたまれない、やりきれない思いに満たされる。

 恐らく日本中を悲しみと怒りで満たしたであろうこの事故は、またしても『飲酒運転』によるものだ。この世界に自動車が誕生して以来、ずっと繰り返され続けているのであろうこの「自己客観視能力」欠如によって起こされる悲劇は、現代科学で充分克服が可能だとmizzieは考えている。

 21世紀のMade in Japanガソリンエンジンは、空気中の酸素濃度、気温、湿度、気圧を測定し、燃焼室に送り込む混合気を最適のガソリン混合比率に出来る吸気システムが、殆ど全ての4ストロークエンジンに採用されている。
 ホ○ダなど、吸気と圧縮を同時に行う為、電子制御が至難の業と言われていた2ストロークエンジンですら、熟練のレースメカニックよりも速いマシンを作り出せるセンサーとソフトウェアを開発しているくらいだ。

 空気中の酸素濃度を測定出来る技術を汎用化している日本の自動車メーカーなら、飲酒者の呼気に含まれる炭化水素(アルコールも炭化水素の一種。もちろん酸素分子よりも大きく重い)濃度を測定するセンサーとそれを効率的に運用するソフトウェアなど、簡単に開発・実用化出来るだろう。

 運転者からのアルコールを検知するセンサーを自動車に内臓させ、車内からアルコールを検知したらエンジンが始動しないシステムを作ればいいのだ。

 運転者だけが飲んでいない時はどうするって?

 センサーの数を増やして、座席毎の空気中アルコール濃度で運転者の飲酒量を計測出来るソフトウェアを開発すればいい。

 車内のアルコール濃度差だけでは不安と言うのなら、現代の測定器技術は、採血無しに表皮から動脈血酸素飽和度を測定出来るのだから、ハンドルに動脈血のアルコール濃度測定センサーを埋め込んでしまえばいい。
 もちろん、車両一台辺りの製造コストは上がるだろうが、万単位で大量生産される市販車にそれを採用すれば、センサーの一個辺り単価は劇的に低価格化し、また市場が広まれば測定機器メーカーも開発が進んで、10年もすれば恐ろしく高機能化されるだろう。

 この、運転者の飲酒を検知するとエンジンが始動しないシステム、技術的には可能だと思うのだが、利益の最大化が至上命題である私企業と言うものは、そこに利潤へと繋がる物が無い限り、絶対にそれをしようとはしない。
 ガソリンエンジンと電気モーターで駆動するハイブリッド車も、世界的に広まりつつあった環境保護意識の高まりと、近未来における石油受給バランスの変化予測、そこに将来的な市場の拡大が見込めたから、ト○タはハイブリッド車の開発に巨費を投じたのであって、純粋に地球環境保全だけを考えていたとは思い難い。

 だから、僕はこの悲劇のご遺族が、加害者だけではなく国とメーカーも告訴して欲しいと思っている。

 今から20年ほど前、アメリカでバイクのサイドスタンドを上げ忘れたまま走り出し、コーナーでサイドスタンドが路面に引っ掛かって転倒、脊髄損傷(だったと思う)で後遺障害が残った青年がいた。

 訴訟大国アメリカ、この青年と、その事故に商機ありと見た弁護士は、青年の乗っていたバイクの製造メーカー(日本)に対し、

「サイドスタンドが上がったままでも走行出来るバイクでの事故は、製造者責任だ!」

 と言った訴えを起こし、スタンドを上げ忘れた青年の過失責任よりもそちらが重いと陪審員達は判断(もし、そのバイクがハーレー(アメリカンメーカー)なら、判決が変わっただろうが、それはまた別の物語なのでここでは触れない)し、メーカーは当時のレートで20億円近い損害賠償を支払わせられた。

「飲酒運転で事故を起こすのは、飲酒したドライバーでも運転出来る車を作ったメーカーに、製造者責任がある。」

 そう言って、その福岡市職員が運転していた車の製造メーカーを告訴するのだ。

 日本の裁判制度は陪審員制ではないので、弁護士の口先で無罪を有罪に、と言うのはほぼ不可能だが、日本の自動車メーカーは全て、その最大の消費地がアメリカなので、
「アメリカで同様の事故で告訴され敗訴するリスク」
を考慮すれば、それの必要性を認識するだろう。

 そしてさらに、僕は国も一緒に告訴して欲しいと思っている。

 国民の生命と財産を守るのは政府の義務だ。
 政府がそれを保障してくれているから、僕等は日本国民の義務である、『労働と納税の義務』を果たしているのだ。

 飲酒運転を可能にする車を公認したのは運輸省陸運局だ。

 ドライバーの血中アルコール濃度測定機能付き自動車の製造を義務化しなかったのも、運輸省陸運局だ。

 そしてもちろん、運輸省は日本の政府機関である。

 製造メーカーに飲酒者の運転を不可能にする装置の装着を義務付けなかった、つまりその法律を作らなかった日本政府は、『国民の生命と財産を守る』と言う義務を怠った。

 ご遺族には、ぜひその過失責任を追及して欲しい。

 遺族がやらないなら、遺族に保険金を支払う事になる保険会社に、国とメーカーを相手に損害賠償請求をおこして欲しい。

 僕は元レーシングライダーとして、自動車社会のエキスパートとして断言する。

 この世界には、現代の科学技術では、どうしようもなく防ぐ事が出来ない種類の事故も、たしかに存在する。

 しかし飲酒運転による事故は間違いなく、

『防げる事故』

 だ。むしろ、起こる方がおかしい種類の事故だ。
 製造メーカーと、それを監督する政府には防げる事故を防がなかった、予防措置を怠った過失責任がある。

ここをクリックしてくれると、僕はとても嬉しいんだな☆
http://blog.with2.net/link.php?268283

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コメント

はじめまして、ご縁合って、
読ませていただいております。
全く同感です。
私も、つい何日かのblogに思いをかきました。
なんとも悔しいNEWSで、涙がこぼれました。

投稿: hitomi | 2006.08.29 20:29

hitomiさん>
いらっしゃいませ!Mizzie's cafeに、ようこそ!!
hitomiさんのブログも少し見させていただきましたが、「感性似てるかも?」って思いました。もしそうなら、ここはそれなりに楽しんで頂けると思います。
機会と時間があれば、過去記事も見てあげて下さいね。

投稿: mizzie | 2006.08.30 00:16

ちなみに、実は私も同業者の資格をもっています。
もともとは保健婦さんをしてました。
結婚して主婦になり、そしてそれを止めた今も、ずっと医療から遠ざかっています。
だから読んでて話が分かる場面もあります。
そうそうバックナンバーとか読んで、はじめてその人を掴めてくるものですよね。
自分でいうのもなんなんですが、少し前の私のblogにクラッシュというタイトルのがあります。私的には、よくかけたと思ってたりするんです。暇な時にどうぞです。

投稿: hitomi | 2006.08.30 07:36

お見事!
訴訟大国アメリカ風に訴えりゃいいんですよ~!!だって実際には実現可能な技術なんですもの!スウェーデンではすでに実用化されているらしいし。人間の良心に任せてるだけじゃいつまでたってもこういった「防げる事故」はなくなりません。

投稿: hana | 2006.08.30 10:21

わたしは必ずしもそうは思いません。本当にまったく思っていないわけではないのですが・・・
技術によって個人の飲酒運転の是非が、法を犯しかつ他人に危害を与えうる危険な行為というのではなく車を運転できなくなる不都合と言うきわめて合理的なものによって判断されるようになり、そもそも法で禁じる根拠や倫理観そのものを希薄にしてしまいます。
事故(しかしこれは事件と呼ぶにふさわしい)の責任はやはりすべて飲酒運転を行ったもの、それを幇助するものがあればそれも加わりますが、メーカーも国もと責任を希釈してしまっては常に当事者は責任を上流に転嫁する風潮をつくるでしょう。たとえば薬害でメーカーが副作用を認識していたが隠蔽したならば、その責任は認可する国よりも多くを負わなければならないような。
その上でこの件、行政の責任を問うならば根拠はガードレールの強度でしょう。ガードレールは確実に事故車両が車線から飛びなさないように設置されなければなりませんが、この件ではそうではありませんでした。飛び出しさえしなければ、車の横転や後続車との二次的な事故が考えられるでしょうが少なくとも救いの手さえ届かないという最悪の事態は避けられたはずです。自動車用のガードレールに想定外の力が加わったのならともかくそれは歩行者用でした。歩道が緩衝となりやっぱり転落は想定外としてもその場合歩行者が飛び込んでくる自動車から守られません。この事件を機に全国の歩道を併設する橋梁の一斉緊急点検が行われてもおかしくないと思います。が、世のムードは事故を起こしたのが市職員だったため批判が市に向かうなどまったくの的はずれで残念です。

投稿: ponta | 2006.08.30 21:22

hitomiさん>
クラッシュ、読みました。『一般論化出来ない物は無い物としてあつかう』の僕ですが、そう言った面とか事象とかあるよな~・・・って頷いてました。
ええ、共感してましたとも。(^^)
hanaさん>
でしょう?
何でもかんでも訴えちゃうアメリカ式ってどうよ!?って意見もあると思うけど、こと『飲酒運転』に関しては、少し過激なカンフル剤が必要だと思います。
pontaさん>
pontaさんの意見はある意味正論かもしれません。しかし、現実として人が殺されていると言う事実を、確実に予防出来る方法がそこにあるのに、酒類製造メーカーと自動車製造メーカーの利益に反する(この辺りはまた記事にします)と言う隠された理由の正当化に使われかねないpontaさんの理論は、危険ですらあると僕は考えます。
当事者の責任を追求するのは当然です。彼等は、幼児を3人も殺したのですから。
そして僕がここで述べているのは、もうこんな不幸な事故が永久におきなくする為の方法を政府とメーカーに採用させる為の手段の一つなんです。
 道徳的、政治的、人道的にはもっといい方法があるのかもしれません。だけど、もうそれを待つ余裕は無いのです。僕がこれを書いている今も、あなたがこれを読んでいる今も、この国のどこかで誰かが酒を飲んで車を運転して人を殺しているかもしれないんですから。

 橋のガードレールが強度不足だったのは、確かに原因の一因でしょうが、そこに責任を収斂させるのは、飲酒運転を防ごうとしなかった行政の責任をすりかえるだけでしかないと思います。
 市職員に批判が集中しているのは、それで利益を得る層と、それで立場を守られる層が手を組んでいるからであって、あなたはその欺瞞を既に見抜いているはずです。

投稿: mizzie | 2006.08.31 01:26

飲酒を検知して運転できなくなる車は、私としては車屋のそして酒屋の利益に反することであるどころかむしろ彼らには大歓迎ではないかと思います。規制により義務付けられれば車屋としてはいい商売でしょうし、そのコストを問答無用で消費者に添加できるのですから。まあ、酒屋にはできることは限られているでしょうが、ウチの近所のスーパーの酒類売場には酒類と一緒に使い捨てアルコール検知管がならんで飲酒運転抑制を狙っていてなかなかいいアイデアだと思います。なのでメーカーの利益に反するというのは当てはまらないのではと考えます。
技術であらゆるリスクを回避というのは技術革新が実現してくれるでしょうが、確信犯相手にはやっぱり無力ではないでしょうか。そういう人はあらゆる手段を使いますから。飲酒とは別ですが、暴走行為など技術で防ぎようがありません。
ガードレールに触れましたがあえて批判の対象とするていどであり、原因のひとつとなるかどうかは微妙です。むしろこの件で歩行者用ガードレールしかない自動車橋梁があるということが大きな教訓となったと思います。
市への批判は完全な的外れと思います。職員の監督責任が問われているようですが、勤務中の不祥事ならともかく、雇用主は職員のプライベートまで責任を負うか?私はそうは思いません。

ご挨拶もなしにいきなりコメントでしたが、今後もお邪魔します。

投稿: ponta | 2006.08.31 05:30

pontaさん、こんにちは。福岡市在住のころんと申します。市への批判は的外れということですが、確かにそれは一般的には正論かもしれません。しかし、福岡市職員による飲酒運転の事故は頻繁にあることなのです。以前、市の職員だったという方に聞いたことがあるのですが、市役所というのは仕事よりも5時からの付き合い(上司や仲間達と酒を飲むこと)の方が大事で、それを断ると出世に響き、そして少しぐらい飲んでも車の運転ぐらい大丈夫だといって、無理に飲まされることもよくあるとの話でした。この方の話がどこまで真実なのかはわかりませんが、市の内部にはこのような風土があるらしく、それならば市の職員の飲酒運転事故の多さが理解できます。

今回の事故が起きる2日前に、市は全職員に対して飲酒運転禁止の通達をしたとのことですが、それっておかしくないですか?飲酒運転は「しないのが当たり前」であって、それをわざわざ通達しなければならないということは、市の職員のモラルの低さを示していると思います。モラルの低い職員を育ててきた市が批判されるのは当然のことであり、そんな市に対して税金を払って、モラルの低い職員の給料を出してやっている福岡市民としては、市に対して怒り心頭になるわけです。今回の事故は、たまたま市の職員だった人間が、たまたまプライベートで起こした事故だとは思えません。

投稿: ころん | 2006.08.31 15:34

pontaさん>
ころんさん>
二人の意見にまとめて回答します。

まず、自動車メーカーと酒類製造メーカーの利益に関してですが、これはまた日をあらためて、少し深く考察して記事にします。資料や情報源によっては、pontaさんの意見を肯定する結果になるかもしれませんが、記事をUPするまで待ってて下さいね。
技術によるリスク回避が、確信犯には無力。に関しては、確かにそういった面もあるかもしれませんが、「ちょっとくらいは」「これくらいなら」って飲酒運転をしていた連中を排除する事は出来ると思います。そしてそれは、現在行われている飲酒運転のかなりの割合を占めているはず。
そういった人達をリスクから遠ざける事が出来る、それだけでも導入の価値はあると僕は考えます。
最後に、市への批判は的外れ。に関してですが、僕は決してそうとは思いません。
役人というものは、公務員というものは、高い論理感が求められる職業のはずです。プライベートなら何をしてもいいというのならば、教育委員会の人間が少女買春をしてもいいのでしょうか?
警察官が麻薬に手を出してもいいのでしょうか?
消防職員が放火をしても、自衛隊員がテロ活動をしてもそれはプライベート上の事なので、職務とは無関係なのでしょうか?
高い論理感の求めらる職業であるからこそ、私生活を律する事が必要なのではないでしょうか?
そして上司には、組織には、部下の、構成メンバーの教育と監督の義務があると私は考えます。職員の不祥事は組織の信頼を傷つけます。民間企業で、自社の信頼を傷付けるような事を社員がすれば、その社員は解雇されるでしょう。
ましてや、彼は公務員です。公務員は英語ではCivil servant(市民の僕)です。プライベートで罪を犯して市民を殺すなど、決して許される事ではありません。上司には、組織には、それを防ぐ為の措置を講じる義務があったのではないでしょうか?
市職員の飲酒運転禁止通達に関してですが、九州に勝るとも劣らない酒どころ高知、公務員の飲酒運転は何年も前から問題になり、あまりの酷さに業を煮やした橋本知事、酒気帯び・飲酒運転で検挙された職員は懲戒免職と言う新規定を作り、その後高知の公務員の飲酒運転検挙数は激減しました。
福岡市は、酒に対して甘かったと言わざるを得ないでしょう。そしてもちろん、そんな市は批判されて当然です。

投稿: mizzie | 2006.09.02 02:19

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