« 快眠 | トップページ | ネットへの期待 »

2006.09.15

アクシデント報告

 介護ブログのクセに、最近はゼンゼン介護関連の記事を書いていない。

 別に仕事がイヤになったとか、情熱をなくしたとかじゃなくて、介護関連よりも書きたい事があったのと、(9月は冒頭にシスコ弾丸出入国とかやってたし・・・)介護業界の矛盾とかを突き詰めて考えていく過程で、
政治がらみの話になったり、介護職員として以前に日本国民として義憤を覚えるような出来事が続いたので、それについて書いていたりしていた関係で、本当に介護ネタの記事を書いていなかった。

 特にネタにするような事件も起きていなかったし、それはそれで平和で良かったのだが、そんな平和な日々に気が緩んでいたのか、事件が起きてしまった。

 その事件には僕も直接関わっていたので、今回はそれについて書こうと思う。

 その日、僕は入所者へのリハビリ室送迎が担当になっていた。
 リハビリ送迎担当は、入所者への水分補給(お茶配りや必須ミネラル含有ゼリー摂取介助)も業務に含まれるのだが、定時のオムツ交換を終えてから怒涛の様に一気呵成にそれらをやらないと、とてもじゃないが時間内に全て終える事は出来ない。

 食事全介助で、むせこみがあるのでゼリーかトロミを付けた水分しか摂取出来ない人がそれなりの人数いるので、ちょっとでもてこずるとあっという間に昼食や夕食の時間にズレ込んでしまい、水分やゼリーでお腹一杯になってしまって今度は食事量が減ってしまう。なんて事にもなりかねない。

 最近はリハビリ送迎をやっていなかった事もあり、また拒否者が数人出ていた関係もあって、その日の僕は少し慌てていた。
 各部屋毎にいる、水分摂取量を管理しなくてはならない入所者に、次々とそれらを済ませていく。こちらからの「お茶の時間ですよ~」に素直に従ってくれる人は少数派で、嫌がったりむずかったりする人が殆どだ。

 でも、そんな事は少し考えたら判る。
 何で決められた時間にお茶を飲まなければならないのか?
 人には、自分の好きな時間に好きな物を飲む、或いは飲まない権利がある。

 そんな人達を相手にこちらは言葉巧みに、ある人には懇願し、ある人は上手くノセて、お茶やジュースやゼリーを摂ってもらう。
(ある意味人権侵害だよな~・・・)
 なんて思いながら、それでもなんとか時間内に全てを終え、一息ついてカルテを書こうとしていた時にそれは起こった。

 水分補給に使った用具を片付け、夕食用の下膳車を用意していた時、先輩職員の悲鳴に似た叫び声がフロア中に響いた。

 片麻痺のとある入所者、仰臥位と側臥位しかとらせてはいけないその方が、どうやってそうなったのかは不明だが、うつ伏せになってしまい、麻痺の為自力では元に戻る事が出来ず、軽い呼吸困難状態になっていたのだ!!

 幸い、大事に至る事は無かったが、一歩間違えれば死亡事故だ。

 本人は至って平気で、こちらからの問いかけにも「大丈夫、大丈夫。」と言って全く問題無い様子なのだが、事態が事態だけに、院内の医療安全対策室に報告され、「これはインシデントではなくアクシデントだ」との判断で、アクシデントリポートの提出が義務付けられた。

 近年の医療訴訟の増加もあって、病院では医療事故の取り扱いが繊細に、慎重になった。例えその実害がゼロであっても、インシデントもアクシデントも詳細に報告・分析され、総括されて事故予防に役立てられる。
 今回も、運良く発見が早かったから実害が出なかっただけで、事態そのものは『事故である』と判断され、当事者には事故に至るまでの全てを、時系列にそって報告する事が義務付けられた。

 原因となりうる行為に関わった人・時間から、事故の発見に至るまでの詳細な報告。

 最後に体位変換した人と、発見者、そしてその間に入室した者が、アクシデントリポートの作成に関わる事を求められる。発見前、最後にその部屋に入ったのが僕なので、僕もリポートに入室時刻とその時の状況を報告しなければならない。

 僕が入室した時、その方のベッドは何故かカーテンで覆われており、外からは見えないようになっていた。業務に追われていた僕は水分補給を終えてすぐ次の部屋に移ったので、その時その方がどういう状態だったのか確認が出来ていない。

 これが、事故の原因とされた。

 僕は職場のお局おばちゃん達の非難を一身に浴び、以後、「入室時は全員の巡視を徹底するように!」との通達が出された。
 仕事にも随分と慣れてきて、気が緩んでいたのは事実だから、実害が出る前に気を引き締める機会を得たのは不幸中の幸いだと言えよう。

 だけど・・・

 そんなに口汚く罵らなくてもいいなじゃないの?


お局おばちゃんってのはそんなもんさ、って思ったらクリックしてね♪
http://blog.with2.net/link.php?268283

|

« 快眠 | トップページ | ネットへの期待 »

コメント

ハハハ、私も、口汚く罵ってやろう!

高い志を持つって事は、
なんでもないことに、意識を思って、大事に積み重ねていくことだと、私は思います。
当たり前のことが、きちんとできるとか。
そこからはじまるのだと、思っています。

きょう、内科かかりつけ医に、『36度3分でした。』 と、言えました。
私には、それが、高みに近づく、一歩です。

投稿: かめこ | 2006.09.15 23:50

かめこさん>
注意集中力とか、情報処理能力とか、同時進行能力とか、色んな物事に高度なものが求めらる。人の命に関わる仕事だからこその慎重さ、繊細さ、注意深さ。
その大切さをこの件からも学びました。

以後精進します。

投稿: mizzie | 2006.09.16 01:58

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/8531/11899375

この記事へのトラックバック一覧です: アクシデント報告:

« 快眠 | トップページ | ネットへの期待 »