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2006.11.21

財務大臣になって予算を作ろう!

 過日の記事で社会保障予算とか国防予算とかを調べていた時、財務省のホームページで面白いものを見付けた。
 タイトルは『財務大臣になって予算を作ろう!』
http://www.mof.go.jp/zaisei/game.html

 今の日本の国家予算、その配分を変えたりして予算を決め、その結果がどうなるのかを診断してくれるというサイトだ。

「あなたの好奇心は幼稚園児でちゅか?」

 って位に好奇心旺盛なmizzieくん。こんなトコはやってみるに決まっている。財務省のホームページだから、どんな予算配分にしても「この国は財政基盤が貧弱だから、増税しないと国家運営が出来ないんですよ」と言うメッセージを間接的に伝える道具として機能しているのだろうが、そんな事はほっといて、自分が予算編成をしたらどうなるのか、ちょっとやってみようじゃないか。

 

 先ず最初に、自分の名前を入力。
 「mizzie大臣」

 ”mizzie大臣、新年度の予算を決める項目を、下のボタンから選択してください”との文字と、”年金”、”医療”、”介護・その他福祉等”、”公共事業”、”教育”、”科学技術振興”、”防衛”、”経済協力”、”食料安定供給”、”エネルギー対策”、”中小企業対策”、”地方交付税交付金”、”税制改正”の項目があって、そして”予算編成の終了”ボタンをクリックするとその予算で将来どうなるのかが診断される。

 んじゃ先ず最初に、”年金”からいってみよう。
「新年度の年金予算の作成」画面に切り替わり、「次のような要望が国民から寄せられています。予算の増・減、または現状維持を選択してください」の文字に続き、
”歳を取って色々お金が掛かるよ。もう少し年金が欲しいなあ”
”年金の為の税金や保険料の支払いが増えるのは苦しいな。将来もらえる年金を減らしてもいいから、負担が出来る限り増えないようにして欲しいなあ”
 の選択肢が表示され、増額・減額を決める。

 mizzie大臣の意見は、現状でも毎年30兆円も歳入不足な国家財政。これ以上支出を増やす事は現実的に考えたら不可能だ。年金支給額が『健康で文化的な最低限の生活』を維持するには足らない。と思ってはいるが、苦しい財政事情は良く判っているので、現状維持で我慢してもらうしかない。って事で”増減無し”を選択。

 次は新年度の医療予算作成。国民から要望として設定されたのは、
”毎日通院してるので、病院窓口での診療費の支払いは重い。元気な若い人にもっと負担してもらえないかしら?”
”あんまり病院に行かないのに、保険料や税金の負担が大きいなあ。診療を受ける人がもっと負担するべきじゃない?”
 この選択肢の設定はとても誘導的だ。そこには、”医療費は医療に掛かる本人が負担するべきもので、税金投入してする事ではない”と言う政府の思惑に国民の合意を取り付けようとする意図がミエミエだ。
 僕はこのブログでも何度も書いているが、日本の”国民皆保険制度”は充実度では世界第一位の評価を得ている。
 医療費が国庫に負担を掛けている?
 国の仕事は国民の生命と財産を守る事だ。
 医療費全額自己負担では、人工透析なんか庶民には絶対に受けられない。
 難病に掛かった庶民は、死ぬか財産を失うか自己破産しか道が無い事になる。
 恐らく10年以内に日本での感染者が爆発的増加を見せるだろうエイズも、発症予防薬は恐ろしく高価なので、そしてあまり賢くない10代の低所得者は避妊をしないから、少子化した日本では医療費抑制は労働者人口の減少に直結する。
 また、医療機関で働いている者の一人として、現場ではコスト削減の努力を、少なくとも公務員よりは一生懸命にやっている。
 だからこれも”増減無し”だ。

 次に、”介護・その他福祉等”要望は、
”今の環境だと子育ては難しいなあ。いろいろと支援してくれたらありがたいなあ”
”確かに少子化は問題だけど、国がお金をだしたからといって、効果があるのかわからないよ”
の二つ。
 高齢者福祉に携わる者の一人として、この国の福祉の現状には憤りを覚えているのだが、少子化対策も障害者対策も酷いものだ。介護問題など、「富裕層は”高級老人ホーム”へ、庶民は”生かせるだけ”の収容所へ」と言う方向に向かいつつあるのだが、変えなければ、正さなければいけないのは予算だけではない。だが、現状の予算では救えない、”置き去りにされる人々”を放置する訳にもいかない。
 って事で、10%増額を選択。

 次は”公共事業予算の作成”
 ここは削るぞ!父が土木建設資材製造・加工を生業とする町工場を経営しているmizzie一家は、これを削られると直接に被害を受けるのだが、
 土建業に密着した仕事に関わっているから判る。
 この国には無駄な公共事業が多すぎる。
 30%削減を選択。
 日本橋の景観を美化する為に、首都高速を地下に埋設するなんて、そんな事の為に何千億円も使えるかってんだ。

 次に教育予算。
 教育も、やらなければならない事は沢山あるのだが、この逼迫した財政事情では、金銭面での支持は難しい。
 ムダを減らしたり、予算配分を変えたり現場でアイデアを出してもらうとかして対処してもらうとして、ここも”増減無し”

 科学技術振興。
 資源も土地も無い日本は、”技術立国”して生きていくしか、この狭い国土で1億2千万の国民を養っていく事は出来ない。
 だから財政事情は厳しいけれど、10%だけ増額。

 防衛費。
 ここも削るぞ!日米防衛堅持で米軍基地を置いたり、駐留経費を負担するのなら、世界第4位の軍事予算規模を誇る強力な軍隊なんていらないじゃないか!
 大体、防衛費の大半は新規装備品購入に充てられてるワケで、一隻数千億のイージス巡洋艦とか、一機100億円の戦闘機なんかいらないでしょ?
 こいつらは三菱重工とか石川島播磨重工業がつくるからこんなに高価になる訳で、イージス艦ならリットン(アメリカの軍艦造船会社)から、戦闘機も三菱のF-15(約100億円)をやめて、ダグラスからF/A-18(約25億円)を直接買えばいい。
 貿易赤字解消にもなるから、アメリカ政府に恩も売れる。
 F-15なんて、アメリカ以外には日本とイスラエルとサウジアラビアしか持ってないんだから。
 50%削減だ。装備は現状のままで、隊員の給与と訓練費に固定!

 次は”経済協力”
 先進国として、途上国を支援するのは義務だと言えよう。
 しかし、この国の財政事情では気前良く支援をするのには国民の合意を得るのは難しいだろう。
 で、ここは支援先の見直しを含めた配分の見直しで対処。
 あんだけ経済発展した中国に、政府開発援助をするのは合理的では無い。
 毎日物凄い数の子供が飢えや伝染病で命を落としている、サハラ以南のアフリカにはもっと支援を増やさなければならない。
 そしてもちろん、そういった支援がきちんと必要な所に支援されているか、政府役人が私腹を肥やしたりしていないか、軍事費になって国民抑圧の為に使われていないか、チェックする機能も必要だ。
 だから、金額は”増減無し”

 食料安定供給予算。
 先進国や、大国と言われている国は日本以外全て、農業国でもある。アメリカは農産物輸入大国だし、フランスもドイツも国内に広大な農地を抱えている。新興国のブラジル・インド・中国も農業大国だ。
 食料自給率が10%台の先進国なんて日本ぐらいのものだ。
 今は円が強いから海外から食料を輸入出来るが、日本は”経済力”以外は何もない国なのだ。カローラとシビックとプレステを売って、石油や小麦や肉を買っているのだ。
 ”農”は国の根幹だ。
 だから、20%増額。だって今が低すぎるから。

 次は”エネルギー対策”
 石油資源の権益確保に使うのも、国内に油田を持たない日本では仕方が無い。
 また地球温暖化の事もあり、代替エネルギーの開発と普及は急務だ。ただ、循環型エネルギー(風力や太陽光など)の普及は、オランダやドイツの様に、電力会社に一定量の循環型エネルギー使用を義務付け、さらに循環型エネルギーの買電単価を循環型エネルギーによる売電を営む企業が採算の取れる金額にする法律を施行すればいい。
 2006年の現在。風力発電での売電単価は日本は欧州の環境先進国の約半分という安さで、それがこの国の風力発電普及を妨げているのだから。
 って事で、ここも”増減無し”
 本当は増額したいんだけど、この国の歳入にはその余裕が無い…。

 そして”中小企業対策”
 工業国日本を支えているのは中小企業だ。
 ”とにかく壊れない”日本車。それは別にトヨタやホンダやニッサンが優秀なんじゃない。
 彼等はただ単に部品を組み立てているだけで、日本車の優秀さを支えているのは柳川精機のミッションだったり、ニッシンやトキコのブレーキだったり、FCCのクラッチだったり、SHOWAやカヤバのサスペンションだったり、NTNのベアリングだったり、日本特殊陶業のスパークプラグだったり、デンソーのラジエターだったり、コイトのランプだったり、そしてそれらに部品を納入する”3次下請け”と呼ばれる中小企業が優秀だったからなのだ。

 ニッサンは倒産寸前まで経営が悪化したのを、ゴーン社長の号令のもと、苛烈なコスト削減で窮地を脱し、その後魅力的な新車攻勢で立ち直った。ゴーン社長の手腕はそれなりの評価を得てしかるべきものなのだが…、
 しかし僕は、彼が優秀な部品製造下請け中小企業を切り捨てたのを知っている。
 今のニッサンがどうやって部品を調達しているのかは知らない。しかし、如何に車が魅力的でも、部品レベルで信頼出来ない車を購入希望リストに入れるほど、元レーシングライダーはバカじゃあない。

 工業国日本を土台で支えているのは中小企業だ。
 現在の中小企業対策費は防衛費の10分の1以下なので、ここは思いっきり増額する。
 50%アップだ。

 次は地方交付税交付金。
 地方の財政は厳しい。コイズミの景気対策から置き去りにされた地方では、経済環境はバブル崩壊後の不況時と殆ど変わっていない。無駄な公共事業や、ワケのわからない公営団体に使われていたり、官僚の天下り先に流れていたり。と言った事を正さなければならないのは事実だが、市場原理に任せていたら資本が行き届かない所にも資本を行き渡らせるのが政府の仕事だ。
 だから、ここは10%減額で堪えてもらう。

 以上を決めたところで、最後に”税制改正”
 ”私達の要望をかなえてもらう為には、もっと負担をしなければいけないね”
 ”給料からこんなに引かれるのか。もっと税金を軽くして欲しいなあ”
 の二つの選択肢が用意されている。
 この設問には欺瞞がある。
 歳入と歳出のバランスとか、日本が抱える天文学的数字の負債とか、ある程度の税負担増はやむを得ない事は、幼稚園児にだって少し考えれば判る。
 財務省や政府。企業経営陣や富裕層の本音は、
「私達の要望をかなえてもらう為には、庶民にはもっと負担をしてもらわなければいけないね」
 「収益からこんなに引かれるのか。高額所得者の税金法人人税、企業の従業員への社会保障負担分をもっと軽くして欲しいなあ
 なのだ。

 

 この本音を彼等が口にする事は決してないのだけれど、この数十年で政府が行ってきた政策や、経団連が政府に要求してきた要望を見れば、地方都市の介護職員(あいつらが”下流”とカテゴライズしたそれだ)にだって、特に深く考えなくても判る。

 

 ちょっと話が逸れ過ぎた。元に戻そう。

 未来の子供達にこれ以上負担を背負わせない為にも、多少の負担増は覚悟している。
 しかしそれは、企業の法人税を他の先進国並みに引き上げ、1800万円以上を全て一括りにする所得税も、2500万以上とか、5000万以上とか、一億円以上とかはさらに税率を上げて、高額所得者にはこの世界で2番目に豊かな国で暮らす幸福を享受する為に、相応の負担をしてもらう。
 もちろん現役世代の低所得者である僕だって、負担増が避けられない事くらいは判っている。ただ現実問題として、年収230万の僕に受け入れられる負担増はどうがんばった所で15%だ。
 このサイトでの選択肢は10%刻みなので、15%は選択出来ない。年収3000万超の富裕層と、大企業にその分を負担してもらうとして、20%増を選択。

 総合判断(予算配分・税制改革の結果)として、
”当年度の政策のための支出について、税収等で補った上、さらに借金の元利払い(の一部)を補う事が出来ました。PB(プライマリーバランス)は黒字となり、財政健全化に向け、大きく前進しました”
 と表示。ただ、この予算を増税無しで行ったとすると”…借金残高を増加させ、次世代の負担を増加させる傾向は続いており、引き続き、財政健全化に向けた取り組みが必要です
”と表示される。

 自民党・公明党政権が目指しているのは、国が国民生活や経済運営に関わる歩合を小さくする”小さな政府”。
 試しにこのサイトを使って、全ての支出を50%削減する予算を組んでみた。
 PBは劇的に改善されるのだが、過去の負債(つまり国債残高だ)を返済する為に、また新たな借金をしなければならない予算となった。つまり現状では何をしても、増税無しには成り立たないという事らしい。
 では予算配分は現状のままで、税金を50%上げるとどうなるのか?
それでもやっぱり、過去の負債を払う為に新しい借金をしなければならない予算編成となる。

 この借金を作ったのは誰だ?

 自民党だ。

 自分達には債務履行義務の無い借金を作り、問題を先送りにして俺達に押し付けて逃げたのはあいつらだ。

 皆が選挙なんか行かずに好き勝手やってた時、あいつらは自分達だけがいい思いをして、そのツケは全部僕等に押し付けて逃げた。

 それでもまだ、選挙なんか行かずに遊びに行く?
 ”改革無くして成長無し”なんて叫んで、負担を僕等に押し付けて大企業と富裕層だけを成長させた自民党・公明党に投票する?

 

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