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2006.11.19

さよならジュゴン達・・・(T_T)

 僕は沖縄が好きだ。
 東名阪の友達に胸を張って自慢出来るくらい、海と空と山と川がキレイな土地に住む、そんな地元の「高知大好き!」な僕だけど、本土ではどこだって、自然の美しさでは負けた気がしない土佐っ子の僕だけど、

 昔、レース仲間がレース中の事故で死んだり、大好きだった女の子に裏切られたり、他にも色々と落ち込むような出来事が同時期に起きて、放っておいたらどこか人気の無い崖にでも行って飛び降りてしまいそうだった時期があって、気晴らしに。って貯金をはたいて沖縄に行った事があるんだけど、降下する飛行機の窓から見た、澄んだ、サファイアよりも蒼い青い海を見て、「あ、負けた…。」って思った。
 その美しさに見惚れていた僕はその時、訳も無く涙が流れてきて、自分の心の傷の深さを思い知ったんだけど、沖縄の蒼い海と空、そして旅先で出会った優しい沖縄の人達にすっかり癒されて、何とか立ち直って帰って来た。
 そんな経緯があって、それ以来僕は沖縄が大好きだ。

 生粋の土佐っ子をして「負けた…。」って言わせるくらいにキレイな海と空を持つ沖縄だけど、その沖縄から高知に来た人が、高知の空の静かな事に驚いていた。と言う話を聞いた事がある。

 在日米軍専用基地(施設)の約75%は、沖縄にある。
 (米軍と自衛隊が共同使用している施設は本土にも沢山あるから、それらを合わせると比率は23%に下がるんだけれど、沖縄県の面積は日本の0.6%しかないので、その狭い県土には23%でも多い。)
 県面積の10%は米軍基地だ。
 面積の10%というのを東京に例えたら、
 足立区と葛飾区と江戸川区と墨田区と荒川区と台東区と文京区と北区と豊島区が全部米軍基地になっているようなものだ。

 僕が沖縄に行ったのはお正月だったから、米軍も訓練は正月中は休みだったようで、街で米兵を見る事も殆ど無かったし、米軍機も見ることは無かったけれど、普段の沖縄の空は、ジェット戦闘機の爆音が響き渡っているんだそうだ。
 戦闘機と言うものは性能最優先で作られるので、騒音対策なんかゼンゼンしていない。F/A-18の巡航飛行はジャンボジェットの離陸よりもやかましいし、アフターバーナー全開で離陸する嘉手納基地のF-15なんて、音圧で発電が出来るんじゃないか?ってくらいにやかましいんだそうだ。

 

 これは残酷な現実だけど、沖縄の持つ戦略的・軍事的重要性を考えたら、沖縄から軍事基地が完全に無くなる。なんてのは、世界中から戦争と軍隊がなくならない限りありえない。

 そんな沖縄だけど、米軍再編で移設される事になった普天間の海兵隊基地の移設先として、名護の海に新しい基地が建設される事が、日米政府の合意で決定した。
 この件では、移設先になる沖縄県名護市辺野古沖がジュゴンの繁殖地だったので、環境保護団体とか野生生物保護団体とかの人達は猛反対だったし、沖縄県知事の稲嶺知事も最初は建設反対を表明していたんだけど、政府は10年間で総額1千億円の経済振興というアメと引き換えに、名護市に基地受け入れを求めた。

 コイズミの経済対策からは、地方の庶民は完全に置き去りにされているのだけれど、我が高知も酷いが沖縄はもっと酷い。
 今年の、日本平均での完全失業率は4.1%だけれど(産経新聞より)、沖縄のそれは沖縄タイムスの記事では7.7%、その後発表された高知新聞の記事では7.8%だ。
 沖縄では米軍基地への求人に、失業者が殺到しているらしい。

 その沖縄で、那覇など南部と比較してもさらに経済的に立ち遅れている沖縄本島北部にとって、政府がチラチラさせているアメは喉から手が出るほど欲しい。基地なんか来て欲しくないのはどこだって同じだと思うけど、名護市民にだって生活がある。土地が狭く、観光以外に産業の無い沖縄で、国の支援無しに自立する事など不可能だ。

 沖縄には、普天間の国外移転を主張する人達と、経済振興策との引き換えとしての基地受け入れは止む無し。という人達がいる。名護市も始めは住民投票では受け入れ反対派が多数を占めたが、市長が受け入れを表明した後は受け入れ賛成派の市長が当選し続け、今年9月の
市議選でも受け入れ賛成派が過半数を占めている。(投票率は過去最低だった)

 これに先立ち、今年5月に日米両政府は普天間基地の移設先として、名護市のキャンプ・シュワプにV字型滑走路を建設する事で合意に達し、建設予定地内での埋蔵文化財調査も始まり、基地ゲート前にいた反対派は、沖縄県警に強制排除された。

 調査が終われば、直ぐに建設が着工されるだろう。
 ジュゴンの繁殖地でもあった名護の蒼く澄んだ海は、米軍機の飛び交う軍事基地になる。

 

 僕の生まれた年に、日本に復帰した沖縄。
 地勢学的・戦略的重要性もあるが、日米軍事同盟の人柱として、あの島は米帝に捧げられ、本土からは切り離されて経済的に追い詰められて、「めいわく施設」の受け入れ先にさせられている。

 先の大戦、日本で唯一戦場となった沖縄だが、その戦場で献身的に働き、そして犠牲となって命を落とした沖縄県民達に対し、当時の日本軍・沖縄守備隊司令官だった大田実中将は「…沖縄県民かく闘えり。県民に対し、戦後特別の御高配を賜らん事を」
(参照;
http://www.cc.matsuyama-u.ac.jp/~tamura/kaigunngou.htm
 と打電した後、壮絶な戦死を遂げている。

 

 戦後、この国の指導者達が沖縄に賜った御高配は、めいわく施設とそれの受け入れ見返りの経済振興策だった…。
 繁殖地を奪われるジュゴン達は、あの蒼い海で涙を流している事だろう。

 そして大田中将も、草葉の影で泣いているだろう…。 



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コメント

mizzieさんのことだから、「沖縄」ネタでもリゾートやレジャー関連の話題ではなく、きっと「軍」がテーマだと思いましたが、まさにそうでした(笑)。
私も沖縄にいったことがありますが、平日の昼間とか、普通に軍関連車両が走っていたり、上空には飛行機が飛んでいたり・・・日本人として、唯一戦地となった沖縄に旅行で来たとはいえ知識を得る機会があるならそういった展示や場所に行ってみたいと思っていたので、同行者とは早々と別行動していろいろ行ってみた記憶があります(いや~でも、公共交通機関が少なくていろいろ大変でしたが、とっても勉強になりました。同行者はかなり迷惑していましたが)。
リゾート地とUSベースを併せ持つ不思議な地、沖縄・・・その悲惨な歴史や、なぜ未だにベースがあるのか、米兵による犯罪、といった問題をもっと知らなければならない。近いうちに憲法だって改悪されるかもしれないという今日このごろだからこそ、ちゃんと知っておかなければならない大切なことだと思います。

投稿: hana | 2006.11.19 18:39

hanaさん>
やはりhanaさんには読まれてましたね…。そんな、このmizzieともあろう者がリゾートやレジャーの話なんか書けるワケないですよ。(ある意味・涙)
不景気にあえぐ沖縄、先の知事選で米軍基地撤廃を掲げた糸数候補、経済対策を掲げた中井間候補に敗れたのですが、コイズミの景気対策が地方を置き去りにしたのは、全国一律の景気浮揚をやると沖縄も豊かになって、基地を押し付ける事が出来なくなるからなのでは?
なんて穿った見方もしちゃいます。

つまり、自民党の景気対策は超金持ちの為だけじゃなく、アメリカの為にもなっている。と言う事なんです。
それで被害を受けるのは僕達のような地方の庶民なんですけどね。

投稿: mizzie | 2006.11.20 16:41

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