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2007.01.29

かくれてこっそり努力する

ここ数日ずっと、バイク絡みの記事ばかり書いてたけど、今日もバイクに関係した話を書こうと思う。

でも今日はテクノロジーとかテクニックの話じゃなくて、ライダーについてのお話です。

僕はミニバイクレース時代も含めると、12年間もバイクレースの世界にいた事になるんだけれど、本当に沢山のレーサーを見てきた。
今は、バイクに興味のある人なら誰もが知ってる、見上げれば誰にも見える一等星になっちゃった凄いレーサーも知ってるし、プロとしてレースだけで生計を立てている友達も何人かいる。

僕と同世代か、年上のライダーは殆どが引退しちゃったけど、僕と同い年だけど現役でプロレーサーとして頑張ってる友達もいる。
そいつは天才肌のライダーで、マシンを扱う技術なら、彼よりも優れているライダーは多分世界中でも100人以下だ。
ただ、国際A級昇格前は、「才能はあるんだけど遊び人」って感じで、チョー努力家だった先輩(世界選手権で年間ランキング2位まで行った)とか、めちゃくちゃに努力しまくってるレーサーを見慣れていた僕は当時、
(すっげー才能あるのにもったいない奴だなぁ・・・)って思ってた。
そいつとは大の仲良しだった、僕が後にメカニックとしてマシンを担当する事になるライダーも才能溢れるライダーだけどちょっと遊び人っぽいトコがあって、レース仲間達の間でも「〇〇と××は似た者どうしだよな。」って感じで見られていた。

僕が引退後メカをする事になったライダーは、鈴鹿選手権でチャンピオンを獲って全日本選手権への参戦が決定した年に、彼女が妊娠したのでレースを辞めて結婚した。今ではステキな2児のパパだ。

で、今でも僕が大阪に行く事があると集まって飲むのだが、去年一緒に飲んでいた時に、レース談義を熱く語っていた時、二人がこんな事を言い出した。

「でも俺ら、ホンマに闇練(周りに黙って隠れて練習すること)やったよなぁ。」
「おぉやったやった。普段は遊んでる様に見せて、隠れて練習しまくって本番で結果出すんが俺らの中では一番カッコえい事やったもんなぁ。」
(僕)「そうなん!?〇〇と××はゼンゼン努力しとるような雰囲気無かったから、ノービス(今の国内ライセンス)の頃は(この二人は才能浪費しとるわ・・・)って思ってたよ俺!」
「そんなん、何にもせんとあんな結果出る訳無いやん!でも必死で頑張ったら結果出るん当たり前やろ?そやから隠れて練習すんねん。んでポコってレース出て勝つ。それが俺らの中で一番カッコえい事やった。」
(僕)「俺はいっつも☆☆さん(世界2位になった先輩)と一緒におったやんか、あの人めちゃめちゃ努力する人やったから、俺もあれくらいやらんとアカンもんやと思いよった。」
「あの人は別格や。でも、「俺は努力してる!」言おう思たらあの人くらい努力せなアカンねん。俺らもさすがにそこまではようせんかったから、隠れて練習して努力なんかゼンゼンしてないフリしとってん。」
「そうなんや。やっぱり努力せな上には上がられへんのやなぁ。」
(プロになった友達)「でもな、俺、今はメーカー契約でワークス待遇で走ってるやんか、そのレベルまで行ったら周りは皆めちゃくちゃ練習する奴ばっかりやねん。あの連中はホンマに頭の中にはバイクの事しかないねん。Iさん(プロレーサー)とかホンマの『バイクバカ』やねん。Kさん(プロレーサー)なんか俺に「お前ももっとバイクバカにならな、そっから上には行かれへんぞ!」とか言うねん。」

そうなのだ。
これは多分バイクレースだけじゃない。殆ど全てのプロスポーツ選手に共通していると思うけど、それだけで食っていけるようになった人達というのは、それはそれは物凄い練習量をこなしているのだ。
プロスポーツ選手と言うのは、
『千日の修行を鍛といい、万日の修行を錬と言う』
を地で行っているような人達なのだ。

僕は、現役時代には人よりも努力している自信があった。
世界選手権に行ってしまった先輩には及ばなかったが、それ以外の人には大抵、「mizzieさんみたいな努力なんか出来ないっすよ。」とか言われた。
ただ、自分でも良く判っていたが、僕のバイクを操る才能は平均以下だった。その平均以下の才能を、努力で磨き上げて国際ライセンスに昇格し、全日本選手権に参戦した。
当時は、(俺には先輩や〇〇のような才能は無い。だけど周りよりも努力したら絶対にもっと上に行ける!)って信じていた。

しかし、それまで過ごしていた地方選手権、エリア選手権から全日本選手権へと闘いの場を移して、物凄い衝撃を受けた。

僕くらい努力している奴が、ごく普通に溢れていたのだ。

全日本のトップレベルになると、努力だけでも才能だけでも生き残る事は出来ない。そこでは天才達がめちゃくちゃに努力しているのだ。彼等は、確かに天才だ。しかし、タダの天才ではない。バイクの天才で、努力する事の天才でもあるのだ。
(俺はこれから、こんな凄い世界で闘えるんだ)
って思うと身震いがしたし、それはとても楽しいしワクワクする日々だった。
成績はさっぱりで予選落ちばかりだったけれど、毎戦少しずつ技術は向上していた。しかし僕は98年に不幸な事故で選手生命を絶たれてしまう。

僕のレース仲間は殆ど皆が国際ライセンスに昇格して全日本選手権に参戦していたから、引退後に一般企業に就職したり普通に働いたりしてるけれど、タマに集まると全員が必ず言う。
「周りがヌルくってイヤになる。」
って。

人に隠れて、こっそりめちゃくちゃ努力しまくって結果を出してクールを気取ってた連中からしたら、自分では動かずに不平ばかり言ってる連中ってのは見てても聞いてても側にいるだけでも不快になるのだろう。
僕だってそうだ。

ただの天才は、努力する凡人に最後に負ける。
努力する天才だけが、生き残って結果を出す。
超人的な努力をした凡人も、結果を残す事がある。
超人的な努力をした天才は、記録を残す。

そして、何もしなかった凡人達だけが、「アイツは天才」とか、「アイツは運が良かった」とか、みっともない負け惜しみを影で口にする。

結果に関わらず、他人から一目置かれるような奴は、めちゃくちゃ努力しているか、かくれてこっそりめちゃくちゃ努力している。

頑張った奴だけが人から評価されるのだ。
これはレースだけじゃない。他のどんな業界でも同じだ。
レースやってた頃と同じくらい努力してた僕は、アメリカで働きながら大学に通い、勉強では奨学金を貰っていたし、仕事では顧客満足追求姿勢で月1800ドルのチップを稼ぎ出し、辞める時には経営者から「アメリカに帰ってきたらいつでも雇ってやる」と言われた。

でも、もし僕と同じ条件にその世界ランキング2位になった先輩がなったら、もっと凄い結果を出しただろうと思っている。
〇〇や××だったら、いつも遊んでいるようにしか見えないのに同じ以上の結果を出しただろう。

僕は35年の人生で色んな人を見てきたが、結果を残し、人から賞賛を得るまでになった人は全員、めちゃくちゃに努力してる。
頑張った奴だけが、それに見合った栄誉を得る事が出来るのだ。
ゼンゼン努力してるようには見えなかった二人の友人も、実は隠れてめちゃくちゃに努力してたって事も本人の口から聞けた。

何にもやってないように見える奴も、きっとどこかでかくれてこっそり努力してるはずだ。

 

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