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2007.01.16

まるでバブルの時みたいだ。

経団連のコメントとか、この国の今後の経済見通しとか、企業業績予想とかをニュースで見てると、最近時々思う事がある。

バブルが弾ける前、80年代終盤に似てる。って。

あの頃、

プラザ合意で円高・マルク高が容認された80年代中盤から始まった、発狂した為替レートと、強くなった円を背景に大量の資産がアメリカ経済に流れた。
国内は不動産価格、消費者物価、平均所得、全てが向上し、大量の資金が市場に流出。それらの大部分が株式市場に流れ、株価も高騰。その株価や地価を担保として大量の融資が行われ、実態が無いまま様々な物の価値だけが釣り上がり、キャッシュフローが増えた。

しかし、そこには実態が無かった。

何も価値の無い物に、「これは一億円の価値がある!」って感じで値が付いて、その価値に対して融資が行われる。そうして実態も無く(期待値としての)価値だけが膨らみ、現金として存在しない、数字だけの資金だけがどんどん増えていった。

そしてその頃、その実態の無い経済に対して警鐘を鳴らす者は殆どいなくて、基本的にみんな”のほほん”と構えていて、日本経済の永続的な発展・成長を根拠も無く信じていた。
今の10代には信じ難いかもしれないが、当時、アメリカの不動産を買いまくっていたジャパンマネー、「もうアメリカごと買っちゃえ」なんて論調もあったくらいだ。

そして今。

政府の発表によると、今回の景気回復は『いざなぎ景気』を超えた戦後最長のものとなったらしい。
確かに、東京の経済は潤っているのだろう。
成田経由でシスコから帰ると車窓からの景色はいつも、猛烈な勢いでスクラップ&ビルドが繰り返されている。
2004年から、毎年一回は成田~羽田間を移動していたが、毎回見る景色が違う。

でもそれは東京だけだ。

大阪は相変わらず、いつ行っても特に代わり映えはしない。
街の活気も、特別いい。とは思えない。高知よりもいいのは当然だが、羽振りの良かった頃と比較したら全然ダメだ。
そして
地方は悲惨だ。
我が高知も、高知市でも商店の閉鎖や撤退が相次ぎ、高知のさらに郡部になると、中核規模のショッピングセンターや行政施設の撤退で、住民生活は崩壊一歩手前だ。

今回の好景気は、地方から吸い上げた金を都市部と大企業に集中させる事で成り立っている。
ただ、集中させている部門(大企業)には富が集中するので、業績は良くなる。利益も増える。
創業以来、最高収益を上げている大企業がいくつもある。

結果、それらの経営陣は強気の景気見通しをする事になる。
しかし、潤っているのはそれらの大企業と都市部の住民だけだ。
国内の消費は冷えている。
地価が発狂して自分の家を持つ事を諦めた層が、貯蓄を止めて消費に走ったバブルの頃と違って、消費したくても消費する原資が無いのだ。

今回の好景気で誕生した新興富裕層を含めた、一部の富裕層対象の高級商品やサービスには一定の需要があるが、一部の富裕層対象商品が、大量に売れると言うことはあり得ない。
一国の購買力としては、バブル期よりも明らかに下がっているはずなのだ。

大企業が史上最大の利益を上げているのは、労働関連法制の改正で人件費を抑えられるようになった事と、輸出での収益だ。

実際には物は売れていない。
国内で新規登録された普通自動車数は減少を続けているし、規格が統一されないままのDVDも思ったほどには売れていない。携帯電話も買い替え需要だけで、ワンセグになったからって爆発的に売れたわけではない。
今、本当に売れているのは任天堂のゲーム機くらいのものだろう。

そんなの当然だ。

人件費を抑えられて、多数派国民の可処分所得は減少しているのだ。
余分な消費に回す余裕などあるはずが無い。
今世紀の庶民は、必要な物を、最低価格で買っているだけだ。

しかし企業は収益を上げている訳だから、強気の予想をし続ける。
でもその強気の景気見通しには、どこにも根拠は無い。輸出企業はアメリカ頼みだが、不動産を担保にして借金し、それを消費に回すアメリカ国民も、アメリカの不動産バブルが弾けたらおそれでお終いだ。
アメリカ頼みの日本輸出企業、しかしそのアメリカ経済もかなり危ないと僕は見ている。

地方のカネを都市部に集め、庶民から巻き上げたカネは大企業に還元し、大企業のコストとなる人件費を低く抑える法改正を行って作り上げた今回の好景気だが、その好景気を支える屋台骨はとても脆い。
世界に伍するだけの価値ある企業や財産は東京に集中しているのは事実だから、東京集中投資も多少は仕方が無い面もあるとは思うが、地方から集めたカネで東京を発展させて、そうやって挙げた収益を地方に還元する前に、好景気が終わってしまうとしたら、東京繁栄の為に地方が払った犠牲が全て無駄になる。

今の(東京と巨大企業だけの)好景気は、気が遠くなるくらいの犠牲を払って成り立っている。その分、慎重に経済運営、企業運営をしてもらわないと犠牲を払っているこちらとしても困るのだが、経団連加盟企業経営陣とかの景気見通しとか業績見通しとかのコメントや報道を見ている限りでは、ただ強気になっているだけで、「こいつらはバブルから何も学ばなかったのか?」と思ってしまう。

小泉改革で「自民党をぶっこわす!」と言って登場した小泉政権は、自民党ではなくて地方と庶民の生活をぶっこわした。
でもそれはもう起きてしまった事だ。
小泉を選んだのは国民だ。覆水は盆に帰らない。

ただ、僕らのような地方に住む庶民や、中小企業経営者達の犠牲が無駄死にで終わるような事になるのは許し難い。
バブルでこの国を重篤状態にさせた戦犯達は、殆どその罪を問われる事無く終わってしまったが、今度こそ僕等は、この国の経済運営を誤った連中をきちんと断罪する必要があると思う。

 

アンタってば相変わらず小難しい事語るのね。
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