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2007.05.17

僕等は淘汰されるだろう


TVで、フィリピン人介護士達についてのドキュメントを見た。
日本とフィリピンの間で締結されたEPA(経済連携協定)に基づいて、ごく近い内に、日本にもフィリピン人介護士がやってくる。

日本で介護士として労働ビザを取得する為には、日本の国家資格取得と日本語の習得と言う高いハードルを課せられる彼等にとって、恐らく世界一難しい言語である『日本語の習得』はとても高く厳しい障壁になるだろうが、その言語の壁さえなければ、フィリピン人介護士達はとんでもなく優秀だ。
そもそも、日本に来る為の必要条件が、現地の介護福祉士資格と4年生大学卒業資格なのだ。日本にやってくるフィリピン人介護福祉士達は皆、Bachelor Degreeを持っているのだ。
大学には行けないけれどまだ働きたくは無い(つまり、とにかく遊んでいたい)から。って福祉系専門学校で介護福祉士資格を取ってくる、日本の若い介護職者とはハナから頭脳レベルが違うのだ。

そして、『高齢者を敬う事』が文化的バックグラウンドとして定着しているフィリピン人達は、そのベースラインとしてお年寄り達をとても大切に、相手の人権・人格を尊重して扱ってくれる。
また、アメリカやカナダ、オーストラリアの様な先進国にとって、フィリピンは看護師・介護士の一大供給国なのだが、そうやって優秀な看護師・介護士を供給し続けてきたその歴史は、フィリピン人介護士達の質を向上させ続けてきた。英語圏の国に行けば、フィリピン人介護士や看護師は珍しくも何とも無いし、ある意味残酷だが貧困国でもあるフィリピンから豊かさを求めて先進国にやってくる彼等は、仕事に対してとても高くて強いモチベーションを持っているので、その仕事の質はすこぶるいいらしい。

もちろん、中にはロクでも無いフィリピン人もいるのだろうが、そうやって目立っている一部のダメなフィリピン人を基準に考えていると、国粋主義的な保守日本人達は、手痛いしっぺ返しを食らう事になるだろう。

僕が見たTVは簡単な日本語字幕でしか彼等の訓練課程を紹介していなかったが、英語での教官と生徒とのやりとりは、それなりにレベルの高いそれだったし、彼等の知識や技術は日本で300時間程度の訓練でヘルパー1級資格を取った僕よりも、はるかに優れているように思えた。

知識と技術に関してはとても優秀なフィリピンの介護福祉士資格を持ち、さらに学士号も持っている彼等が、「いい大学には行けないんだけどまだ働きたくは無いから」って言って、介護保険法成立後、雨後のタケノコのように乱立した介護福祉専門学校を出て介護福祉士になった連中や、「スーパーのレジ打ちよりは稼げるおばちゃんパート。」として介護をやっている連中よりも、質の高い介護を提供するであろう事は想像に難くない。

 

見方によっては、保守的な白人達よりもはるかに醜悪で強固な自民族中心主義を持つDamn Japaneseだから、自分達よりも良質な介護を提供する彼等を妬んで、イジメてイジメてイジメ抜く光景が、最初はあちこちで見られるだろう。いや、見られるにちがいない。

しかし、日本人達はいつか気付くだろう。

自分達がバカにしてイジメていた出稼ぎ外国人労働者達が、自分達など足元にも及ばないような良質な介護を低賃金で提供しているという現実に。


経営者が求めるのは良質な労働者だ。
フィリピン人介護士達は、「豊かになりたい。」と言う強いモチベーションを持ち、それ故に勤勉で真面目で低賃金にも劣悪待遇にも耐え、さらに良質な介護を提供する。
「仕事」としてではなく、「生業」として介護をやっている低質な日本人職員達は、経営者・利用者双方によって、その地位を彼等と入れ替えられてしまうだろう。

それなりに志を持って介護をやっている日本人と、老人介護が好きで介護をやっている日本人の介護職員以外は全て、この業界から淘汰される日がもうそこまで来ている。

でもそれは、『利用者中心主義』と言う観点に立った場合、とてもとても良い事だと、少なくとも僕はそう考えている。
へなちょこ介護職員の僕も、このままだと淘汰される側に回りかねないので、せめて、新人指導くらいはキチンと出来るようにはなっておかないといけないな、とは思っている。もしそうなっていれば、僕は英語が話せるので彼等と他の職員や利用者との仲介役くらいにはなれる。

どっちにしても、あの『介護者中心主義』で効率追求の介護をやっている連中に、「Your time is over.」って言う日が、彼等にこの業界からとっとと退場してもらう日が、近付いている事だけは間違いがなさそうだ。

介護・看護職者の待遇改善・向上なんかやる金があったら、自分達の天下り予定先企業や団体に予算配分をしたいから、外国人看護師・介護士受け入れを決めた厚生労働省と自民党政権はクソだけど、

少なくとも、利用者満足追求と言う介護の理想にだけは少しだけ近付くのかもしれない。

 

 
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コメント

私もその番組を見ましたが(録画してすでに3回も見ちゃった!)外国人介護職員導入賛成派としてはなかなかためになる内容だったと思います。
いきなり暗礁に乗り上げつつあるEPAですが、フィリピンの教訓を活かし、来るべき「タイ人介護職員」と一緒に仕事ができる日がますます楽しみなりました。
日本人の介護職員がこの先いなくなる・・・というのは、それならそれでいいと思うし、そんな中でも「介護」という職業を選ぶほどの人は必ずいるはずだから。そしてそんな人たちと、外国人介護職員との間でお互いに得るものは大きいと思います。

ってかそれ以前に、自国の老人の介護ですら国内の労働力でまかなうことの出来ない「美しい国」ニッポンが、アジア諸国から見放されないでほしいな・・・と切なくなってしまいました。

投稿: hana | 2007.05.17 16:40

hanaさん>
自国の介護を自国の労働力で。
に関しては、僕は以前の渡米時に彼の地の介護事情を調べた後も継続して情報を収集していましたが、やはり、「金で何でも買える国」のアメリカには『高級老人ホーム』って言うのがあって、そこでは時給$25なんて高給が払われていました。

そしてそこで働くのは外国からの出稼ぎ労働者ではなく、市民権を得たアメリカ市民が主でした。

アメリカを愚直に模倣する日本ですから、庶民の介護には外国からの出稼ぎ労働者を使い、日本人の介護職員は優秀な一部の職員が高級老人ホームで働くようになるのでは?と推測します。

投稿: mizzie | 2007.05.17 23:15

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