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2007.05.07

マイナーアクシデント 新人指導編

ベテラン職員さんが産休に入ってしまって、さらに僕の後から入ってきた人も次々と辞めていくので、慢性的で危機的な人手不足状態が続いていた我が職場だが、この度、ようやく新人職員が3人やってきた。

入ってきた3人、一人は療養病床での看護助手としての経験有り。

もう一人は、7年近い特養での勤務経験を持つ、即戦力のベテラン。

そして最後の一人は、この業界はウチが初めて。って言う新人さん。

この3人が、一体どういった経緯でもうすぐなくなる事が決まっている医療介護施設に就職を決めたのかは謎だけど、とにかく、常時5人でやる事を4人でやって・・・なんて人手不足状態も、来月には解放されそうだ。
(今月はまだ見習い期間中)

チョー性格のねじくれた、新人イジメが大好きだったおばちゃん職員がいなくなったので(Yeah!!)、職場の人間関係が原因でソッコーで退職。なんてのはなさそうだし、特養経験有り、な方は、既に戦力としてバリバリ働いてくれている。

その新人さん達、ウチで働き始めた最初の1週間は、僕が夜勤とその後の連休に掛かっていたので、その働きぶりとかを見る機会は殆ど無かったのだけど、連休明けで出勤したその日、新人の内の二人が、ケアワーカー主任について見習いをしていた。
その日リーダー担当だった僕は、いつものようにバタバタと忙しく走り回っていたのだが、新人さん2人も見習いとは言え業務に携わるので、00.5人分くらいの仕事をするので、見習いが二人いたその日は、いつもより職員が一人多いみたいなものだったので、午前中の業務は時間内に終える事が出来た。

「食事介助も新人さんにやってもらて覚えてもらうから。mizzieくん監督よろしく。〇×さんと一緒に上のフロアの食事介助やっておいてね。」
その日が早出出勤だったケアワーカー主任は昼休みが先組だったので、新人さんと僕に1フロア全部の食事介助を任せ、任された僕もその子に指示を出して食事介助に入った。

ウチの職場では利用者の食事も2組に分けられている。

その、先ゴハン組の利用者の食事介助を一人の新人さんと一緒に済ませ、そうして後ゴハン組の食事が運ばれてきたのでそれを配膳。食事全介助の一人をもう一人の新人さんに任せ、先ほど一緒に食事介助をした新人さんには下のフロアに降りてもらった。全てはケアワーカー主任との打ち合わせ通りだ。

僕はこの新人さんと一緒に仕事をするのはこの日が初めて。

「え、と、食事介助はやった事あるの?」

「はい。やりました。」

「じゃ、ちょっと●さんの食事介助やっててもらえるかな?僕はこのフロアの人全員を見るから。全介助の人の食事介助、一人でも出来る?」

「はい、できます。」

で、僕はその子に●さんの食事介助を任せ、そのフロアで一部介助が必要な4人を介助しつつ、時々●さんの部屋に行って様子を見ながら食事介助を済ませていった。そうして僕が食事を終えた何人かの食器を下げて食事量をつけていると新人の子が「食事終わりました。」と言いながらお盆を持ってやってきた。

「ん、ありがと。口腔ケアはやった事ある?」

「はい、あります。」

「じゃ、●さんの口腔ケア出来る?」

「はい、出来ます。」

「んじゃ、僕はあっちの部屋の下膳やってるから、●さんの口腔ケアの方も、ちょっとやっててもらえるかな?」

まだ全ての方の食事が終わってはいなかったので、口腔ケアもその新人さんに任せて、時々見回りをしながらだが、僕は他の患者の食事を下げる方にまわった。そうして殆どの下膳が終わった頃、新人さんが僕の所にやってきて、

「すいません。●さん、入れ歯外して口腔ケア終わったんですけど、入れ歯入れようとしても口を開けてくれないんですよ。」

「●さんが口開けてくんないなんて珍しいね。ちょっと待ってて。僕が代わりにやってみるから。」

●さんはMRSAポジティブの患者さんだ。ディスポの手袋をはめてから部屋に向かうと、●さんはベッドを起こした状態で長座位で座っていた。外観には特に変化は見られない。そして僕は新人さんから入れ歯を受け取り、●さんに入れ歯をはめようとするが、やはり口を開いてくれない。いつもと少し様子が違っていて、そして少し顔が赤い。

「おかしいな?いつもはこんなんじゃないんだけどね。●さん!どこか具合悪いですか?」

●さんは目を大きく開いたまま、しっかりと口を閉じている、ちょうどそこに休憩を終えたケアワーカー主任がやってきた。

「どうしたの?」

「●さん、口腔ケアが終わっても口を開けてくれないんですよ。」

「ちょっとアタシと代わりなさい。」

主任はそう言って素早く手袋をはめて僕から入れ歯を受け取り、●さんの口に入れ歯を入れようとする。しかし口を閉じて開かない●さんに異常を感じ、「mizzie、ちょっとナースに報告してきて!●さん具合がおかしいって!」と指示を出す。僕もすぐに詰所へと走った。

 

 

誤嚥だった。

吸引機で気道に入った異物を吸出し、発見と処置が早かったので何事も無かったが、マイナーアクシデントとして報告される事になった。

病棟長:「mizzieくん、あの子新人さんなのに側に付いてなかったの?」

「時々見回りはしてましたけど、僕は他の人の介助を同時進行でやってたので、ほぼ彼女に任せてました。」

「ダメよ。あの子は他の子と違ってこの仕事は全くのシロウトなんだから。最初はあなたが手本を見せて、ってやらないと。この件はあなたの監督不行き届きよ。大体、●さんは嚥下機能低下してるけど食思は旺盛だから、飲み込み終わって無くても口を開ける事あるでしょう?飲み込み確認してからじゃないと次の食事を口の中に運んじゃダメって事、あの子まだ知らないのよ。きっとそれで食べ物が気道に入っちゃったのね。」

「・・・すいませんでした・・・。」

「”人に教える。”って事の難しさが判ったかしら?mizzieくんも今後は気をつけなさい。アナタもこれからは新人を指導していく立場なのよ。」

今回の一件は『マイナーアクシデントリポート』に記載され、主原因は僕の監督不行き届きとなった。もちろんこれは自業自得なので仕方が無い。今回の一件は僕にとって、貴重な経験となった。

その後の処置で●さんは大事に至る事無く、無事だった事を確認してから休憩室に入ると、原因を作ってしまった新人さんががっくりと肩を落として落ち込んでいたので、その子を優しく励まして慰めてあげて、いい表情が出るようになった所で丁度休憩時間も終わったので、新人さんは主任について見習いに戻り、僕はリーダーとしてその日の業務をこなしていった。

(これで落ち込んで辞められたりしたら困るな・・・)

と思ってはいたが、次の日、その子はアクシデント前と変わらない笑顔で、元気に出勤してきていた。自分のミスリーディングで落ち込ませてしまっていたオイラもとりあえず一安心。

ホンのこのあいだまで指導される側だったのに、いつのまにやら自分がロールモデルとなって模範を示さないといけないようになっていたようです。
オイラも、もうちょっと頑張らないとね!!

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コメント

お久しぶりです。
なかなか新人さん指導って大変ですよね。
こちらの職場でも新人さん3人のところへもう一人、新人さんが加わります。
一応、肩書き上、指導員として、教えなければならないのですが・・・
これがなかなか厄介です。
頑張るしかないのですが・・・こっちが疲れてしまいそうです。

投稿: ガルボ | 2007.05.09 17:13

ガルボさん>
僕んトコに来た新人は、3人が3人ともそれなりにこの仕事が好きなようで、まだまだ知らない事が多いから苦労もありそうですが、オイラはその秘められたポテンシャルに密かに期待してます。

ってか、オイラ追い越されちゃうかも?(恐)

投稿: mizzie | 2007.05.11 11:58

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