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2007.05.10

狼王ロボがカッコいい理由

『シートン動物記』

これを知らない日本人って、まずいないと思う。

この、シートン動物記の第一章を飾るのが、狼王ロボの話である。

このロボって言う狼は、この狼に被害を受けている人間の視点から見れば極めて極悪非道で狡猾な狼なのだが、ゼンゼン関係無い傍観者である僕の視点から見れば、この狼は本当にカッコいい。

狼である事を疑ってしまいたくなるその賢さ、
(彼を”狡猾(clever)”と呼ぶのは失礼で、彼には”賢い(wise)
”と呼ぶのが相応しい

ヘタな人間よりも高貴なその気位、
それらは、あのシートンをして敬意を払っていたくらいだ。

ロボ率いる狼の集団に、家畜を襲われて深刻な被害を受けていた白人達には申し訳ない気持ちが皆無と言う事は無いのだが、元々が彼等のテリトリーだったその地に進出し、勝手に土地を占有して彼等の生存圏を脅かしたのは”白い侵略者達"だったのだから、同じく白い侵略者達の脅威にさらされた経験のある、東アジア出身の黄色人種なオイラなど、ロボの肩を持ちたくもなってしまう。

その僕から見た場合、白人達の仕掛ける多種多様な罠を、次々と看破して破ってしまうロボの姿はとてもカッコいいのだが、動物学者でもあるシートンがその知識と知恵を駆使して仕掛けた最後の罠に、策略に、ロボはとうとう捕縛されてしまう。

それまでのロボとの知恵を駆使した闘いに、既にロボに対して敬意を抱いていたシートンは、ロボを殺す事はせずに手懐けようとするのだが、孤高の戦士でもあったロボはそれを拒み、動物の本能すらも超越した強固な意志で、与えられた餌には一切口をつけず、餓死する道を選んだ。

こんな高貴な、ある意味矜持の固まりみたいな動物は、人類文明史上初で、同時に最後だと思う。
矜持を捨てるような生き方だけはしたくない。と考える僕も、ロボの生き方には尊敬と憧れを抱いてしまうくらいだ。

この狼よりも醜悪な人間なんて、この地球には少なくとも50億人はいると思う。

この、高貴で高潔で高い矜持を身に付けた、とんでもなくカッコいい狼だが、
(狼って時点で既に外見がカッコいい)
僕がこの狼王に共感し敬意を感じるのは、このどんな精巧な罠をも見破ってきた常勝不敗の提督(狼の集団を率いていた彼には、”提督”の称号こそ相応しい)が、敵の手に落ちた理由がまたカッコいいのだ。

 

狼王として狼の集団を率いるリーダーだったロボだが、彼にはブランカと呼ばれた美しい白狼の妻がいた。
(本当に白い狼だったのかは忘れてしまったが、”blanca”はスペイン語で”白”を表す形容詞の女性形だ)

シートンはこのブランカを捕らえ、それをおとりとしてブランカを救いに来たロボを捕獲するのである。

 

群れを作って暮らす動物は多数いるが、その群れの構成メンバーが窮地に陥ってしまった場合、それを救いにくる動物がいないとは言わない。

しかしながら、この高貴で賢い狼は、その命を賭して自分の愛する妻を救う為に動物学者に挑戦した。それが圧倒的不利である事は、恐らく彼は、そこに精巧な罠が、高名な動物学者の立てた策略がある事を見破っていたのではなかろうか?

戦略論的・戦術論的・兵法学的観点から見ても、このロボの行為はリーダーとしてはいささか無謀なのだが、
(注:この時点で僕は彼を擬人化している)
愛する妻の為にその身命を賭した彼に、僕は男としてのカッコよさを感じずにはいられない。

集団で暮らす動物は、基本的に一夫多妻だ。
強いオスが、全てのメスを手にするのだ。

しかしロボには、側室はいなかった。

人間界で、側室も愛人も持たなかった君主を、僕は山内一豊と伊達政宗以外には知らない。君主だけでなく一般人にも、だらしなくあちこちに愛人を作り、それで心に傷を負う者の気持ちなどおかまいなしに、自分の欲望充足に余念が無い醜悪な人間なんてまとめてプレスして海に沈めてしまいたくなるくらい沢山いる。

そんな醜悪な人間などお構いなしにロボは、その最愛の妻の為に命を賭け、破れた時は妻の後を追う事を選んだ。

 

ロボ、あんた漢としてもカッコ良すぎるぜ。

シートンも、彼のその高貴さと矜持の高さには心打たれたのだろう。
人間に餌付けられて生きるよりも、矜持を守って命を絶つ事を選んだロボは、ブランカと共に葬られたそうだ。



その高貴なる魂に、極東の地から敬礼を送ろう。

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コメント

狼王ロボについては、あたしもカッコいいと思っています。けれど、戦国武将の中で、一夫一婦の武将はかなりいるので、知らないのなら例に使わないで欲しいと思いました。
調べれば解ることですが、有名なところでも、前田利家、直江兼続、徳川秀忠、黒田如水、明智光秀、柴田勝家とかいるし、貧乏な武将達は養うお金がないのでかなり一夫一婦が多かったと思われます。
狼王ロボに引かれて、勝手に読ませてもらっておいて、変なところに批判してすみませんでした。

投稿: つな | 2012.10.02 00:47

>つなさん

瑣末な事を一々取り上げても無意味なのであえて言いませんが、誠に失礼ながら、貴方様の御批判は当方の記事の論点とはかなり離れた場所を射ていると思います。

ただ当ブログ派批判や反論はいつだってWelcomeですので、また、いつでも気軽にご意見を書き込んで下さいね。

投稿: mizziw | 2012.10.08 16:30

「僕は」
となっているので別に突っ込まなくてもよろしいのでは・・・

投稿: やまねこ | 2013.03.06 14:45

>やまねこ さん

恐らく、当人の思想・信条から、突っ込まずにはいられなかったんだと思います。

投稿: mizzie | 2013.03.09 21:02

前田利家、直江兼続、徳川秀忠、黒田如水

正式な側室はいないけど愛人はいたよ。
あと大河ドラマで純愛紳士みたいに扱われてるけど兜の愛は愛情じゃなくて愛染明王ね。
蛇足でした。

投稿: | 2013.06.18 00:29

> IPアドレス: 180.190.134.11 さん

そうなんですか。知りませんでした。

投稿: mizzie | 2013.06.20 23:11

うむ、やっぱりロボは格好いいね。
この記事と全くと言っていいほど同意見だ。
だがこれだけは言っておきたい。
狼は皆、一夫一婦だよ!!

投稿: くろ | 2013.08.16 05:56

>くろ さん

そうですか。知りませんでした。
どうやら僕はその点で、犬と混同してたみたいです。

どうもすみません。

投稿: mizzie | 2013.08.16 07:21

狼好きな私にとって『狼王ロボ』は最高ですが、他にもおすすめの本は、
『白い牙』
『野生の呼び声』(ジャック・ロンドン 著)
『狼と犬』(イソップ物語)
です。

狼研究家のヴェルナー・フロイントさんも興味深いです。
私は狼が好きすぎて狼犬を飼いたいくらいですw

まだ狼の真の魅力に気づく人は少なく、童話も狼は悪者のイメージであることが多いですが誇り高い生き方は、そこらへんの人間以上の魂のレベルの高さを感じますね。格が違います。

投稿: 8J | 2013.09.26 06:46

> BJさん

ですよね。
僕も、めっちゃ狼飼いたいです。
だけど飼いならされた狼なんて狼じゃないし…ってジレンマ感じちゃいます。
ご紹介頂いた本は、機会があれば読んでみます。

投稿: mizzie | 2013.09.29 20:12

昨日までシートン動物記をしらなかった日本人です……(笑)
今日ロボの本を買ったので読んでみようとおもいます

投稿: | 2017.06.29 01:44

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