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2007.07.13

『オリバー・ツイスト』を見て思ったこと

7月はNHK学園の実習がある関係で、ななか(仮名)とあんまりデート出来てないのだが、二人の時は視たかったDVDを見まくっている。

元来、僕は映画は好きな方で、「面白そうだな~・・・。」って奴があれば一人でも平気で映画館とか行っちゃう。そんな僕が観たかったけど、色んな事情(主にレースとかで多忙な時期だった)で観られなかった奴が幾つかあって、それを今月に入って立て続けに観た。

『ロジャー&ミー』

『ライフ・イズ・ビューティフル』

『オリバー・ツイスト』

 

『ロジャー&ミー』は、マイケル・ムーア監督の監督デビュー作品で、社員の人生がめちゃめちゃになることなんか全くのお構いなしで、会社の利益を上げる為だけの為に、ミシガン州フリントの工場を次々と閉鎖して従業員を解雇し、人件費の安い海外にどんどん工場を移したゼネラル・モータースの経営体質について撮ったドキュメンタリーで、これを観ていると、新自由主義は、経済グローバリゼーションは、アメリカでは80年代から始まっていたんだな。なんて思えてくるし、「自由競争に市場を委ねて、政府の経済介入を廃し、完全自由な競争社会を実現」なんて事をやると、企業経営者以外は誰も幸福になんかなれない。って事が良く判る。

次に観た『ライフ・イズ・ビューティフル』は、物語の最初は、イタリアの陽気なユダヤ系にーちゃんが巻き起こすドタバタ喜劇。知的で美しい女性とこのお調子者なにーちゃんの、超ノーテンキな恋物語なんだけど、これが途中から劇的な転調を見せる。
映画の前半でチラホラと垣間見えていた戦争の影は、二人の間に出来た子供が5歳か6歳になる頃には、国中をどんよりと覆っている。戦争は一家をユダヤ人強制収容所に送ってしまうのだが、その常に死と隣り合わせの状況にも決して悲観するだけでなく、持ち前の陽気さと機転で愛する妻と息子を守り、そして息子に「これはゲームなんだ」と言い聞かせる事で、絶望的状況下でも息子に生きる希望を与え続ける父親は、正しく「理想の父親像」だと言えるのではないのだろうか?しかし、愛する妻と息子を守り通した父親は、物語の最後で物凄くあっさり・あっけなく、ドイツ兵に殺されてしまう。

でも、これが戦争と言うものだ。
如何にそいつがとんでもない、有益な、強い・優しい・賢い人であったとしても、それは戦場では単なる『員数』でしかない。
数百万人の犠牲者の中の一人でしかないのだ。戦争にドラマは無いしヒーローもいない。そこにあるのは『敵よりも沢山殺す』と言う残酷な、人的資源の消耗活動哲学だけだ。

で、最後に観た『オリバー・ツイスト』
これは、19世紀のイギリスが舞台になっているのだが、社会福祉の歴史を学ぶ上で、この作品は是非とも観ておかなければならないとも言われる。
そこにあるのは、恐ろしく忠実に再現された、産業革命直後の、社会福祉政策・社会保障制度なんかなかった頃の、欲望がむき出しになった資本主義社会の姿が映し出されている。
孤児だったオリバー・ツイストは、慈悲的な貧困救済策だった救貧員で育ち、しかしそこでは誰もが10歳になると、『低賃金・単純労働者』としてこき使われる。そこにあるのは、「お前達は女王陛下の御慈悲によって食べさせてもらっているんだから、その身を砕いて陛下の(国家の)為に奉仕するのが義務だ」と言う哲学である。社会保障・社会福祉が発展した現代においては、全ての人には幸福追求権があり、全ての人には幸福に生きる権利がある。と言うのが常識になっているが、この19世紀のイギリスにあるのは、「貧しい者は、貧しく生まれてくる事それ自体が悪いのであって、国民の窮乏に国家の責任は無い」と言うミもフタも無い自分勝手な哲学だ。

 

 

基本的にこう言った類の映画を観るのも結構好きな僕だけど、僕と付き合うようになるまでのななか(仮名)は、どちらかと言うと単純明快ストーリー、判り易くてすぐ謎が解ける、観衆に考える事を要求しないハリウッド映画みたいなのが好きだったそうなのだが、僕と一緒にこんな映画ばっかり見せられてるし、デート中に政治・経済についてアツく語ったりしちゃう事もある僕の影響を受けて、最近ではかなり政治的に賢くなった女の子になりつつある。(^^)

 

話が少し横道に逸れちゃったけど、今回の話、カテゴリーに『政治・経済・国際』にしているのはワケがある。

『ロジャー&ミー』で経済グローバリゼーションの冷酷さを書き、『ライフ・イズ・ビューティフル』で戦争と国家と個人の関係について書き、『オリバー・ツイスト』で資本主義社会の強欲さを書いた。
その3つを高次元で融合させた国家を目指しているのが、安倍晋三率いる自民党・公明党連合軍だ。
アメリカや経団連と一体になって推し進めてきた、規制緩和と市場万能主義。小泉政権時代から受け継がれてきた、自民党が進めてきた改革は、政府の社会・経済への介入を減らし、経済の事は営利企業の自由競争に任せる、「小さな政府」だ。その結果、この国は一体どうなったのか?

100年以上も掛けて人類が築き上げてきた、”全ての人に・生涯に渡って”派生するリスクを全ての国民でシェアする。と言うシステムは、リスクもダメージも自己責任と言う一見自由、実は国家の無策・無責任を許容するシステムに変わった。そうやって浮いた予算は自分達に資金を提供する多国籍企業へ。
自民党がこのまま政権に居続けたら、資本主義国家では北欧を除けば世界最高レベルだった日本の社会保障制度は、19世紀ロンドンのようになる。

 

今度の参院選は、それでもいいのか?って国民に問いかけられてる選挙だ。

 

 

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コメント

訪問ありがとうございます♪
最近ぁたしは塾の宿題におわれていて大変デス汗
息抜きにこうしてPCをやってぃるのですが……
イヤですね。受験生って・・・
mizzieさんみたぃに幸せな恋したいですw

投稿: メィ | 2007.07.18 17:50

メイさん>
受験ってとってもとっても大変だけど、そして日本の受験システムが国際的に見たら問題だらけの欠陥システムなのは事実なんだけど、

でもそれは未来への投資。
ここでの頑張り次第で、未来の稼ぎの能力が変わってきます。Lifetime earningが1000万円くらい違ってきます。そして人が生きていく上では、イヤな事、嫌いな事にエネルギーを使うと言う経験を若いウチにしておくと、後でとても役立ちます。

道は違うけど、お互い頑張りましょうね!!

投稿: mizzie | 2007.07.19 23:07

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