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2007.08.12

『モーターサイクル・ダイアリーズ』と、『イノセント・ボイス』

先週は、ななか(仮名)と二人、レンタルでDVD借りてきて見まくった。

見たのは、オイラの「尊敬する人物」でもある、エルネスト・チェ・ゲバラの若き日の事を描いた、『モーターサイクル・ダイアリーズ』、

1980年代、内戦下のエルサルバドルを舞台に、政府軍に強制的に徴兵される子供達の話を、脚本のオスカー・トレスが自身の経験に基づいて描く、『イノセント・ボイス』、

1943年に、ドイツのミュンヘン大学を中心に行われていた、反ナチ運動を描いた、『白バラの祈り -ゾフィー・ショル最後の日々-』、

ツタヤは3本借りると4本目が無料なので借りた、『ラスト・サムライ』

 

これらのDVDを数日間に分けて、ネカフェとかで二人で見てきた。

まずは、『モーターサイクル・ダイアリーズ』
僕が個人的にチェに心酔しているという事もあるのだが、若き日の、比較的裕福な家庭に育った幸福な医学生だったチェが、その約束された未来を捨て、どうして革命家となるに至ったのか、その一端が垣間見えたりもする。
アルゼンチンを出発したチェと友人のアルベルト二人は、中古のおんぼろバイクに二人乗りして、南米大陸の北端を目指す。
チェにはさほど興味の無い人でも、無計画な上に金もロクに無い二人が、色んな人や出来事と出会う・遭遇する事で成長していく、上質のロード・ムービーとしても楽しめると思うし、「尊敬する人物は誰?」って聞かれたら「チェ・ゲバラです。」って即答しちゃうオイラにとって、当時の南米の置かれた悲惨な現状や、貧困、格差、搾取・被搾取、民族間・国家間対立、根拠無き差別と優越、なんて物を(おぉ!まるで東アジアにあるどっかの島国のようでは無いか!!)実際にその目にし、体験する過程で、不条理と不平等と不公平に強い憤りを覚えたであろう正義感強いチェにとって、この旅は後の革命家になる素地になったんだろうな。(この映画は、実際にチェの日記を元にして作られている)なんて思いながら見られた。チェを尊敬する僕にとってはとてもいい映画だったし、いい時間を過ごせたな。って思う。

次は『白バラの祈り』。
これもある意味、とても政治的な映画だ。
第二次大戦中、ドイツで実際にあった事件を、戦後に新たに見つかった新資料を基にして作られた映画で、あの戦時下のドイツで反ナチ運動を展開し、そしてゲシュタポにつかまって処刑されたゾフィー・ショルの話だ。彼女はドイツでは物凄い有名人なんだそうだけど、兄と一緒にミュンヘン大学構内で反戦ビラを撒いた件で国家反逆罪に問われ、当初は巧みに尋問を交わしていたゾフィーだが、決定的な証拠が発見され、モーア尋問官によって巧みに追い詰められながらも、自分の行為の正当性を疑わず、自白後は仲間を助けようと最善を尽くし、そして最後まで誇りを失わず信念を貫き通すその姿には、見る者の胸を打つものがある。

そして『イノセント・ボイス』
これもまたまた政治色の強い、社会派の映画だ。
時は1980年。激しい内戦が繰り広げられるエルサルバドルで、12歳になると強制的に徴兵され、少年兵として前線で殺し、殺されることになるエルサルバドルの子供達のお話。アメリカの支援を受ける政府軍と、農民ゲリラとの闘い、その最前線にあるチャバ(主役の男の子)の住む街では、日常的に銃撃戦が行われており、『死』がすぐ側にある、今の日本に暮らしていたら想像も出来ないような世界がそこにある。
チャバの初恋の相手である女の子、くだらないジョークを言いあっていたりもする学校の仲間達、ひょんな事からチャバが働く事になった乗り合いバスの運転手とのやりとり、そこで展開される物語は、世界中どこでも共通の、12歳の男の子にとってはありがちな物語だ。ただ唯一違うのは、チャバは12歳になれば強制的に政府軍に徴兵されてしまう事で、チャバの母親は息子の徴兵を逃れる為に、時に厳しく、また時には優しく、子供達と接している。物語の後半で、政府軍のあまりの横暴にゲリラ兵に志願しようとしたチャバと友人達は、政府軍にその後をつけられてしまい、ゲリラの拠点での戦闘に巻き込まれ、政府軍につかまって友人達は後頭部を銃で打ち抜かれてあっけなく殺される。その後、拠点奪還(仲間の救助?)でやってきたゲリラとの戦闘でチャバは間一髪で命拾いするのだが、そうやってゲリラと戦う政府軍を倒そうと、目の前に落ちていたゲリラ兵の自動小銃を手にしたチャバの目に映ったのは、少し前に政府軍に徴兵されたクラスメートだった。
この世界にはまだ、数十万人の少年兵がいると言われる。本来なら、勉強したり、スポーツに励んだり、友達と遊んだり、恋をしたりしているはずのその子たちは、戦争に明け暮れる貧困国に生まれてしまったという、ただそれだけの理由で、大人達の都合で誰かを殺したり殺されたりする。

その、不条理を告発する映画なんだけど、僕には、『自分達が幸福になるため・幸福を維持するためなら、他人が不幸になっても構わない』と言う、アメリカの横柄で傲慢な対外政策の一環を垣間見た思いだった。

で、最後は「ラスト・サムライ」
この映画が上映されていた頃は、僕はシスコにいて毎日仕事と勉強に追われる日々だったので、とりあえず一度は見ておきたいと思っていた。
で、実際に見て、
世間で騒がれていたほどには、面白くはなかったな。ってのが感想。
とにかく、侍が美化されすぎてる。
誇りの為に死ぬ事はそんなに格好良い事なのか?
自分の美学を貫く為に死んでいく侍達も僕には、戦略的失敗を戦術的善戦で誤魔化そうとする、欺瞞と理論すりかえと人的資源の浪費にしか写らなかった。
所詮、ハリウッドが描く侍なんてこの程度のモンかよ。なんて、土佐藩士の末裔でもあるmizzieには違和感しか残らなかった。トム・クルーズ演じるオールグレン大尉の世話をする女性を演じた、小雪はとってもキレイだったけど。

 

 

ラスト・サムライは娯楽作品として以上の価値は無いと思ったけど、他の3作品はどれも面白かった。
けど、面白かったのは僕にとって面白かったって事で、僕に付き合わせられてそれらを見せられる事になったななか(仮名)からしてみたら、メーワクなだけだったのかもしれないが・・・。

ただ、僕と付き合いだしてから、彼女が政治的に僕の強い影響を受けているのは間違いが無さそうで、先の参院選でも、テレビの中で安倍政権批判を展開する自民党候補に「あんたが言ってんじゃないわよ!」なんて毒ずいてたりもする。

さて、と・・・。
次はどんな映画を見ようかな?

 

 

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コメント

ほほぅ……mizzieさんはゲバラに心酔しておられるのですね☆
なんか、“らしい”なぁ、と思いました^^
おデイトには少々ハードな作品群をご覧になったようですが、ななかさんも、きっとmizzieさんの思想を知りたいはずだから、よかったかも。

わしは明日から社会福祉実習です。普段がまったり派だから、ハードな十日間になりそうです。

投稿: ゆらら | 2007.08.12 14:28

ゆららさん>
ななか(仮名)、今やすっかり、『政治的に左側な立ち位置』な女性になってます。思想的にはゾフィー・ショルと同じ立ち位置。(^^)

実習、僕の場合はそれなりに楽しかったです。ゆららさんは実務経験が無いから面食らう事もあるかもしれませんが、実習先で色んな『気付き』をしてきてくださいね。

投稿: mizzie | 2007.08.13 18:37

はじめまして。劇団民藝の酒井と申します。
来月、「白バラの祈り」の舞台版を上演致します。
もしご興味ありましたら、ぜひお出かけ下さい。

http://blog.butai-butai.com/archives/51052653.html

若干ではありますが、割引させて頂きます。

投稿: genji | 2007.09.19 05:54

酒井様>
はじめまして、こんにちは。
酒井様の舞台の成功をお祈りいたします。

投稿: mizzie | 2007.09.23 20:25

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