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2007.09.10

消したい記憶

やわらかい風が吹いている。

波が静かに歌っている。

今夜の空に月は無いけれど、
ミルキーウェイ(天の河)が優しい光を注いでる。

隣には、ななか(仮名)がそっと立っている。

 

今の僕は、とてもとても幸せだ。
自分が、自分自身よりも大切。って思えるくらい大好きな人が、僕の事を好きでいてくれる。(この人の為なら、僕は神にだって弓を引く)って思える人が、「あなたは何でも好きなことをわたしにしていいのよ。だって私はあなたのものだから。」って言ってくれる。36年間彷徨い続けて、遠く地球の裏側まで行っても得られなかった、僕の望んだすべてのものを、ななか(仮名)は両手に抱えてやってきて、そしてそれを僕に手渡した。
自分がずっと心の底で望み続け、そしてその為に長い長い旅をして、遠く地球の裏側まで行っても、どうしても得る事の出来なかったそれを、今の僕は手にしている。
とてもとても幸せだ。

 

 

そんな幸せな気持ちに満たされて眠りについたある日の僕が見た夢は、それはそれはおぞましいものだった。

奴がやってくる。
黒い微笑を浮かべながら、僕がやっと手にした幸せを破壊しにやってくる。
清楚な花が咲き乱れる高原の草原だろうと、自分の快楽が満たせるなら躊躇無く踏み躙るあの人は、その顔に黒い微笑を浮かべながら、僕がやっと手にしたそれをめちゃめちゃにする。

全身に汗をびっしょりとかいて僕は目覚める。
そして全てが夢だったという事に、ほっと胸を撫で下ろす。

 

僕には、消したい記憶がある。

その人と関わってしまった事は、その人と同じ時間を過ごしてしまった事は、その人の為に捧げた時間と資本と労力は、その人との事は全て、僕の人生の汚点だ。

忘れちまえ
時間の無駄だ
人生の無駄だ
そのまま進み続けるんだ

心の中で、ちいさなmizzieが語り掛ける。
知ってるよ。それくらい俺だって判ってるさ。
僕を損ねたあの人の事なんて、その事に思い煩わされるなんて、無駄以外の何物でもないって事くらい。
だけどあの人が僕の心に切り付けた跡は醜い傷跡になって残っていて、それはどうやったって消えない事も知っている。例えあの人が死んだとしても、僕や、僕と同じ目にあった人を損ねた罪に見合うだけの報いを受けたとしても、僕の心の傷跡は決して消えない。

過去の思い出って普通は時を経れば美化されていて、辛い過去や思い出したくない記憶も、時間によって浄化されているんだけれど、

あの人につけられた傷と、その事にまつわる全ての記憶は10年以上の時を経たと言うのに、ちっとも浄化されない。むしろ腐敗して腐乱して異臭を放っているくらいだ。
あの人を殺せばこの傷の痛みから開放されるのならば、あの人を殺してしまいたいんだけれど、この傷、それも無数に付けられたこの傷跡は、あの人が死んだくらいじゃ消えない。例えあの人が「いい気味だ。ざまあみやがれ!」って言えるくらいに惨めな人生を送っていたとしても、心は晴れないし痛みも消えないし、傷は癒えない。

98年の鈴鹿での事故で記憶喪失になっていた僕が記憶を取り戻した時、記憶の戻った僕がその事を素直に喜べなかったのは、あの人の事まで思い出してしまったからだ。

比較的幸福な人生を送ってきた僕には、思い出すだけで心が内側から優しく暖められるような記憶が幾つもある。思い出せば心を奮い立たせてくれる記憶が幾つもある。だけど、

思い出すだけで心のハードディスクを叩き割ってしまいたくなるような、辛い暗い痛い記憶が一つある。

思い出の、記憶の、選択消去が出来たらいいのに。

 

 

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コメント

わしも、消してしまいたい過去があって、
選択消去できたらどんなにいいかと思っています。
「なかったことにしてしまおう」
と考えたこともあります。
でも、そのときかかっていた心療内科の先生は、
「イヤな過去でも、なかったことにしてはいけない」
と仰いました。過去と向き合う、過去を受容する、それが出来るよう努力しなさい、と。
……向き合うたびに、かさぶたを剥がされるような気持ちになるんですけどね。
mizzieさんに、やすらかな夜が訪れることをお祈りしています。
ななかさんが、きっと、mizzieさんの傷を癒してくださるはず……。
二人寄り添って、いつまでもどこまでも歩いていってくださいね。

投稿: ゆらら | 2007.09.10 20:55

ゆららさん>
幸福に満たされた今の僕には時々、”消したい・消せない記憶”に苛まれる夜があるのは本当です。
思い出にはいい思い出と悪い思い出があって、でもそれらはもう過ぎてしまった事だから、全てをそのまま受け入れていくしかないんだと判っていますが、時々辛くなる事は、今でもあります。

ななか(仮名)はそんな僕にとっての、優しくて暖かいpain killer。
その効力を知っちゃった今の僕は、もう彼女無しに生きていく事は出来ないし、これからもずっと、手を取り合って歩いて行きます。(^^)

投稿: mizzie | 2007.09.12 02:10

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