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2007.10.07

保険金不払い。 ~これは業界にとってチャンスである~

日本の保険会社の、保険金不払いが問題になっている。

国内に本社を持つ、ほぼ全ての保険会社が、本来なら被保険者に支払わなければならない保険金額を、「請求が無かったから」と言う単純な理由で支払いをしていなかった事が発覚し、調べてみたら日本中で100万件以上、総額にして約910億円ものお金が、本来なら受け取るべき被保険者に対して支払われず、保険会社内で滞留していた。

この事実に対し、日本生命や住友生命など、国内大手保険会社はすぐさま会見を開き、社のトップがカメラの前で頭を下げて謝罪を表明した。恐らくこの後、本来なら受け取る資格のある被保険者達に、不払いとなっていた保険金が支払われる事となるだろう。

 

僕個人的には、今この時期にこの問題が大きく取り上げられたと言う現実に、社会保険庁職員の年金着服・不正使用問題から国民の目を逸らし、その問題の奥にある、150兆円の年金積立金が全国のグリーンピア建設で自民党議員と関係のある土木業者にばら撒かれ、70兆円近くが不良債権化している事実に国民の目が向かないようにしようと言う、厚生労働省と社会保険庁と自民党からの強力な(悪意に満ちた)ベクトルを感じるのだが、それは今回の話とはまた別のトピックだ。

 

今回の保険会社の保険金不払い問題で、今後の対応策として、被保険者が契約している保険商品を全てデータベース化し、さらに本人の請求と医療機関の診療記録を照合し、受け取る権利のある保険金は完全に・過不足無く支払う事の出来るシステムを構築しようという動きがあるようだが、それは業界にとっても被保険者にとっても、とても良い方策だと考える。

保険会社にしてみれば、今まで被保険者からの請求が無かったら払わなかった保険金まで一円も漏らさずキチンと払わなければならなくなるのだから、それは短期的に見ればリスクなのかもしれないが、僕は日本の保険業界が抱え込んだこのリスクは、日本の保険会社がブレイクスルーするチャンスだと考えている。

不払いが数百億円規模で発覚した日本の保険業界だが、その不払いの殆どは、被保険者の請求忘れ・請求抜かりを原因とするものが殆どなのだ。正当な手続きを経て、キチンと請求さえしていれば、日本の保険会社は会社によって多少の差があるとは言え、キチンと契約通りの保険金を支払ってくれる。もちろんのらりくらりと逃げながら、支払いを拒む保険会社もあるにはあるのだが、(特に社名は秘す)例えば僕が契約している日本生命などは、他の全ての保険会社が「そのケースではお支払い出来ません」と言った事例でも、満額の保険金を僕に支払った。
請求さえキチンとしていれば、日本の保険会社はちゃんと保険金を支払ってくれるのだ。

そして今ここにきて、被保険者の請求忘れも保険会社の側で完全にフォローして、受け取る権利のある保険金は請求が無くても通知して支払うシステムを作ろうとしている。そりゃ保険会社からしてみたら、今まで払ってなかった数百億円をキチンと払わなければならないんだから、会社全体としての利益は短期的には減るかもしれない。しかしこのシステムを機能させたら、日本の保険会社は海外進出する事で、欧米の保険会社から相当数の顧客を奪い取り込む事が出来るだろうと僕は考える。

永住外国人としてアメリカで暮らしていた事もある僕の個人的見解として、アメリカの保険会社は保険金を払わない。約款には実に細かく免責事項がびっしりと記載されていて、「○×なら○×千万円お支払いします!」とか言っといて、イザ、保険金の受給が必要な局面になると、「約款の第○条第×項に御座いますように、・・・のケースではお支払いできかねます。」とか冷徹に言いやがるのだ。そしてこれは村上春樹氏のエッセイにも出ていたのだが、アメリカの保険会社に社員と言うものは、正当に受け取る権利のある保険金でも、なんだかんだと難癖つけて、支払いを拒み続ける。奴等は言ってない事を言ったといい、言った事を言ってないと言う。そんなだから、アメリカの電気店に行くとごくフツーに、通話中の音声を録音出来る機能のついた電話機を売っている。それは相手の電話での応答を言質にしてしまう為である事は言うまでもない。

とにかく、多国籍企業でもある欧米の保険会社は、こちらがとことん追い込みを駆けないと保険金を支払ってくれないのだ。

ではここに、自分が請求するのを忘れていた保険金までキッチリと払ってくれる保険会社が現れたらどうなるだろう?一部のしがらみがあるユーザーを除けば、それ以外の殆ど全ての消費者が、自分達にとってのポシブル・カスタマーとなり得るのだ。アメリカだけでも、そこには3億人の巨大な市場がある。名前は秘すが、その市場をほぼ独占するアメリカ資本の巨大多国籍保険会社は、その売り上げが中堅国のGDPに匹敵するところまで来ている。

その巨大なマーケットを独占支配している巨大企業は、”顧客満足”からは遠く離れた地平にいて、殿様商売で濡れ手に泡の商売を謳歌している。まるで顧客満足を追求する日本企業に、刈り取られる準備をして待ち構えているようなものだ。

日本の保険会社は、契約した保険金は被保険者が請求を忘れても必ず払う。と言うシステムを構築しそれを軌道に乗せる事が出来れば、その時、ニッセイや住友、安田など、それなりの資本力を持った保険会社は、INGやAXA,AIGと言ったグローバルな巨大保険会社の顧客を根こそぎ奪い取って、一気に”世界のグローバル企業トップ10”に名前を連ねる事が出来るようになるかもしれないのだ。(注:現時点では日本生命の69位が最高位)

これをチャンスと言わずして何と言う?

 

 

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