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2007.10.19

僕がスタバを嫌う訳

全国で最後にローソンが出来た高知には、ホンの数ヶ月前までスターバックスが無かった。それは東京から高知に引っ越してきた作家が、「田舎暮らしはつらかった」なんて本を書いてしまうくらいで、この国ではある意味、都会的な、おしゃれな生活を表すバロメーターとして、スターバックスが存在しているようである。

スターバックスがある事。は、まるでそれがある事が、都会的に洗練された街である為には必須であるかのように人々は思い込み、

スターバックスをスマートに利用できる事が、都会的に洗練されたおしゃれな人である為の必要条件のように扱われている。

でも僕はスターバックスが嫌いだ。

お前は高知なんて田舎に住んでいるから、スマートな都会人をひがんでいるだけさ。って言う人もいるかもしんないけど、僕はシスコに住んでた頃からスターバックスが嫌いだ。そりゃ時々スターバックスに行く事もあったけれど、基本的にスターバックスは嫌いだ。スターバックスのファンサイトに頻繁に訪れて、自分達がスターバックスの「上級者」だと自負してる連中を嘲笑って(冷笑して)もいる。

僕がスターバックスを嫌う理由?

まず第一に、それがグローバリズムの象徴である事。
グローバリズムってのは、基本的にアメリカが「自分達こそ最高!」って言って、アメリカのやり方を世界中に押し付けただけに過ぎないし、グローバル化のお陰で貧困国の市民はグローバル企業に搾取されるだけの存在になっちゃったし、先進国の中産階級は貧困国に雇用を奪われて下層市民に転落させられた。
スターバックスは中南米のコーヒー農場で、失神するくらいの低賃金で現地の農民をこきつかって作ったコーヒー豆を使って、それを先進国でとんでもない利益率で売りさばき、そうやって得た利益でスターバックスのCEOや経営陣は、巨億の報酬をポケットに突っ込んでいる。

そして、こっちも僕がスターバックスを嫌うもう一つの、そしてとても大きな理由なんだけど、スターバックスの様なスタイルのサービス業は、客にも「従順でスマートな客」である事を無言・不文律の暗黙のルールとして求めているからだ。
食品業界というものは、客にサービスをする事が仕事だ。美味しい料理や飲み物を提供するだけが仕事ではない。
客がドアを開ける。席に座る。ウェイトスタッフがオーダーを取り、注文された料理やドリンクをサーブする。そして客はそれを味わい、キャッシャーで勘定を払って店を出る。店は客に対し、料理とサービスで”快適な時空間”を提供する。ドアを開けて入ってきた客が、ドアを開けて出て行くまでの時間、快適と満足を提供する。それが食品業界だ。僕だってシスコで寿司職人として働いていた頃は、そうやって「顧客満足の追及」を自分に課していたし、客の我がままにだって可能な限り対応したし、寿司の事がわからない世界中の観光客とかアメリカン達に、つたない英語で、聴覚障害者には筆談を駆使してまでして、サービスを提供していた。

しかしスターバックスはそうじゃない。客はあの膨大で複雑なメニューを熟知し、略語を駆使してスマートに注文をして代金を払い、カウンターに備え付けられたナプキン類を手早く取り上げ、ゆったりと座れる席で(決して美味くない)コーヒーを飲む。』それが、スターバックスのいわゆる「上級者」の姿だ。スターバックスでは客は、能動的・主体的に行動することがスマートでおしゃれだとされる。
サービス産業に従事していた者の一人として、それがどうにもガマンならない。
スターバックスで客が無言のうちに求められているそれは、客も生産ラインの一部として振舞う事だ。

スターバックスで客がする、「注文する。出来た商品を受け取る。席に座って賞味する。飲み終わった食器類を棚に返す。」って、その一連の動作は、本来なら従業員がサービスの一環として行っていたものだ。スターバックスではその全てを客が自分でする事が求められる。そしてそれをスマートにこなせない客は、生産ラインを停滞させる「迷惑な客」として、他の客達から排除される方向の力が働く。無言のうちに。
スターバックスでは、従来なら店員が行っていた事を客に肩代わりさせ、そうする事で人件費を抑制して利益を最大化させているのだ。そして自分達がスター
バックスと言う生産ライン・システムに組み込まれる事が、”都会的でおしゃれな事”として、不文律のマナーとして隠然と存在する。そんなスターバックスが僕は大嫌いだ。

品質が均一化されたスターバックスのコーヒーには、コーヒーをすすった瞬間にカップを叩きつけたくなるような不味いコーヒーに出会う確立はほぼゼロだ。
だけど、僕はあれよりも3割は安い値段で、思わず目を細めてしまうくらい美味しいコーヒーを飲ませてくれるカフェを幾つか知っている。

ただコーヒーを飲みたいだけなら、何も高い金を払った上に従順な客である事が求められるスターバックスに行く必要などどこにも無い。食べ物が安くて美味しい高知の人間にとって、美味しいコーヒーを(快適に)飲む為ならば、スターバックスのコーヒーに金を払って飲む価値などどこにもないのだ。

 

そしてスターバックスをおしゃれに使いこなす『スターバックス上級者』達は気付いていない。

自分達が、記号に従って動かされている事を、
誰かの(声にならない)号令に従って動かされている事を。

それは、支配者達の大衆支配システムととても似ている。
スターバックスはとても米共和党的で、自由民主党的でもある。

僕がスターバックスを本能的に嫌悪してしまう根底には、そこに21世紀型の支配者階層による大衆支配システムを垣間見てしまうからだ。 

 

 

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コメント

スタバにかぎらず、私は「オープンカフェ」という空間が苦手、というか嫌いです・・・人が飲み食いしてるのを見せられるのも嫌だし見られるのも嫌。
それにしても最近はどこにでもスタバありますねぇ。まぁ、行かないので興味もないんですけど。mizzieさんのおっしゃるようなあの「スマートな注文」を無意識に強いられるのがしんどいです。
ちなみに私の行きつけの喫茶店(夜は飲み屋)は「おいしいやつ、おくれ!」というだけでいつも私が「おぉ!!」と感激するような飲み物を日替わりで出してくれますよ。

投稿: hana | 2007.10.19 00:30

hanaさん>
そうなんですよ。客にスマートに振舞う事を求める、その傲慢さがガマンならないし、客としてしんどいんですよね。
それにしても、「おいしいやつ、おくれ!」と言うだけで、感嘆してしまうようなものを提供してくれる店がフツーにある辺りに、京都って街の奥深さを垣間見た思いです。

投稿: mizzie | 2007.10.19 22:39

mizzieさん、こんばんは。
きょう、出先でスタバを見ましたが、なぜか入りませんでしたよ。
そういわれれば、スマートな客でいることを強いられるって、そんな気がしますよね。
そう考えると、何だか筋違いというか図々しいというか…。
慣れないと注文するのに最初はかなり緊張するし、あの独特のスピードも余計なお世話ですよね。
うーむ気づいてしまった…!

投稿: こぶママ | 2007.10.20 22:57

こぶママさん>
店側がルールとして設定しているのではなく、客側が自主的に、店にとっての従順な客を演じ、そしてそれに適応しない客に排除のベクトルを掛ける、そのシステムが成立・維持される原因にとても興味がある僕です。

スターバックスがアメリカで受け入れられた理由には、「全部セルフでやるからチップを払う必要が無い」ってのがかなりあると思うんですけど、最初からコストにサービス料が含まれている日本のスターバックスが市井のカフェとほぼ同料金で商品を提供しているのも、どうにも納得がいかないオイラです。

投稿: mizzie | 2007.10.21 00:42

こんにちは

スターバックスにはそもそもサービスというのはないのではないでしょうか?およそすべてのファーストフード店ににも言えることですが、あってもせいぜいスマイル0円とか。

私はごく稀に迷い込むことはありますが、好きでわざとやっているわけではなくひとつの種類の客としてスマートでないことを結構やっています。店員がいやな顔しなければまあよいかと思いつつ。

しかし先日入ったスターバックスは店員のほうがちっともスマートでなかったですね。キャラメルなんとかを注文したら、厨房のほうから、「それって熱いの?冷たいの?」と。

投稿: Ponta | 2007.10.23 05:26

pontaさん>
日本のサービス産業って基本的に、代金の中にサービス料が(表示無しに)含まれてる訳で、それをチップを必要としないシステムで運営しているファストフード店とかセルフのお店まで上乗せする、日本式ファストフード業界には違和感ありまくりのmizzieです。

そんな事もあって、日本のスタバには「ぼったくり感」感じまくりのmizzieなんですよ。

投稿: mizzie | 2007.10.26 19:40

おはようございます。

悪いところばかり見ないで
いいところもきっとあると思いますから
探してみては?

そしてちょっと怒りを覚えました。
聴覚障害者に対しての筆談はサービスですか?
サービスとしてしたのなら最低だと思います。

投稿: maicky | 2011.12.01 06:42

> maickyさん

はじめまして、こんにちは。
さて早速ですが、スタバのいい所。と言うものがさっぱり見付けられない私です。
可能なら、貴方様の感じる『スターバックス」の良い所』を、私にもお教え頂けませんでしょうか?

貴方様は、スターバックスにもそれなりにいい所があって、それは一消費者として気軽に・気前良く利用するだけの価値がある。とお考えなのかも知れませんが、

しかしながら、欺瞞と不正・不公平を許す事の出来ない生粋の土佐人である私には、利益最大化の為にサービス提供量を最小化させておきながら、しかしその経営方針に乗る事がファッショナブルな事だと顧客の意識に刷り込む事で、不当な利益率の商品を合法的に売る。と言う不正義極まりないビジネスモデルに乗る事を是とする精神を持ち合わせてはいません。それに加えて、グアテマラの子供たちを低賃金労力としてこき使い、そうやって得た安価な原料を先進国で高値で売りつけるだけでなく、そうやって儲けた資本でイスラエル政府を支援し、パレスチナ人虐殺に加担するスターバックスを利用する事は、つまり一消費者としてスターバックスの児童労働と虐殺を肯定し支援する事は、私にはとうていできそうにもありません。

最後に、聴覚障害者に対するサービスについてですが、どうやら私と貴方様とは、『サービス』と言う言葉に対する解釈の仕方に根本的な相違があるものと思われます。
私はサービスと言う言葉を『doing something for customers but not producing goods.』と考えており、顧客満足の為に言語でのコミュニケーションが困難なお客様に対し、紙と鉛筆を使って注文を取り味や好みなどの要望を聞き、その時自分に出来うる最高の料理と接客を提供した事が、最低だと非難を受ける行為だったと思う事がどうしても出来ません。
そして、聴覚障害者に対し寿司職人として筆談を伴う接客と給仕を行った私を最低だと罵る貴方様が考える、聴覚障害者に対する寿司職人として問題の無い振る舞いとはどんなものなのか、未熟な私にもぜひご教授下さりたく、切にお願い申し上げます。

投稿: mizzie | 2011.12.02 00:19

こんにちは。西ヨーロッパ諸国に住んでいましたが、帰ってきたとき(7年くらい前)にスタバに初めて連れて行かれて、「ここをみんながお洒落だと本気で思っている」という事にカルチャーショックを感じたのを思い出しました。ヨーロッパだと、空港にある店、というくらいの感じのカフェだと思ったので。コーヒーの味は普通においしいと思いましたが、このキャップの穴から飲むんだよ、という不気味な所作に、大人が本気で従っている事に「おいマジか・・・」と。しかも紙コップだぜ?安いのならともかく、この値段。高いブランドものにお金を払うなら(たとえ単なるブランド志向でも)少なくとも努力への対価は正当だと思うが、本当に、表面上の記号に支配されているね、と思いました。

投稿: nande | 2012.03.26 00:56

> nandeさん

この国は、自分の頭で考える事を止めてしまった人が多数派を形成する国ですからねぇ…。
自分の頭で主体的に考え、自らの判断で行動しようとすると寄ってたかって叩かれて、


恐らく貴方様も私と同様に、誰かの号令に従い、記号に支配されて生きる事を是としない生き方を選んだのだと思います。
存在それ自体がmajorityやauthorityに対する強力なアンチテーゼ。この国でそういう生き方を貫くのは時としてとても生き辛くはありますが、

お互い頑張りましょう。

投稿: mizzie | 2012.03.28 22:59

本当ですね。表面的なスタイルに目を奪われて、実際はまんまと搾取されているという事実に気付かない、なんて事にはなりたくないですから。でも、もう今は入っているお客さんのお陰でそんなにお洒落には見えないですしね。スマートを強要される理由はなくなりつつあるような気もします。

投稿: nande | 2012.04.08 02:54

>nandeさん

この国の支配システム、搾取システムはとても巧妙で洗練されていますから、注意深く見ていないとその存在に気付けないので、
気付かないうちに従わさせられている、搾り取られている。と言うケースは多いんだと思います。

投稿: mizzie | 2012.04.12 01:25

日付がかなり以前の記事ですが、同意を示さずにはいられなかったのでコメントさせていただきます!

私も、Mizzieさんの言葉をお借りするなら「生産ライン」に乗っかれる消費者こそスマート、な演出?お店の雰囲気?が鼻につきます。

選民意識をくすぐる狙いのキラキラPRがうさん臭く感じていたところ、仕入れてるコーヒー豆がフェアトレードではないことを数年前に耳にしました。
キラキラアピールする企業の裏側は、実情ブラック企業だと思っています。従事者に対しても消費者に対しても、奇妙な価値観で思考をのっとるのがたくみです。
この、参加型消費者であれという暗黙のルールが奇妙な価値観に思えました。

個人的には、あのコーヒーにあの値段が見合うとは感じません。(洗練されたオシャレとも感じませんが)
ここまでブランドを確立させたプロモーションは単純にすごいとは思います。
自主的には絶対入らないですけど。

投稿: たまたま通りすがり | 2014.04.09 03:55

> たまたま通りすがりさん

資本主義思想が高度に発達した米系企業って基本的に”利益こそ王”、”利益最大化は至高”、”利益最大化の為なら、何をしても正当化される”なんですけど、利益最大化の為に第三国からアンフェアな取引で安価に仕入れた原料を使い、自国の下層市民を低賃金労力として酷使する事で莫大な利益を上げ、それを消費者と従業員には一切還元せず、「利益は全て経営陣と大株主で山分け。」とする、それは資本主義では正しい行為となるのです。

その為の手段を高度に洗練させ、経営姿勢のブラックさを巧妙に隠ぺいした上で、安価で劣悪な商品をその品質への評価を思考停止させた上で、消費する事がスタイリッシュなものだと錯覚させる。その手法は大したものだな。とは私も思います。
そのマズさを再確認する以外の目的では、決して自主的に利用する事が無いのは私も貴方様と同じです。

投稿: mizzie | 2014.04.13 19:20

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