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2007.12.30

過ぎたるは及ばざるが如し

50人近い高齢者が入所している我が施設だが、毎日面会に来る家族もいれば、僕がここで働き始めてから25ヶ月が経過したが、一度も会った事の無い家族もいる。面会に来る家族にも色々なタイプの人がいて、職員に気を使いまくる人もいれば、職員に注文付けまくり・クレーム出しまくりなご家族さんもいる。

ただ、水って奴は低きに流れる性質があるので、仕事を職員に、現場に任せておくと、現場は”現場がやりやすい仕事”しかしなくなるので、家族が頻繁に面会に訪れて、職員にどんどん注文を付けるのはいい事だと、僕個人は思っていた。僕等の目指さなければならないのは『顧客満足の追求』であって、『職員満足の追求』が顧客満足よりも上位に来てはいけないのだ。現場の職員が”自分達がやりやすい仕事”に流されない為にも、ある程度の家族からのクレームや注文は必要だ。と僕自身は思っている。だから、「職員さんには迷惑ばかり掛けて・・・」って言ってくる家族さんには、「どうぞ仰って下さい。外からの指摘は自己向上へのきっかけにもなりますから歓迎です。」と言ったりはしていた。実際の話、頻回の面会と職員への注文・クレームがある利用者様と、全く面会にも来ないで、全てを施設側に任せっきりな利用者では、提供されれるサービスの質に差が生まれているのは事実だ。

施設に入所させて、そこでいいサービスを提供してもらおうと思ったら、職員に対してそれなりに注文を出していた方がいい。そしてミスやインシデント・アクシデントがあれば猛烈に抗議するといい。そうすれば次回から、「この人は家族さんが細かい人だから気を付けてないとクレーム来るよ。」って暗黙の合意が職員間に生まれるので、提供されるサービスが同じでも丁寧さに差が生まれる可能性が広がる。

 

しかし、ウチの職場に入所している方のご家族さんで、施設・職員への注文とクレームが物凄い方がいる。注文が細かく回数も多く、その内の幾つかは職員に相当の負担を強いる種類のそれだ。ただ、その方のクレームは実に細かい所まで指摘してくる上に、最近は要求の内容が、どちらかと言うとワガママの範疇に入る種類の物が増えた。

で、重箱の隅をマチ針で突付くようなクレームを出し、「そんなの、専属のお手伝いさんを雇って下さい。」って言いたくなるようなワガママな注文が続いていたある日、夜勤時の職員の巡視に関するクレームで、遂に主任がキレた。

キレた。と言っても、利用者様へのサービスが低下する様な事は絶対にしない。ただ、幾人かの職員から、その方に接する際の笑顔が消えた。時間と回数が減った事に関するクレームに、チェック表を作成してその方と関わった時間と回数を全て記録に残すようになったのだが、しかしそのサービスはとても事務処理的になってしまって、家族からの注文、時間、回数、手順、仕上がりの状態を、言われた通りソツ無くこなす事だけにフォーカスされた、人間味の著しく欠けた介護が提供されるようになったのだ。

まるで機械加工だ。

○時○分 CW P本X次 入室 オムツ交換、更衣、整容 施行
×時×分 CW P本X次 退

#時#分 CM H崎A美 入室 容態観察
$時$分 CM H崎A美 退室

☆時☆分 Ns Q山Z絵 入室 バイタルチェック 内服注入 施行
△時△分 Ns Q山Z絵 退室

なんて感じの記録が延々と続く。一日で60項目を超える日も珍しくない。入退室時間と施したケアの内容を詳細に記録するようになったのだが、通常でも状態の観察や仕上げに不備が無いかなどで気を使っているのに、さらにご家族の注文通りに出来ているか確認し、それら全てを記録する為に自分が今行っている事と起きている事の全てを、言語化して記憶しなければならないのだ。そりゃあ一部の職員からは笑顔が消えもする。

精密機械部品を作るかのように行われるケアに、人間性を見つけるのはとても難しい。しかし、ケアを施される利用者の満足度は下がったかもしれないが、それを求めたご家族の要求は満たされた。

でも、これが本当に利用者本人の求めた事なのだろうか?

僕には判らない。

 

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