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2008年3月

2008.03.31

書いてみた

ななか姫の話だと、「mizzie、こないだ寝言で英語話してたよ。」って言ってたけど、滞米中は英語の夢を見てたのに、今じゃ夢はフル日本語なmizzie。
帰国して2年が過ぎて、自身の英語力低下が凄すぎるので、タマには英語も使っておかないと錆び付いちゃう。

って事で、英語でちょっと書いてみた。お題は「英語の有効な勉強法」
文法ミスとか指摘されたら恥かしいので、訳文は付けません。(^^ゞ

Hi,this is mizzie.
You're reading to Web Mizzie's Cafe issue#990. Today, I'll introduce you useful method of learning English for Japanese.
In Japan, You can see so many advertisement of learning English such as English learning machines, English conversation schools, and so on. In my opinion, most of them are too expensive and helpless. Furthermore, some of them are completely useless and wasting money.
However, incredible member of Japanese spend their money and time these useless studying.
If you want to speak, listen, read, and write English. I strongly recommend you to read English books. Nowadays, English books can get very easily in Japan. Most bookstores sell various English books for children, adolescent, and  adult. If your English skill isn't good yet,I recommend you to read English picture books or children's story. If you have 450 or more TOEFL score, I suppose that you can read English magazines or short stories. If you keep on reading, your English vocabulary and grammar skill will increase gradually. Someday, you'll realize that you can read and understand high-level English novels or treatise.
Learning foreign language is really fun. In addition, you'll get various knowledges that  massmedia never mentioned.

 

 

 

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2008.03.30

幸せ肥り

僕は結婚してからの2ヶ月で、体重が3kg増えていた。ななか姫との楽しい楽しい新婚生活で、二人で毎日3食美味しい手料理を食べ続け、相当な頻度で高知の美味しいスイーツを堪能してきた結果、僕がレースをやっていた頃から、もう12年間もずっと維持し続けてきた『体脂肪率1ケタ』も、あっさりと崩れ去った。僕と殆ど同じ生活をしていて、殆ど同じものを同じ量食べていたななか姫など、6kg近くも増えているくらいだ。
(増加量に差があるのはきっと、基礎代謝量が全く違う二人の、摂取カロリーはほぼ同じなんだから、余剰カロリーには当然、かなりの差が生まれるからだろう)

「暖かくなってきたし、ちょっとエクササイズしようか?」

って事で、3月に入ってからは、お互い、体重にはそれなりに気を遣った生活をしている。レーサー時代からの僕の減量方法は「エクササイズ」なのだが、肥ったのは僕も姫も同じなんだし、姫だけにエクササイズを強いる。なんてアンフェアな事をするのは、僕の矜持が許さない。って事で、3月に入ってから、買い物はワザと遠くのスーパーまで二人で歩いて行っている。

減量目的でエクササイズをする場合、”低~中強度の運動を15分以上”ってのは基本中の基本だ。運動開始から最初の15分では、エネルギー源としては肝臓に蓄積されたグリコーゲンが使われるのだが、15分を過ぎると肝臓にあるグリコーゲンだけでは足らなくなって、脂肪細胞に蓄積された脂肪を再び分解して、それをエネルギー源とするようになるので、最大筋力の30~60%負荷である低・中強度の運動を、15分以上続ける事が、減量には有効になってくるのだ。
(最大筋力の80%以上な高強度の運動を、15分以上連続して行う事は不可能である)
減量トレーニングには、自転車が間接に負担が掛からないので最適なのだが、ウォーキングを採用した理由の一つに「一緒に手を繋いで歩けるから」と言うのがある二人なので、サイクリングはエクササイズの手段としては、最初から除外されていた。
さらに余談だが、脂肪をグリコーゲンに変える過程でH2Oを必要とするので、運動中はマメに水分補給をすると、脂肪燃焼の為にはさらに良い。

僕が仕事から帰ってくる。すると家には職業訓練校から帰ってきたななか姫が待っている。そして二人で、家から約2km離れた場所にあるスーパーまで、手を繋いでテクテク歩いて夕食の買い出しに行く。片道2km、往復4km、でも大抵、その途上で本屋さんとか電気屋さんとかに寄り道をするので、大ざっぱにみて、僕と姫は一日5kmくらい。時間にして約1時間は、毎日テクテクと歩いている。

そんな生活を約2週間続けた結果、僕の体重は2kg、ななか姫は1kg減少した。僕の方が減少量が多いのは、恐らく基礎代謝量の差だろう。

姫:「おんなじもの食べてもmizzieは(姫の)半分しか増えないし、おんなじエクササイズしてるのにアタシの倍も痩せるなんて、こんなのアンフェアだわ!!」

僕:「そんな事言ったって・・・。」

怒る姫をなだめつつ、僕等は今日も、遠くのスーパーまで歩いて食材を買いに行く。

姫:「ねぇmizzie?肥ってるななかの事は嫌い?」

僕:「肥ってても痩せてても、ななかはななか。変んないよ。僕は”痩せよう!”って努力してるななかはステキだと思うし、頑張ってるななかを応援したいな。とも思うよ。それに、世の中の女の人がみんなモデルさんみたいな人ばっかりになっちゃったらつまんない。スタイル抜群だけどゼンゼン魅力の無い女の人だってたっくさんいるし、超ど級。ってくらいに美しく肥った女性を僕は何人も見てきたから、肥ってる人でも美しい場合があるって事も知ってるよ。」

姫:「ふーん。」

僕:「それにね。」

姫:「何?」

僕:「ななかには残酷かもしれないけど、僕がアメリカの大学で心理学クラス取ってた時、そのクラスで教えてた心理学博士が言ってたよ。”脂肪細胞の数と大きさは、遺伝で8割がた決まってる”って。だからもしかしたら、ななかは人よりは肥りやすくて痩せ難い体質なのかもしれない。だけど、肥ってるのも痩せてるのも、その人が生まれ持った個性なんだ。」

姫:「・・・。」

僕:「今の日本は、商業主義的に”美しい女性像”ってのが作り出されてるけど、それに従うなら美の基準が一つしかない。ってなっちゃう。でも日本だけを見ても女性は6000万人もいて、同じ人は一人としていないでしょ?一人一人は皆違ってるんだ。それと何を”美しい”とするかも、一人一人違ってる。この国の商業主義的な美しさ基準だと、身長170cm以上、バストCカップ以上、ウエスト60cm以下、って人しか愛されないハズだけど、僕は身長153cm、・・・・・のななか姫の事が、世界で一番ダイスキだよ。」

姫:「ねえねえ、だったらさ、」

僕:「何?」

姫:「帰りにル・セルクルに寄って、キャラメル・ポワール買っていい?」

僕:「次の”ケーキ曜日”までガマン。」

姫:「えー、mizzieのケチぃ・・・。」

 

随分と肥っちゃった二人だけど、それでも毎日がそれなりに幸せだ♪

 

 

 

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2008.03.29

日本のテレビが無視するニュース

数日前、僕が仕事から帰ってきたら我が家のポストに、

『国境なき医師団』

からの、ニュースレターと募金振込み用紙が入った封書が届いていた。

転職する度に収入がダウンする。なんて言う常識外れな職歴を持つオイラは、レース資金を稼ぎ出す為にやっていた溶接工時代が一番稼ぎが良かったのだが、それはレースを辞めた後も、渡米直前まで続けていた。稼ぎはあるのに使い道が無いからお金は貯まる一方だったので、当時の僕は定期的に『国境無き医師団』に寄付をしていたんだけど、その事もあって、滞米中も帰国後も、『国境無き医師団』からの寄付を募る手紙とニュースレターは、定期的に郵送されてくる。

僕にそれなりの稼ぎがあった頃は、毎年\15000~\20000くらいの小額だけど、『国境無き医師団』に寄付していた。
ただ寄付をするだけじゃなくて、日本からもそれなりの数の医師・看護師が『国境無き医師団』に参加しているのだが、僕もグリーンカードを得て渡米する事になる直前など、自分は英語が出来るからロジスティシャンとしてボランティアスタッフに志願しようかと思っていたくらいだ。
しかしながら、帰国して介護職員となり、一般日本人達が嘲笑う低収入の下流社会構成人員となった今の僕には、寄付はおろか、ボランティアとして馳せ参じる事など不可能だ。”コイズミジュンイチローと自民党の守銭奴な中間達”によって、格差が拡大した昨今の日本では、僕みたいな人が殆どだと思う。

現実問題として、結婚してローン持ちとなった僕には、定期的に募金をする余裕が無いのだけれど、それでも定期的にニュースレターは送られてくる訳で、そこには、日本のマスメディアが完全に無視する、貧困国の悲惨な現状が取り上げられている。今月のニュースレターでは、国境無き医師団のイエメンでの活動状況が触れられていたのだけど、この、世界で2番目に幸福な極東の島国では想像すら出来ないようなイエメンの現状が、そこでは述べられていた。

今イエメンでは、対岸のソマリアやエチオピアからの難民が命がけで小船に乗ってやってきている。
ソマリアもエチオピアも、国内の内戦が酷い状況で、難民達は皆、その戦火から逃れて安全を得るために、8mくらいの小船に100人以上が乗り込んで、炎天下のアデン湾を対岸のイエメン目指してやってくる。2007年だけで約28000人の難民がイエメン沿岸に到着したそうなのだが、そのうち651人が死亡し、659人が行方不明となっている。(実際の死者数はこれをはるかに上回ると言われている)

国境無き医師団は、2007年9月からイエメンで医療・援助活動を行っているらしいのだが、昨年末のある日、イエメン沿岸で難民を載せた小船が転覆したとの報せを受け、緊急医療チームが現地に駆けつけると、浜辺には死体が累々と打ち上げられ、生存者の話では148人が乗っていたらしいその小船だが、生存者は僅か49人しかおらず、100人近くが死んだり行方不明になっていたそうだ。医療チームはまず、生存者に飲料水と食料を配り、次にトリアージを行って緊急度の高い生存者に治療を行った。
生存者の救助と治療を行い、その後は死体確認で浜辺に行くと浜には死体が累々と打ち上げられ、そしてその殆どが女性と子供だったそうだ。ある生存者の話では、岸近くで船が転覆し、妻と子供を連れて泳いで岸を目指したが、岸に着くと妻は死に、子供達は既に息絶えていたのだそうだ。

ソマリアの内戦と、エチオピアの国境紛争と反政府勢力との内戦は、日本に住み、テレビしか見ない生活をしていたらゼッタイに知る事の無いニュースだ。灼熱のアフリカでは毎日、飢えと貧困と戦争で物凄い数の人達、女性と子供と年寄りが命を落としている。

アフリカで起きている紛争の殆どが、そこにある資源、主に希土類にから利権が原因で起きていて、希土類は携帯電話の小型化には必需なので、携帯電話をしょっちゅう買い換えている奴はアフリカでの戦乱に間接的に寄与している事になるんだけど、それについてはまた、別の機会にじっくり語りたいと思う。

今、アフリカでは石油や希土類を巡って、凄惨な内戦・紛争が繰り広げられている。そうしてアフリカで採取された資源は、先進国で贅を享受する為に使用されるのだが、そうやってアフリカからの搾取で成り立つ贅を消費する一般大衆には、その贅が気が遠くなるくらいの第三世界に住む人達の犠牲の上に成り立っている事を知る由も無ければ思いを馳せる事も無い。ただ、無自覚的に、受動的に、権力者から提供される情報だを鵜呑みして、支配者達を追従し続ける。

彼等は知らない。

自分達が何も知らされないうちに、共犯者の一人になっていると言う事を。

目を逸らしてはいけない。
耳を塞いでもいけない。

こうしている今も、アフリカのどこかでまた、乳飲み子が飢えて死んでいる。

彼等を苦しめているのは、世界銀行やIMFを通じてアフリカから搾取し続けるアメリカ政府とアメリカ企業だ。

彼等を間接支援したり、搾取した富のおこぼれを預かる自由民主党だ。

そして、そんなクズどもを国会に送り込んだ、自民党に投票した日本人と選挙に行かなかった日本人と、彼等を選挙に行かせられなかった僕たちだ。

 

 

 

 

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2008.03.28

その報酬は安すぎる

(ある日の社員食堂にて)

医師A:「この席いいかな?」

僕:「空いてますよ。どうぞ。」

 

職場では、昼食は各自弁当持参だったり、出入りしている仕出屋に弁当を注文していたりするのだが、基本的に食事は従業員用食事室で食べている。そこでは、一般病棟は一般病棟、栄養科は栄養科、リハビリ科はリハビリ科、って感じで固まっているんだけど、職場の人間関係にディープにコミットはしない主義のオイラは、介護病棟の輪には加わらず、一人でゴハンを食べている。

そして一般の職員は医局のセンセイ達と一緒に食べるのは気が引けるようで、医局のセンセイ達も大抵は孤立してゴハンを食べている。で、僕はそんな医局のセンセイ達と同席する機会がとても多くて、副院長なんかとは結構仲良くなっていて、デザートを頂いたりすることもしょっちゅうある。
院内では僕は契約社員待遇だし、ある意味、職場では最底辺に位置するんだけど、それで卑屈になる事なんかゼンゼン無くて、センセイ達とも気さくに話していたりもするんだけど、その日も、僕は同席になった内科のセンセイと、天気の話から始まって、食事の話、僕の弁当の話、安い外食よりも自炊の方がはるかに安くあがる話、僕は前職が寿司職人だったので、外食産業における価格に占める材料費の話、僕は今の仕事に就くまではアメリカで暮らしていた話、なんて事を、センセイは院から出る食事を、僕はななか姫の手作り愛妻弁当を突付きながら話していた。

僕:「・・・って訳で、節約するには食費が一番手っ取り早いし簡単なんですよ。外食だったら安くても一食\300は掛かるでしょう?でもこの弁当、妻の手作りなんですけど、材料費は\200掛かってませんよ。」

医師:「ふ~ん。僕は院から出る一食\300のこれは、かなり安い。って思ってたよ。」

僕:「これだと、元板前の僕からみて、原価率60%ってトコでしょうかね?それに僕の立場だと一食\300は高いですよ。契約社員待遇の僕には、昼食に\300も掛ける余裕なんか無いですから。」

医師:「ふ~ん・・・。」

なんて会話が続いて、そしてセンセイ達の給料の話になった。具体的な金額は言わなかったが、僕からの、「でも僕は個人的には、ドクターにはせめて、エアラインパイロットくらいは稼いで欲しいって思ってますよ。」の話に、「僕の年収3年分だね」と返して来たので、勤続3年目勤務医の年収は、大体1000万円くらい。って事なのだろう。

医師の年収が1000万円と言うのは、はっきり言って安すぎると思った。上の会話に出たエアラインパイロット、僕は過去にアメリカで飛行機操縦をさせてもらった(アメリカだと教官同乗ならフライト出来るトコが結構あって、その金額は日本の10分の1以下なので)時、その飛行学校で見た資料では、日本の航空会社に勤める僕と同い年の小型ジェット機(737とか)副機長、その年収は約3000万円だった。

別に僕は、パイロットがもらい過ぎだと言いたい訳ではない。パイロットだって、飛行の度に数十人から数百人の命を預かるのだ。客のこっちは命を預けるのだ。もっともらったっていいくらいだ。
問題なのは、医師の報酬が安すぎると言う事だ。
年収3000万を稼ぐエアラインパイロットだが、国際航空法の縛りがあって、彼等は一ヶ月で100時間以上のフライトが出来ない。つまり、パイロットの実働時間は月100時間が限界なのだ。

ところが医師はそうじゃない。開業医はどうか知らないが、僕の職場だって、勤務医は皆、残業と当直でクタクタだし、最近、高知新聞で連載されていた医療危機に関した連載では、高知医療センターに勤める脳外科医など、残業時間だけで月200時間を軽く越える。となっていた。

仮に残業がゼロだったとしたら、勤務医の一ヶ月辺りの労働時間が200時間を越える事は無い。無いんだけど、それでも僕は、人の命を預かる医師は、時間当たりで\10000はもらっていて欲しいと思う。それでも、一ヶ月の実働100時間のエアラインパイロットよりも報酬は低いのだ。そもそも、人の命を救う医師の報酬が、議事堂で居眠りしているだけの自民党議員の半額以下と言うのはどうかしている。食堂で僕と給料の話をしていた内科医だって、当直の時は300人の入院患者の命を預かり、緊急外来に救急患者にも対処して、災害時には全職員と全入院患者に対して責任を持つのだ。そんな勤務医の給料が年収で1000万円ちょい。ってのはあまりにみ安過ぎる。これはウチの職場だけの話では無くて、職安の求人とか見ても、医師のへ報酬は月給90~120万円っていうのが殆どだ。

冷静に・クリティカルに考えたら『安過ぎる』としか言えない勤務医の報酬だが、病院経営者にしたってそれ以上の金額が払えないのだ。
この国の医療はどこかの守銭奴帝国と違って、医療報酬は全国一律だ。お陰で窓口で払う金額も全国一律なんだけど、その医療報酬、医師に払われる金額がそれしかないのだ。経営者からしてみたら、出してあげたくても出してあげられないのが現状なのだ。

”コイズミジュンイチローと自民党の守銭奴な中間達”による一連の改革で、この国の社会保障関連予算は容赦なく削り落とされた。患者達が窓口で払う金額は悪魔的に引き上げられ、医師や医療関係者が受け取る報酬も、殺人的なくらいに削り取られた。
今、医療・福祉の現場では、何のインセンティブも無いまま、現場の職員、医師・看護師・介護士達に、過酷な過重労働が課せられている。

僕が子供の頃、病院のセンセイと言えば高給取りの代名詞だった。

21世紀になった今、医師と言うのはその責務からはとても釣り合わないような低い報酬で、過労死しないのが不思議なくらいの過重労働を課せられる職種となってしまった。

こんな状態が続いていたらその内、医者になろうなんて人はいなくなってしまうぞ。

でもそれは、皆が選んだ自由民主党の政治家達が決めた事だ。

 

 

 

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2008.03.27

これなら多分、僕にも作れる

Web Mizzie's Cafe、3月のグルメ3部作最終回は、高松で食べた「焼きカレー」についての考察です。

介護福祉士国家試験(結果発表まであと4日だよ!)で高松に行っていた際、宿泊費を節約する為に食事別の宿を取ったので、夕食は瓦町に繰り出す事になった。テクテクと宿から歩いて街に出て、琴電駅の近くでアヤシイ雰囲気のお店を見つけた僕はそこに飛び込んで、学科の時はオムライス、実技の時は「焼きカレー」を食べた。

僕はそれが可能な店ならば、席は必ず厨房が見える位置を取る。元板前として、そして料理を愛する『美味しいもの探検団』メンバーとして、その店のシェフが何をしているのか、そして素材は何を使っているのかに、強い興味があるからだ。
そんな僕はそのアヤシイ雰囲気のお店で、焼きカレーを作っている過程を最初から最後までじっくり観察。出て来た焼きカレーはこんな感じ。

Img_1207

 

 

 

サラダとスープが付いて、お値段はしめて\1100ナリ。
mizzie的金銭感覚で行くと、この味でこの値段ははっきり言って高い。食べながら僕は「これはどうひいき目に見ても、Cプラスがイイトコだな・・・それ以前に、道具さえありゃこれなら俺にだって作られるぞ。って本気で思った。そう思ったら、早速行動に移すのがmizzie流。まずはそれ専用のお皿を買おうと、高知市内の業務用品も販売している陶器店へ。しかしこれが一皿なんと\1540!!ビンボーなmizzieにはこれを複数枚買うなんてとてもじゃないけどムリ。

って事で、皿はalternative plan(代替案)として、姫が結婚する前から使ってるグラタン皿を使う事に決定。さらに、自作ならカレーも自分の好みにアレンジ出来る訳で、最近は、これを自作する時はどんな風にアレンジしてやろうかしらん?って感じで、プランを練っているmizzieなのでした。

 

 

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2008.03.26

イタリアンS級でスイーツもS級なお店

このブログにも何度か登場している『マンマ・イターリア』は、mizzie & ななか姫のよく行くお店でもあり、高知市在住者の恐らく誰もが認める『高知で一番ピザが美味しいお店』だ。一時期味が落ちた事もあったんだけど、今はそれも元に戻っていて、あの竈焼き特有の、表面はパリッ、中はふわっ、な食感はサイコーだし、ピザ専門店なのにパスタだって相当に美味しい。

このレベルの味をシスコで出したら、一皿30ドルでも超満員になりそうな『マンマ・イターリア』なのに、30ドルもあれば二人がお腹一杯食べられてデザートだって付けられる。そんな「財布に優しくお腹に美味しい」マンマ・イターリアだけど、『サンフランシスコ美味しいもの探検団』改め、『北新田美食倶楽部』改め、『宝永町美味しいもの探検団』公認、イタリアンS級店でありながら、実はデザートだってその味は相当だ。

数日前、調理がめんどくさくなって外食にしようって事になって、(mizzieが食事当番の日に時々起こる)んでマンマ・イターリアに行った際、ピザとパスタを一皿ずつ頼み、姫と僕で仲良くshareして食べる。っていつもみたいにやってて、

Img_1214Img_1215

チョー美味しいピザとパスタでしっかりお腹を満たした二人なのに、デザートにティラミスを注文。二人で一つのティラミスを仲良く食べる。

Img_1217 

 

 

 

もう、これが美味しいの美味しくないのってどっちやねん!ってツッコミをかわしつつ、
「美味しいね~♪」
「これだったら\800でも買っちゃうよね~」
なんてやってる二人なのでした。

イタリアンS級店な『マンマ・イターリア』、このティラミスだけで、スイーツS級指定決定です。

 

 

こうして、mizzie家のエンゲル係数とななか姫の体重と僕の体脂肪率は上がっていくのでした・・・。(^^ゞ

 

 

 

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2008.03.25

高知スイーツS級指定決定☆

結婚してから体重増加中なmizzie & ななか姫なんだけど、肥っちゃうくらいだから二人ともスイーツがダイスキだ。初デートからして『風工房』っていうケーキ屋さんだったし、二度目のデートは『Saori Sweets』に大吟醸チーズケーキを食べに行く。だった。

もう二人は高知のスイーツをかなり食べ歩いていて、ちょっとやそっとの美味しさではA評価を出さない。どんなに美味しくっても値段が高かったらBプラス以上にはならないのだ。

そんな二人だけど、新居から歩いて5分なんて言うチョーご近所に、『ル・セルクル』と言う名のめっちゃ美味しいケーキ屋さんを見つけてしまって、(過去記事、『高知の美味しいケーキ屋さん』を見てね♪)でも前回記事にした時の来店時には、一番美味しい「キャラメル・ポワール」は売り切れ。食費に占めるスイーツの割合がこじゃんと高うなっちょったきに、って急に土佐弁使ったら読んでる人着いて来られないよ。食費に占めるスイーツの割合がとても高くなっていたので、ケーキは週一日だけ。って決めた二人だったので、翌週、再度その店に行き、無事に『キャラメル・ポワール』をゲットして、二人は家でじっくりそれを堪能した。

Img_1210Img_1212 


もう、チョー美味しいです♪

 

 

次のケーキ曜日には、D丸百貨店でやっていた北海道物産展に出店していた、あの『ルタオ』のチーズケーキを食べたので『ル・セルクル』には行かなかったんだけど、その翌週、二人はまた『キャラメル・ポワール』を求めて『ル・セルクル』のドアをくぐった。

んがっ!しかし!!

この日も、お目当ての『キャラメル・ポワール』は売り切れ。
んで二人はalternativeとして、姫は『和栗のモンブラン』を、僕は『鳴門金時のムース(\320)』を購入。これで今週のケーキはお終い。『キャラメル・ポワール』はまたの機会に。って思ってたらキャッシャーの女性がななか姫に、「美味しい焼き菓子もありますよ。」って勧める。「ケーキは週一回!」って決めたmizzie家だけど、ななか姫は僕を見ながら、「焼き菓子は対象外。No limitationだよ。って言ってたよね?」って、小悪魔フェイスで僕を見る。「ん~・・・でも今日は・・・」とか言いながらその場は誤魔化し、家に帰ってケーキを賞味。

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手前にあるのが『鳴門金時のムース』、奥は『和栗のモンブラン』。今日はホットコーヒーと共に頂く。 

 

 
お、美味しい・・・(はあと♪)

って言うかホントに美味しいです鳴門金時のムース。和栗のモンブランもそうだけど、和の素材を洋菓子のフィールドで使わせたら、超絶美味です『ル・セルクル』。これには姫も同意見で、午後の食卓で二人で絶品ケーキをつつきながら、「高知のスイーツ」について熱く語り合っちゃってました(^^)

って事で『ル・セルクル』、”高知のスイーツS級店”指定決定です。
パティシエのお姉さんが美人なのも☆3つ。(^^)

 

 

 

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2008.03.24

(またまた)書いてみた

もう長い事執筆が止まっている『介護物語』だけど、ココに来てくれている皆さんがご想像の通り、ななか姫とのラヴラヴ生活で執筆してる余裕が無い。ってのが執筆中断の最大の理由だ。
ただ構想だけはまとまってきていて、まとまった時間が出来たらじっくりと続きを書きたいとは思っているんだけど、あれを書く時はそれなりに集中して、そして物凄いエネルギーを使って書いているので、長い事”書く事”をやっていなかった僕には中々に大変な作業であろうと言う事は、容易に想像出来る。

それでこの間の夜勤明け、自身へのリハビリの意味も込めて、簡単な短編小説を書いてみた。これくらいのレングスのお話だと、ちょっと時間がある時にささっと書いちゃう事は出来るし、長編をじっくり書く前のウォーミングアップとしては丁度いい。

で、折角書いたんだから、ここに公開してみる事にした。観想とか聞かせて頂けるととっても嬉しいです。

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

平成二十年三月二十二日。午後十時五十三分。

一方通行の狭い生活道路で、一時停止を無視して突っ込んできた若い男の運転する白いスポーツカーに跳ね飛ばされた僕は、コンクリートの門柱に叩きつけられた事による多臓器不全と、肺動脈断裂による失血で、三十七歳の若さでその生涯を閉じる事となった。

「こら伸之!もう10時半だぞ。ジュジュの事はお母さんに任せておいて、お前はもう寝なさい!」

「だってジュジュ、お家に入ってこないんだもん…。」

一人息子の伸之は玄関ポーチに座り込み、家の中に入ろうとしない仔猫に向かって、先程からずっと玄関で、しきりに仔猫の名前を呼んでいる。

「ノブ、おふとんも敷いたんだから、もう早く寝なさい。ジュジュはお母さんが連れ帰ってあげるから。」

寝室の準備を終えた妻の裕未が、伸之を呼びに玄関に降りてきたその時、ジュジュは唐突にポーチから道路へと飛び出した。

「ジュジュ、待って!」

その後を伸之がサンダルを引っ掛けて、たたたっ と軽快な音を響かせながら追い掛けて行く。

「…ったく、誰に似たんだか…。」

伸之がサンダルを履いて出ていってしまったので、僕は仕方なく玄関脇に置かれたポリタンクの側にあった、アシックスのウォーキングシューズに足を突っ込むと、外に出て行った息子と猫の後を追う。大型トラックのクラクションが、けたたましく鳴り響くのが遠くで聞こえた。

「なによあのジャリトラ!デカイからって偉そうにしてんじゃねぇよ!!

由紀子は大声で悪態をつきながら、

「そこの角を左に曲がって。一通で狭いんだけど、この時間は空いてるからショートカットよ。」

と言って、ハンドルを握る雅史を産業道路から住宅地へと向かわせる。

「ちょっと遅れてるな。良治たちより先に着かなきゃ意味ねぇよ。ちょっとまくるぞ!」

対向車もいない細い生活道路に進入した雅史は、ヘッドライトをハイビームに切り替えてアクセルを床一杯に踏み込む。三菱自動車製2000ccターボエンジンは、その強力な加速力でラジアルタイヤを路面に押し付け、1t近い鉄の塊を強烈に加速させる。

「ちょっと雅史くん、こんな狭い道で危ないわよ。」

バックシートに座っていた昌巳が雅史に注意を促したその時、一時停止の標識が立つ小さな交差点の真ん中で、仔猫を抱いた5歳くらいの子供が立っている姿が、ヘッドライトの光の中で浮かび上がった。

「ノブ!!

視界にヘッドライトの明かりが見えた僕は、ほとんど反射的に道路に飛び出し、高速でこちらに突っ込んでくる車を横目に見ながら、仔猫を抱いたまま固まっていた伸之を抱き締めた。視界の隅、40m程離れた所にいた白い四輪駆動の小型スポーツカーは、2秒もしなうちに僕等の眼前まで迫ってきて、そしてジュジュを抱いたノブを抱えた僕もろともに、僕をそのフロントグリルで跳ね飛ばした。ノブを抱えたままの僕は、まるでタイガー・ウッズの放つドライバーショットのように、低い弾道で孤を描きながら10m程飛ばされ、向かいにある山下家の門柱に叩きつけられた。

僕は後背部に衝撃と激痛を感じ、呼吸もままならない状態で鋼鉄製の側溝蓋の上にどさりと落ちる。

視界の隅で、裕未が呆然としてこちらを見ているのが見え、僕等を跳ね飛ばした車はさらに7~8m程走ってからやっと止まって、背の高い茶髪男と、生意気そうな顔をした巻き髪の小娘、ショートカットの女学生風、の3人が車から降りて来た。僕が門柱に叩きつけられた後、ジュジュは恐怖でパニックになったようで、どこかに走って視界から消えた。ノブは僕の腕の中で、目を開けたままピクリとも動かない。

「うおっ!!

ライトの光の中に浮かび上がった幼児を見た雅史は、咄嗟にブレーキペダルを力一杯踏み込んだ。アンチロック・ブレーキシステムが生み出す強力なストッピングパワーは、助手席の由紀子をダッシュボードに叩き付け、後部座席に座っていた昌巳のハンドバックをその後頭部に命中させた。しかし、その強力な制動力も、80km以上の高速で路地裏を走行していた1トンもの鉄の塊を、歩行者に衝突する前に完全制動させる事は出来ず、ドンッと言う鈍い衝撃音の後で、子供を腹に抱えて飛んで行く男の姿が3人の視界に写った。

「痛っぁ~…ったく雅史ぃ、アンタどんな運転してんのよぉ」

ダッシュボードにぶつけた頭をさすりながら、由紀子が腹立たしげに呟く。

「跳ねた、よね。」

昌巳はガタガタと小刻みに声と身体を震わせている。二人に応える事もせず、雅史は(やっちまった。これで俺はもうお終いだ)と、指先をカタカタと震わせながらシートベルトを外し、ドアを開けて外に飛び出した。自分が跳ねた男の所まで駆け寄ると、その男は口から血を流しながら雅史を睨み付けた。すぐに由紀子と雅美もやって来る。

「この…クソガキがぁ…どんな運転しとんじゃ…このボ…。」

直哉はそこまで言った所でまた、口からごぼごぼと大量の血を噴き出し、そのままそこで動かなくなった。

「直哉!ノブ!!

目の前で夫と息子が跳ね飛ばされるのを見た裕未は、殆ど半狂乱になって道路に飛び出し、そして二人の前で座り込んだ。裕未は、血を吐いて動かなくなった直哉と、目を開けたままピクリとも動かない伸之の前で呆然と立ち尽くす雅史に向かって、

「早く救急車を呼んで!」

と叫ぶのが精一杯だった。裕未からそう言われても何も出来ない雅史の横で、昌巳は携帯電話を取り出し、震える指で119とダイヤルをする。口から血を流して横たわる直哉と、目を開けたまま動かなくなった伸之を前にして、裕未は何も考える事が出来ずその場にへなへなと座り込み、雅史は(賠償は保険でカバーしてもらえるな)などと考え、昌巳は生まれて初めて見た死体に(アタシはどうすればいいの?)と自問自答。由紀子は(この人、もう死んでるわよ。あーあ、きっと事情聴取とかで今夜はツブれちゃうのね。ツイてないわよ全く)と、吐き出す事の出来ない苛立ちを抱え、機嫌悪げな顔をしながら、近付いてくる救急車のサイレンを聞いていた。

ピンポーン

ピンポーン ピンポーン

「…はい。どなたですか?」

インターホン越しに、特徴のある裕未の声が聞こえる。男はカメラ内臓型ドアホンに向かい、「川田雅史です。」とだけ答えた。何の御用ですか?と尋ねる裕未に雅史は、「昨日、平良交通刑務所を出所しました。今日は、直哉さんにお線香を上げさせて欲しくてお伺いしました。」と静かに言う。その雅史に裕未。

「…帰って下さい。」

とだけ応え、その後は雅史が何度ドアホンを押しても何の応答も無く、ドアホンを30分近く押し続けた挙句に、雅史は諦めてその場を立ち去った。ドアホンカメラからの画像で雅史が立ち去ったのを確認した裕未は、その場に座り込み嗚咽を漏らす。

確かに、交通刑務所で2年半服役してきた雅史は、刑事的には罪を償ったのかもしれない。雅史の車に掛けられていた日本生命の自動車保険からも、二億を超える死亡保障が裕未に支払われた。しかし、夜更けの生活道路を制限速度の二倍を超える速度で暴走し、さらに一時停止無視までして、愛しい夫と大切な息子を奪った男が、殺人罪はおろか危険運転致死傷罪ですらなく、単なる過失致死で済まされた事が、どうしても納得のいかない裕未だった。

「…あんたなんか、永遠に刑務所にいればいいのよ…返してよ。あたしの直哉と伸之を返してよ…。」

リビングの飾り棚に置かれた額縁の中で、生まれたばかりの伸之を抱いた直哉が照れ笑いを浮かべている。裕未はその写真に向かい、「直哉ぁ、どうして死んじゃったのよぅ…。」と呟く。裕未の瞳から涙が勝手に溢れてきて、そしてそれはいつまでもいつまでも流れ続けた。

ピンポーン


(また来たの?)
軽い苛立ちを覚えながら、裕未はドアモニターのスイッチを押す。しかしモニター画面に映ったのは礼服を着た雅史ではなく、清楚な水色のワンピースを着た昌巳だった。

「あら?昌巳さんだったのね。ちょっと待って、今ドア開けるから。」

裕未は、急いで涙を拭きながら階段を降りて行き、玄関の鍵を開けて昌巳を迎え入れる。あの日、たまたま雅史の車に同乗していただけなのに、昌巳は直哉と伸之の通夜にも告別式にもきちんと顔を見せ、その後も裕未は拒み続けたと言うのに毎月、月命日には必ず花束とお菓子を持って来る昌巳に、裕未も次第に打ち解け、最初は玄関で挨拶をするだけだった昌巳も、事故から四年が過ぎた今ではリビングで裕未と二人、共に紅茶を飲むまでなっていた。

「裕未さん、また泣いてたんですか?」

「昌巳ちゃん判る?」

「だって裕未さん、頬に思いっきり涙の跡が残ってますよ。」

「実は今日ね、ほんと、今さっきなんだけど、直哉と伸之殺したアイツが来てたのよ。お線香上げさせて下さいって。」

「それで、雅史さんお線香上げていったんですか?」

「まさか!?その場で追い返したわよ!あんな奴にお線香なんか上げさせてやるもんですか!!それにウチは仏教徒じゃなくって神式よ。

「…そうですか…。」

「昌巳ちゃんは何も気にしなくていいのよ。あなたは単に一緒に乗ってただけなんだから。そりゃアタシも最初はあなたの事も憎んだわよ。だけどあれからもう4年も経ったというのに、あなたは毎月、月命日には必ずウチに来てくれている。直哉を覚えてくれているわ。それだけでもう充分よ。ね、昌巳ちゃん?アナタは目撃者であって加害者ではないの。もう一人の同乗者だった女の子なんか、一度もここに顔見せた事なんか無いのよ。それに、あの時あなたの「時速80kmは出てました」って証言が無かったら、あの男の罪はもっと軽くなって、きっと実刑じゃなくて執行猶予になってたと思うわ。アタシは、直哉と伸之を殺しただけじゃなくって、最初に嘘を言って罪を軽くして逃げようとした、アイツが絶対に許せないの。司法が死刑にしてくれないんなら、アタシがこの手で殺してやりたいくらいよ。」

そう言うと裕未は、ティーカップのアールグレイを少しだけ啜った。裕未が話すのを黙って聞いていた昌巳はしかし、静かにカップをテーブルへ戻し、

「でもあの時、あたしがもっと強く雅史くんに言ってたら、あの人はあんなにスピード出さなかったかもしれない…。アタシ、今でもあの事故の事を夢に見るんです。」

裕未は、昌巳にとってあの事故が、彼女の心に深い傷を与えている事を知っていた。そして、たとえ自分には非が殆どゼロだと知っていても、完全にゼロでは無かったという、ただそれだけの理由で自分を責め続けている事も。あの不幸な事故は二人の命を奪い、そして自分と言う被害者遺族を不幸のどん底に突き落としたけれど、加害者側にいたこの若い女性の心にも深い傷を残し、そして彼女までをも不幸にしたのだと。

しかし、当の加害者はどうだ?二人も殺してたった3年で「贖罪は終わった」と言って刑務所から出てきて、そしてこれからはまた、普通の暮らしに戻るのだ。そりゃ多少は困難もあるかもしれないが、自分から最愛の夫と息子を奪ったアイツは、いつかどこかで、幸せを手に入れて笑顔で暮らしていくかもしれないのだ。自分から何もかもを奪い、見知らぬ他人であるアタシを、こんなにも不幸にしていったというのに。裕未にしてみたら、こんなに不公平な事は無いと、心の底からそう思っていた。

「…国家予算をまるごと損害賠償でもらったって、アイツをこの手で殺したって、アタシの傷は癒えないし直哉も伸之も帰って来ないわ。人を殺したら、その罪はどんな事をしたって償えないの。昔、何とかって政治家が言ってたわよね。「命は地球よりも重い」って。アイツはその重い命を二つも奪ったのよ。そんな罪、どうやって償うって言うのよ?」

裕未はそう言ったまま俯いてしまった。俯いたまま小刻みに震える裕未の顔から涙が滴り落ちるのを、昌巳はただ、黙って見ているしかなかった。

「雅史じゃないか!お前、いつ出て来たんだ?」

閉店間際のレストランバーで、ドアを開けて店に入ってきた男を見たオーナーシェフの大石は、男の顔を見て驚きの声を上げる。「一昨日です」とだけ雅史は言って、カウンター席の一番奥に静かに座った。

「家には帰ったのか?」

「帰りましたけど、親父もお袋も、僕を腫れ物に触るような扱い方か、「そんな物はこの家には無い」って態度でしか接してこないし、決して僕が願うようには扱ってくれないんです。居心地悪過ぎです。」

「そうか…で、ご遺族の所には行ったのか?」

「行ったけど追い返されました。そりゃ、目の前で夫と息子を殺されたんですもの。僕の事、許せる訳なんかないですよね。」雅史はそう言ってすぐに、「何か食わせて下さいよ。お腹ペコペコです僕。」と言って大石の顔を見る。

「ペペロンチーノでいいか?待ってろ。すぐ作ってやるから。」そう言って大石はキッチンへと向き直る。コンロに火を入れて大鍋の湯を沸かしながら、冷蔵庫から片付けていた食材を出してくる。

「でもお前だって、あの事故で全てを失った。そうだろ?将来有望な大学サッカーのエースストライカーが、あの事故で選手生命を絶たれて、何にもなければ最悪でもどこかの学校で監督かコーチにでもなれただろうし、就職ならどこにだって行けただろうに。今じゃ過失致死の前科持ちで、警察照明を求められるような仕事には就けない。多分もう一生、サッカーに関わる事も出来ない。」

「でもきっと、これくらいじゃ二人を殺した罪は償われないんだとあの奥さんは考えてるんだと思いますよ。それに、僕は遺族だけじゃなくて由紀子と昌巳まで巻き添えにしてしまった。由紀子には捨てられちゃったし、昌巳ちゃんも今はどこで何をしてるのかもわからない。大石さん、クアーズかコロナビールあります?」

雅史の言葉に大石は、冷蔵庫からクアーズを出してコップと共に雅史の前にコトリと置き、

「これは俺からのおごりだ。まあ飲めよ。昌巳ちゃんはな、今でも月命日にはご遺族の所に通ってるんだそうだ。お前の分もきっと、昌巳ちゃんが祈ってくれてるよ。あの娘はお前の周りにいた女達みたいな美人じゃあなかったが、少なくとも、お前の周りにいた誰よりも優しい娘だよ。」

「大石さん、昌巳ちゃんの携帯とか判ります?」

「知らんよ。それに、お前は昌巳ちゃんとも会うべきじゃあない。あの事故で傷付いたのは、あの娘だって同じなんだ。もうこれ以上、誰かの古傷に塩を刷り込むような事はするなよ。」

「…そうですか。じゃあ大石さん、由紀子は今どうしてるか知ってます?」

「あの娘か…あの娘の事も、お前は知らない方がきっと幸せだよ。どっちにしても、将来を絶たれたお前の事をあっさりと捨てて行った女だ。もう忘れちまえ。」

「彼女が不幸になってさえいなければ、僕はもうどうでもいいんです。僕はもう、これ以上誰も不幸になんかしたくない。ただそれだけです。」

「ならいいんだ。心配するな。あの娘は今、少なくとも経済的には誰よりも幸福だよ。さて、俺はもう店閉めるぞ。お前もそれ食ったら帰れよ。」

大石はそれだけ言って、窓のカーテンを下ろし始めた。店を片付ける大石をぼんやり眺めながら、雅史はパスタを胃袋に送り込み続けた。

直哉の実家は代々続く天満宮の氏子でもあったので、直哉の家には仏壇は無い。さらに、無神論者だった直哉は神棚すら置かなかったが、直哉が死んだ後は直哉の両親が、小さな神棚と二人の遺影が入った額を、リビングの飾り棚に置いた。裕未は今も、毎朝遺影に手を合わせ、夜は写真の中で笑う直哉に、その日一日の出来事を語り掛ける。結婚してからずっと、夕食を食べながら二人でそうしていた頃のように。

「ねえ直哉。今日ね、直哉と伸之を殺したアイツが来たのよ。アイツ、もう出所してきたみたいなの。直哉を殺して、伸之を殺して、あたしをこんなにも不幸にして、でも、あいつもう贖罪は終わって、明日からはきっとどこかで幸せに暮らすのよ。こんな不公平な事って無いわよね。この国じゃ、交通事故は殺され損って事なのね。」

裕未はブロッコリーとベーコンの卵炒めを口に運びながら、テレビのチャンネルを次々と変えていく。

「昌巳ちゃんも、また今月も来てくれてたわ。二人で一緒に紅茶を飲んだの。あの娘、まだあの事で自分を責めてるのよ。あたし達の事を覚えていてくれるのは嬉しいけど、まだ若いんだし、アタシ、もうあの娘には幸せになって欲しいって思うわ。あの時一緒にいたもう一人の女なんか一度もここに来た事は無いのに、あの娘は毎月ここに来て、きっと自分を責め続けてるのよ。」

写真の中で照れ笑いを浮かべる直哉に語り続けながら、テレビのチャンネルを次々と変えていた裕未だが、ニュースは悲しい事故ばかり、バラエティーは下品なものばかり、ドラマはヘタクソな役者ばかりで、途中で嫌になってスイッチを切った。

「ねえ直哉。笑ってばかりいないで何か言ってよ。」

そう言ってから裕未は食べ終えた食器を片付けて、部屋の掃除をしてから翌朝用に米を研いで炊飯器のタイマー設定をして、朝食の仕込みをしてから、入浴を済ませてフトンに潜り込んだ。そしてその夜、裕未は直哉の夢を見た。

ダイニングテーブルの上には、大きなカレー皿が二つ。ブロッコリーとベーコンの卵炒めが乗った小皿が二つ。今日の夕食の皿が二倍になって、テーブルの上に置かれている。まるで時間が巻き戻ったかのようだ。ただ先程と違うのは、テーブルの向かいでは直哉が、あの懐かしい優しい笑顔を浮かべて座っている事だった。

「それで裕未は、まだアイツを許せないんだ。」

「だって、アイツは直哉と伸之を殺したのよ!許せる訳なんかないじゃない。」

「でも、例えアイツが死んでも、どんなにお金を使っても、僕はもう生き返らない。僕の身体は、この魂を入れる入れ物は、4年前に火葬場で燃やされて、骨は暗い土の下だよ。」

「そうよ。だからアタシはアイツを許せないの。直哉と伸之を殺してあたしを不幸にしたあいつが、罪を償ったって言われて幸せになるなんて許せないのよ。そりゃ、今でも毎月来てくれるあの昌巳って娘には幸せになって欲しいとは思うわよ。だけど、アイツには世界中の不幸が降り注げばいいのに。って本気で思ってるの。それに、直哉は自分と伸之を殺したアイツを許せるの?」

そう言って直哉を見つめる裕未を見ながら、直哉はカレーを乗せたスプーンを口に運び、口にふくんだジャガイモをゆっくりと咀嚼してからそれをごくりと飲み込む。そしてグラスを取って冷たい水を一口飲んでからそのグラスをテーブルに戻すと、裕未の目を優しくみつめながら、ゆっくりとこう言った。

「それはこれからの、彼の生き方次第かな?もちろん僕だって、服役が終わったからって僕等の事なんか忘れてノーテンキに幸せ掴まれたりするのは許せない。アイツは、僕にもう二度と、裕未を抱きしめる事を出来なくさせたんだ。伸之の頭を優しく撫でる事を出来なくさせたんだ。3年かそこら、刑務所に入ったくらいで許してなんかやるものか。だけどね、僕はもう死んでしまったけど、アイツはこの先、数十年は生きていくだろう。現実的に、未来に関わっていくのはアイツなんだ。そしてもし仮に、アイツがその与えられた残りの人生を、マザー・テレサとかマホトマ・ガンジーみたいに、虐げられてる人達とか、卑しめられてる人達とか、苦しんでいる人達とかの為に捧げたとしたら、僕としても彼を許さない訳には行かないと思う。自尊とか自我を超えて、自己実現に身を捧げた人を恨み続けるほどには、僕は狭量には出来ていないよ。」

「でも、パーティーに遅れるからって生活道路を時速80kmで暴走して、一時停止無視して二人も跳ねて殺して、警察に嘘の証言して罪を軽くしようとしたような男が、自己実現に身を捧げるなんて有り得ないわよ。」

「そんな事わかんないよ。人は誰だって変わって行くものだし、変わることが出来るから人なんだ。彼が生きている限り、彼の人間性がブレイクスルーする可能性は可能性として存在している。もちろん、それが無い限り僕はアイツを許さないけどね。」

「じゃあ直哉、アイツを呪い殺してやってよ。アナタが呪い殺したのなら、アタシの気も少しは晴れるわ。」

「申し訳ないけどその希望には応えられない。僕は君を見守っているだけで精一杯なんだ。誰かを呪っている余力なんてもうどこにも無いよ。」

「見守ってるの?」

「もちろんだよ。僕がいなくなった君が幸せになれるその日まで、僕は君の事を見守り続けるつもりだよ。今だって、洗濯物が風で飛ばされないように押さえたり、満員電車でチカンの手を遠ざけたり、君がシチュー鍋を焦がしちゃわないように見張ったり、毎日健気に『縁の下のフェアリー』やってるんだから。」

「ふふ、鍋を見張ってるなんて、ホントにあなたらしいわね。」

裕未はそう言って微笑みながら、カレーを一口ぱくりと食べた。

翌朝、裕未はとても幸せな心地で目を覚ました。昨夜の事が夢である事は判っていたが、それでも許されるのなら、ずっと夢を見続けていたかった。例え夢の中とは言えども直哉に会えた事で、彼と食事を共にし、親しく語り合えた事で、その朝は、裕未にとって何年ぶりかの心地良い目覚めだった。

「さて、と。」

布団から置きだした裕未は、食器乾燥棚に置かれた二人分の食器を食器棚に仕舞った。

二人分?

直哉と二人で食事をしたのは、確かに夢の中の出来事だった。裕未は昨夜、一人で夕食を食べ、掃除をして風呂に入って寝たのだ。二人分の食器があるはずが無い。しかし、食器乾燥棚には間違いなく、二人分の食器が載っていた。

ソファーに腰掛けた昌巳が時計に目をやった時、待ち合わせ時間は既に10分程過ぎていた。ため息をついて昌巳は一杯700円の美味しくないブルーマウンテンを啜り、そしてカップをテーブルに戻す。ファミリーレストランでの待ち合わせを望んだ昌巳に、ホテルのカフェを指定したのは由紀子だった。あの事故の後で雅史と別れた由紀子は、その後すぐにセレブ限定のお見合いパーティーで出会ったとか言う、建設会社社長の長男と結婚し、今は悠々自適のセレブリティな専業主婦になって、主婦仲間とゴージャスなランチに出掛けたり、カルチャースクールに通う日々を送っていた。

「あら昌巳早いわね。もう来てたの?」

由紀子がやってきたのは、約束の時間を17分過ぎてからだった。

「早いわね。じゃないわよ。もう10分以上過ぎてるじゃないの。」

「10分遅れるのはFashionably lateよ。アメリカじゃこれが普通なんだから。」

「ここは日本よ。約束の時間にオンタイムで来るのは常識でしょう?」

「昌巳は相変わらずカタいわね。アタシだって色々忙しいんだから。それで今日は何の話なの?」

「由紀子、雅史くんが出所してきてるの知ってる?あの人出所して先ず最初に、ご遺族の所に行ったらしいんだけど、奥さん、雅史くんを追い返しちゃったそうなのよ。この際だからあたし達3人で行って、雅史くんにも遺影に手を合わさせてあげましょうよ。由紀子だって一度もまだ、ご遺族の所には行ってないんでしょう?」

「ちょっと昌巳、何でアタシがそんな事までしなきゃなんない訳?もうあれは済んだ事でしょう?雅史は刑務所に入って、Jリーガーになれたかもしれない将来を閉ざされて、ご遺族には二億円以上も保険金が払われたんでしょう?もう充分よ。」

「でも、雅史くんは今でもあの人達に謝罪したいって思ってるみたいだし、それにあの奥さん、今も毎日泣いて過ごしてるのよ。その場にいた者の一人として、何かしてあげたいって思うのが普通じゃない?」

「自分の常識が世界の常識みたいな言い方しないで。そう思うのはアナタの自由だけど、それにアタシまで巻き込まないでくれる?仮にアタシがあんた達とあの家に行ったとして、元カレと一緒にいたトコなんて、ダンナに見られでもしたらどうするのよ?アタシは今幸せなの。それを妬んで壊すような事やめてくれる?」

「妬んでなんかいないわ。あたしはただ、雅史くんも出てきたんだし、いい機会だから3人で手を合わせてご冥福を祈って、って思っただけよ。」

「昌巳。そーゆーのをね、『余計なお世話』って言うの。アタシはもう帰るわよ。4時から英会話教室に行かなきゃなんないの。じゃあね。もうそんな用事で電話なんか掛けてこないでね。」

それだけ言って立ち上がると由紀子は、

「待ち合わせココにしてって言ったのアタシだから、ここの勘定はアタシが払っておいいてあげるわ。」

とだけ言うとレシートを掴むと足早にキャッシャーへと向かい、ゴールドカードでスマートに決済を済ませると、あっという間に立ち去っていった。

昨夜から降り出した雨は、一向に止む気配も無く降り続いている。道路脇の用水路を茶色の泥水が流れ、交差点の路面に出来た水溜りを、時折走り去る配達のワゴン車が跳ね飛ばして行く。交差点の角に立つ小さな一軒家の玄関ドアホンの前で、傘をさした雅史は一人で立っていた。家の中では、裕未がモニターに映る雅史の映像をじっと眺めている。

「…もう帰ってください。そんな所にいつまでも立たれたら迷惑です。」