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2008.03.16

サンフランシスコの高齢者事情

(前日からの続き)

今回の渡米、ただ"リエントリーパーミット再申請"だけが目的じゃなくて、僕が滞米中にお世話になってた、そして今もお世話になっている日系女性の紹介で、シスコの高齢者施設を訪問・見学させてもらう。って言うのもあった。施設とのアポを取って下さったこの方も、今は現地でガイドヘルパー的な事をしながら、またボランティアとして施設に出入りしていると言う事もあって、今は高知で介護職者として働いている僕の助けになればと、今回の訪問をセッティングして下さったのでした。

アメリカの高齢者介護が、「介護地獄」なんて言われているのはメディアで目にしたりもしていたmizzieだけど、実際にこの目で見てみない事には、現状がどうなのかは判断し辛いというのもあって、機会があれば実際に見てみたいとは思っていたので、今回の話は正に、「渡りに船」なのでした。
僕は昼食が終わった時点でこの方に電話を入れて、まず最初に、日本人街の近くにある「気持ちホーム」と言う名の、日系移民を対象にして運営されている老人ホームへと向かった。

Img_1179  

Sutter St.にある、『気持ちホーム』
日系2世~の高齢者がメイン。

 

僕が着いた時は、おばあちゃん6人くらいと、職員らしき若い日本人女性(美人♪)と、今回の話をセッティングしてくれた日系女性で、テーブルを囲んでレクをやっている最中。利用者は2世以降がメインだけど移民一世もいるので、日本語と英語が飛び交う(2世以降は英語の方がいいんだけど、1世は日本語の方がいいので)テーブルで、僕も交えた8人でカードゲームに興じる。

途中から僕はゲームから離れて、この施設のマネージャーさんにアメリカの介護事情に関してお話を伺った。(もちろんフル英語だ)

マネージャーさんの話では、ここは利用者のADLは比較的高い人が多く、医療必要度の低い、或いは全く無い利用者で構成されているらしい。日本で言う所のグループホームにとても近い施設形態となっていた。もちろん24時間職員が常駐し、食事、入浴、更衣、清掃等のアシストを提供している。現場でのケアはCaregiverが行うが、調理は専属のキッチンスタッフが行っていて、日本のグループホームの様に、利用者が調理を行うと言うことは無いようだ。
Activities of Daily Livingについての日常的なアシストの他にも、レクリエーションとして1day tripやArt classなど様々なプログラムがあり、施設から提供されるケアに関しては、かなり手の込んだ行き届いたものが提供されているようだった。
80年代に建設された施設の建物もよく整備されていて、内部も清潔さを保たれており、日本の平均的な老人ホームと比較しても、良く出来ているな。とは思った。

マネージャーさんからは経営的な話も伺ったのだが、介護保険制度など存在しないアメリカでは、やはり資金面での苦労が多いとの事で、職員はパートが殆どで常勤の職員はごく少なく、またボランティアに依存している面も多い。との事。また運営に政府からの補助が無いので施設利用料はどうしても高額になるようで、資産家、篤志家からの寄付と、ボランティアに依存している面も多いとの事だった。実際、この施設を利用している方も中流以上の方達だと思われたが、「それでは低所得者は?」との問いには、「アメリカにはメディケイドと言う制度があるので、低所得の高齢者はそれの扶助を受けながら施設に入る事が殆ど。」とのお答え。実際、貯蓄率の低いアメリカ人は高齢になってから施設利用料を賄えるだけの蓄えを持たない人が多く、低所得者用公的医療扶助だったメディケイドは今では、その支出の約半分が低所得高齢者の施設利用料になっているらしく、これはアメリカでも問題になっている。との事だった。

この『KIMOCHI HOME』には施設で暮らしている人の他に、通いで着ている方もいる。日本の老健とデイとグループホームを合体させた様な施設だ。また余談だがアメリカでは「グループホーム」と言うのは刑務所から出所してきた受刑者達が、出所後に日常生活にきちんと溶け込む為の緩衝施設として、出所者達が集まって、保護司みたいな人と一緒に生活する施設の事を指すらしく、僕の「ここは、日本のグループホームとカテゴライズされる施設に似ている。」との言葉に、現場の施設職員もマネージャーさんもやたらウケていた。

今回、ここを紹介して下さった日系の方だが、その方が担当してケアしている女性は、ここではない施設から通いでここに来ているそうで、その方を送る為に16時過ぎに「KIMOCHI HOME」を出て、今度は「サンフランシスコ・タワー」と言うダウンタウンにある特養のような施設に向かう事となった。

話では、その「サンフランシスコ・タワー」と言うのは日本で言う所の高級老人ホームにあたり、シスコとその周辺に住む富裕層が主な顧客らしかった。ダウンタウンにあるその施設は建物も大きく・広く、また色んなものが豪華で、「こりゃ、メディケイド受給者が利用するような施設じゃねーなー・・・。」って、ソコに着くなり僕は思った。

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↑エントランスなんかこんな感じ。

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プールに、エクササイズ室に、教会に、豪華なレセプションホールまである。作りも調度品も、めちゃめちゃ豪華でした。ただ居室は個人主義アメリカのクセに結構狭くて、一人当たり占有面積としては決して広いスペースが与えられているとはいえません。施設入所に必要なコストが、日本で特養で特室利用するくらいのコストだったので、それならもっと豪華and/or広い部屋を用意してもらいたいよな。って、日本からきた介護職員mizzie君なんかは思っちゃうのでした。

Img_1187  

でもペット同伴が許可されているみたいで、同じフロアにいたアメリカ人の飼っていた猫は、その人と一緒にこの施設にやってきて、今ではフロアのアイドル猫になっちゃったんだそうです。


僕等が着いた時は丁度、夕食の時間だったようで、食堂ではこの施設のCaregiverさん達が、一人で3人の食事介助を行っていたり、そこら辺は日本の平均的な施設とそれほど大差は無いみたいでした。

アメリカの高級老人ホームであるココですが、ここで働いているのはパートのCaregiver(介護職員)とskilled nurseと呼ばれる看護師がメインで、Caregiverは給料が安いので掛け持ちが殆どとの事。それ故?Caregiver達のプロ意識は低いようで、実際、その仕事は日本のLicensed Caregiverであるmizzieから見ても突っ込みだらけ。気道確保の姿勢になっちゃってるおじいちゃんの口に食事を運んでる姿なんか、「おいおい、誰か注意したれや・・・。」って思ったくらいなのでした。
施設も豪華だけど高齢者の利用には危ないのでは?ってトコもアチコチにあって、やはり、そういった細かい所への配慮に関しては、日本人と言う民族は得意&欧米人は苦手みたいです。

富裕層対象のその施設、全入所者の写真入リストを見せて頂いたのですが、そこにいるのは大多数の白人と少数のアジア人だけで、アフリカ系を見る事が出来なかったのは少し悲しかったです。

 

2箇所だけどアメリカの高齢者施設を見学する事が出来て、彼の地の高齢者福祉に関する現状を垣間見る事が出来たのはいい経験になりました。
結論として、制度としては介護保険制度があるだけ、日本の方が施設経営者にとってはまだマシ。だと言う事と、介護職員の待遇はアメリカも日本も薄給・劣悪だと言う事が良く判りました。
経営的には追い詰められている施設が運営をかろうじてでも維持できているのは恐らく、アメリカは市民のボランティア意識が日本よりもかなり高いと思われ、プロ意識を持った介護職員を抱える事の出来ない経営事情を、豊富なボランティア・スタッフで補っているようです。

軍事国家でもあるアメリカ合衆国は、高齢者福祉や社会保障に回す予算があれば、共和党大統領の名前を冠した原子力空母を建造してしまう国ですけれど、

米共和党の忠実な下僕にして模倣者である自由民主党が目指す社会も、それを国民の合意の下で行える社会なのではないのでしょうか?

夜も遅くなってきたので僕は宿泊先近くまで送ってもらって、その日は家路についたのでした。
(って戻る先は友達のアパートだけど)  

サンフランシスコ訪問編、まだまだ続くよ!

 

 

 

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