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2008.03.01

欲求階層論

欲求階層論
アメリカの心理学者アブラハム・マズローの唱えた学説で、人間は一つの欲求が満たされると、より高次の欲求を満たそうとするということ。

 

この、A.マズローの提唱した理論は、心理学を学ぶ上での基本中の基本。ってくらいに有名な理論だ。マズローによると、人間の欲求は低位の欲求が満たされる毎により高位の欲求へとシフトしていくとされている。その階層化された欲求は、以下の5段階にクラシフィケイションされている。

1)生理的欲求(食物、水、睡眠を求める欲求)
2)安全欲求(安全、安定、保護される事への欲求)
3)所属と愛への欲求(集団への所属や、自分が愛し愛される事への欲求)
4)自尊欲求(自尊心を満たす事への欲求)
5)自己実現欲求(自己の成長や発展を望む欲求)

この5段階の欲求は、より高位になるほどそこに辿り着く人の数が少なくなる。これを説明する時はピラミッド型の図と共に説明される事もあり、それゆえにこの理論は欲求階層論と呼ばれるらしい。最高位の『自己実現欲求』まで辿り着けた人は極めて少なく、ガンジーやマザーテレサがこの段階まで辿りついた人として紹介される。

 

この欲求階層論について考えていて、ふと思った。

この世界を動かしているエスタブリッシュメント達は、第4段階の自尊欲求は過剰なまでに満たされているのに、なぜ、その上位欲求である『自己実現欲求』に辿り着けないのだろう?

この高度に洗練・発達した資本主義社会では、世界を動かす一握りの超資産家達が、「自分達の利益を最大化させる」と言う哲学の元で世界の運命を左右している。民間人としてダボス会議に参加するような、NGO代表ではない連中達(あのコイズミと一緒になって日本をアメリカに売り飛ばした、竹中平蔵もその一人だ)は、その気になれば金で買えるものなら何だって入手可能だし、その資産総額なんかドル換算で億以上だ。従業員数が数万単位の巨大企業グループ総裁として、王のように振る舞い、地位も名誉も最高レベルのそれを手にしている。『自尊欲求』はこれ以上無いってくらいに満たされているはずなのだ。

なのになぜ、唯一の可能性である自己の人間性の発展や、人間的成長に欲求が向かないのだろう?

巨大企業のエグゼクティブ達は要求する。
自分達の利益を最大化させる為の法改正や規制緩和、税制改革を。そうやって労働法を改正させて雇用者を低賃金でこき使う事を合法化させ、そうやって庶民の生活を破壊し、僕等のような庶民からまきあげた金を自分のポケットに突っ込む。
規制緩和で不公平な自由競争を合法化させて、中小企業や新興企業を完膚なきまでに叩きのめし、市場を独占・寡占した後に非道な値上げを行い、そうやって大衆からまきあげた金を自分のポケットに突っ込む。
税制改正で自分達の払う税金をミニマイズ(最小化)させて、その代わりに低・中所得層から薄く・広く増税して彼等の金を残らず簒奪する。そうやって国民からまきあげた金は、国家事業等を通じて自分達巨大企業と官僚・政治家で山分けする。

そうやって、強くなった力を使って弱い奴を締め上げて、自分の富をさらに最大化させる事に欲求を集中させ続ける。彼等の欲望は僕等のような庶民には想像する事も出来ない。
僕だってもちろんお金は出来れば沢山欲しいけど、それは家族が毎日キチンとゴハンが食べられて、日々の暮らしに困らない程度で充分だ。
ところが世界を動かすエスタブリッシュメント達はそうじゃない。飛行場付き別荘とか、1000トンクラスのクルーザー、移動はもちろんファーストクラスなんかじゃなくって、一機20億円のガルフストリーム(世界最高速の自家用ジェット機)だ。
それでもまだ、彼等の欲望は満たされない。

それで僕は思った。自尊欲求がこれ以上は無いってくらいに満たされているのに自己実現欲求に辿り付けないのは、自尊欲求の下位にある、愛情欲求が満たされていないからなのではないのだろうか?と。

自己実現欲求と愛情欲求は、自身の努力(時に自己犠牲)でしか満たされない。恐らく、生まれた時から超金持ちで、欲するものを全て大した努力も無く手にしてきた彼等は、誰かを本当に愛し愛され、建設的な人間関係を築いて行くと言う事をする能力に、致命的な欠損を抱えたまま年を取り富と名声を得て権力を手にしてしまったのだろう。
誰かを本当に愛し、その誰かから本当に愛してもらうには、それなりの努力と訓練と自己犠牲が必要だ。そうやって誰かと本当に愛し合うと言う経験を、その人生で学ぶ事無く人生の終盤にまで来てしまった彼等には、もうそれを学ぶ為の時間は残されていない。

一国の国家予算よりも巨額の資産を手にする彼等が、その資産をさらに増やす為に無垢な市民を踏みつけて踏み躙るのはきっと、誰かと建設的な人間関係を築く機会を永遠に失ったしまった事に対する、巨大な喪失感と嫉妬、焦燥感と欠落感を、他人を傷付けたり何かを破壊したりする事で代償させようとしているのだ。デブでハゲで全身から悪臭を漂わせる酔っ払いオヤジが、パチンコや競馬・競輪で大負けした時、道で寝ている野良犬を蹴っ飛ばして憂さ晴らしするのと同じだ。

巨万の、巨億の、巨兆の富を手にし、世界を意のままに操るエスタブリッシュメント達。

それは、努力と献身と自己犠牲でしか得られない、人間が手にする事の出来るものの中で最も強いカタルシス、エクスタシー、至福と満足と達成感と充実感と快感を与えてくれるそれを、手にする機会を永久に失ってしまった、とてもとても可哀相な人達の事だ。

 

 

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