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2008.03.28

その報酬は安すぎる

(ある日の社員食堂にて)

医師A:「この席いいかな?」

僕:「空いてますよ。どうぞ。」

 

職場では、昼食は各自弁当持参だったり、出入りしている仕出屋に弁当を注文していたりするのだが、基本的に食事は従業員用食事室で食べている。そこでは、一般病棟は一般病棟、栄養科は栄養科、リハビリ科はリハビリ科、って感じで固まっているんだけど、職場の人間関係にディープにコミットはしない主義のオイラは、介護病棟の輪には加わらず、一人でゴハンを食べている。

そして一般の職員は医局のセンセイ達と一緒に食べるのは気が引けるようで、医局のセンセイ達も大抵は孤立してゴハンを食べている。で、僕はそんな医局のセンセイ達と同席する機会がとても多くて、副院長なんかとは結構仲良くなっていて、デザートを頂いたりすることもしょっちゅうある。
院内では僕は契約社員待遇だし、ある意味、職場では最底辺に位置するんだけど、それで卑屈になる事なんかゼンゼン無くて、センセイ達とも気さくに話していたりもするんだけど、その日も、僕は同席になった内科のセンセイと、天気の話から始まって、食事の話、僕の弁当の話、安い外食よりも自炊の方がはるかに安くあがる話、僕は前職が寿司職人だったので、外食産業における価格に占める材料費の話、僕は今の仕事に就くまではアメリカで暮らしていた話、なんて事を、センセイは院から出る食事を、僕はななか姫の手作り愛妻弁当を突付きながら話していた。

僕:「・・・って訳で、節約するには食費が一番手っ取り早いし簡単なんですよ。外食だったら安くても一食\300は掛かるでしょう?でもこの弁当、妻の手作りなんですけど、材料費は\200掛かってませんよ。」

医師:「ふ~ん。僕は院から出る一食\300のこれは、かなり安い。って思ってたよ。」

僕:「これだと、元板前の僕からみて、原価率60%ってトコでしょうかね?それに僕の立場だと一食\300は高いですよ。契約社員待遇の僕には、昼食に\300も掛ける余裕なんか無いですから。」

医師:「ふ~ん・・・。」

なんて会話が続いて、そしてセンセイ達の給料の話になった。具体的な金額は言わなかったが、僕からの、「でも僕は個人的には、ドクターにはせめて、エアラインパイロットくらいは稼いで欲しいって思ってますよ。」の話に、「僕の年収3年分だね」と返して来たので、勤続3年目勤務医の年収は、大体1000万円くらい。って事なのだろう。

医師の年収が1000万円と言うのは、はっきり言って安すぎると思った。上の会話に出たエアラインパイロット、僕は過去にアメリカで飛行機操縦をさせてもらった(アメリカだと教官同乗ならフライト出来るトコが結構あって、その金額は日本の10分の1以下なので)時、その飛行学校で見た資料では、日本の航空会社に勤める僕と同い年の小型ジェット機(737とか)副機長、その年収は約3000万円だった。

別に僕は、パイロットがもらい過ぎだと言いたい訳ではない。パイロットだって、飛行の度に数十人から数百人の命を預かるのだ。客のこっちは命を預けるのだ。もっともらったっていいくらいだ。
問題なのは、医師の報酬が安すぎると言う事だ。
年収3000万を稼ぐエアラインパイロットだが、国際航空法の縛りがあって、彼等は一ヶ月で100時間以上のフライトが出来ない。つまり、パイロットの実働時間は月100時間が限界なのだ。

ところが医師はそうじゃない。開業医はどうか知らないが、僕の職場だって、勤務医は皆、残業と当直でクタクタだし、最近、高知新聞で連載されていた医療危機に関した連載では、高知医療センターに勤める脳外科医など、残業時間だけで月200時間を軽く越える。となっていた。

仮に残業がゼロだったとしたら、勤務医の一ヶ月辺りの労働時間が200時間を越える事は無い。無いんだけど、それでも僕は、人の命を預かる医師は、時間当たりで\10000はもらっていて欲しいと思う。それでも、一ヶ月の実働100時間のエアラインパイロットよりも報酬は低いのだ。そもそも、人の命を救う医師の報酬が、議事堂で居眠りしているだけの自民党議員の半額以下と言うのはどうかしている。食堂で僕と給料の話をしていた内科医だって、当直の時は300人の入院患者の命を預かり、緊急外来に救急患者にも対処して、災害時には全職員と全入院患者に対して責任を持つのだ。そんな勤務医の給料が年収で1000万円ちょい。ってのはあまりにみ安過ぎる。これはウチの職場だけの話では無くて、職安の求人とか見ても、医師のへ報酬は月給90~120万円っていうのが殆どだ。

冷静に・クリティカルに考えたら『安過ぎる』としか言えない勤務医の報酬だが、病院経営者にしたってそれ以上の金額が払えないのだ。
この国の医療はどこかの守銭奴帝国と違って、医療報酬は全国一律だ。お陰で窓口で払う金額も全国一律なんだけど、その医療報酬、医師に払われる金額がそれしかないのだ。経営者からしてみたら、出してあげたくても出してあげられないのが現状なのだ。

”コイズミジュンイチローと自民党の守銭奴な中間達”による一連の改革で、この国の社会保障関連予算は容赦なく削り落とされた。患者達が窓口で払う金額は悪魔的に引き上げられ、医師や医療関係者が受け取る報酬も、殺人的なくらいに削り取られた。
今、医療・福祉の現場では、何のインセンティブも無いまま、現場の職員、医師・看護師・介護士達に、過酷な過重労働が課せられている。

僕が子供の頃、病院のセンセイと言えば高給取りの代名詞だった。

21世紀になった今、医師と言うのはその責務からはとても釣り合わないような低い報酬で、過労死しないのが不思議なくらいの過重労働を課せられる職種となってしまった。

こんな状態が続いていたらその内、医者になろうなんて人はいなくなってしまうぞ。

でもそれは、皆が選んだ自由民主党の政治家達が決めた事だ。

 

 

 

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