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2008.04.07

絶望的退却戦

高齢者介護というものは、絶望的な退却戦を闘っているようなものだ。

ごく稀に局地的勝利を収める事があっても、戦況が好転する事はまずあり得ない。

自由民主党・公明党と厚生労働省が作戦立案をした、兵站を無視した高齢者政策は、最前線で介護を担う家族、職員、事業所を疲弊させながら、その力を削ぎ落として行く。

日々、緩やかに様々な機能を喪失させていく要介護高齢者を相手に、心も身体もボロボロになりながら、損失を最小限に食い止めながら、least betterを手探りしながら、現場では家族と介護職者と事業者が、泥沼の撤退戦を繰り広げている。
日々、様々な症状を悪化させて行く要介護高齢者達を相手に、(ああ、また悪くなったな、遂にこれもできなくなったのか、あれも出来なくなったのか、)なんて気を滅入らせながら、喪失した機能を補完する。

この、絶望的な撤退戦の最後に待ち受けているのは、ADL全喪失の寝たきり状態と、それが数年続いた後に訪れる、緩やかな死だ。

寝たきりになる事無く、在宅や特養や老健でその生涯を終える事の出来る人はきっと、幸せなのだろう。しかしながら、先進の医療で三途の河から引き戻されて、四肢麻痺だけどそれ以外は健康。なんて場合や、アルツハイマーが物凄く進行し、脳萎縮が情動機能から運動機能にまで進行してしまった場合、その先に待っているのは殆どの場合Just hellだ。

そして僕が所属しているような医療介護施設では、そうなった人達を相手に絶望的な退却戦を、命の灯が消える最後の瞬間まで闘い続ける事になる。

今の職場で働くようになって、もうすぐ30ヶ月だ。見送った人が二桁になってから随分と経つけれど、僕が就職する前からソコにいて、そして今もまだ入院し続けている人が20人以上いる。
この中に、僕がやってきた30ヶ月前と比較して、ADLが向上した人は一人もいない。その全員が、30ヶ月を掛けて、物凄く緩やかにADLを低下させてきた。

摑まれば立位が取れた人が、介助バーに摑まって介護者が支えても、下半身が崩れ落ちるようになる。

言語でのコミュニケーションが取れていた人が、日本語での意思疎通が不可能になる。

介助でなら経口摂取が可能だった人が、自分の意思での嚥下が出来なくなる。

四肢麻痺だけど排泄は自力で可能だった人が、下剤と浣腸と導尿剤を使わないと排泄が出来なくなる。

そんな事の一つ一つに気付く度に、僕等は絶望的な気分になる。
それはまるで、
負けている闘いで撤退戦を戦っているのに、残敵掃討作戦で追い詰められていく敗残兵の気分だ。
潰走する奴等に補給なんかいらんだろう?と言わんばかりに、自民党と厚生労働省は予算配分を容赦無く削り取り、要介護高齢者達を冷酷に切り捨てた。
潰走する部隊の装備は精鋭部隊に回せ。と言って、自民党と厚生労働省は保険料や窓口支払額を容赦無く引き上げた。

身体機能が低下して、3年前なら出来た事が出来なくなった高齢者に対して、予算が切り捨てられて、3年前なら出来たケアが出来なくなっている。そしてそれは、さらに機能を低下させ悪化させていく遠因となっている。要介護のじーちゃんばーちゃんを取り巻く環境と、家族・職員の心身はもうボロボロだ。

そこに救いはあるのか?と聞かれたなら、

自由民主党が政権に居続ける限り、救いなんか絶対に・永遠に無い。
とだけは答えよう。

  

 

 

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