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2008.07.16

Farewell of.....

今日は早出出勤。

遅出の翌日が早出って言うのは、はっきり言って肉体的にキツいんだけど、7月は新婚旅行がらみで11連休も頂いたので、スケジュールに文句は言えないし言うつもりも無い。

早出出勤はまず最初に、要介護度の低い人達が入っているフロアの清掃から始まる。病気に対する抵抗力が下がって、ちょっとした事でも感染症を引き起こしちゃう高齢者対象なので、要介護度が低いと言ってもそこら辺には抜かりはない。清掃と言っても次亜塩素酸ナトリウム水溶液での拭き掃除なので、時間は早いけど滅菌・除菌効果も高い。

洗濯室前の病室から始めて、フロアの奥に向って進んで行って、最後に東端の病室に入る。ここは、昨日呼吸停止を起こしてベテランナースのBLSで回復した、@さんが入っている病室だ。

「おっはようございま~す♪」

僕は意識的に明るく陽気な声を出して、病室のドアを開けて室内に足を踏み入れた。

 

 

・・・@さんのベッドは、空っぽになっていた。

夜勤者の話では、昨夜呼吸停止状態になった所を発見されて、ベテランナースの一次救命措置により呼吸を再開させていた@さん、そんな事があった後だから巡視の頻度も増やして、要注意患者として1時間毎くらい訪室してたらしいんだけど、準夜帯の休憩時間中に病室に入ると、@さんは既に呼吸を止めて冷たくなっていたらしい。

準夜帯から深夜帯に切り替わるくらいの時間だったので、その後の処置は休憩時間と仮眠時間が削られただけで業務には殆ど支障は無く、当直医師の処置とかエンゼルケアも全て遅滞無く進み、早朝、早出が出勤してくる前に、ご家族と共に死亡退院されたらしい。

 

要介護度の低い方達が入っているフロアにいる患者さん達は、基本的にそのケアの殆ど全て、キュアの一部までもケアワーカー、介護士が行う。入所した方の殆どが死亡退院していく中で、ADLを回復させて在宅復帰したり、受け入れ先が見つかって施設に移っていかれたりするのは、大抵はそのフロアの患者様だ。
物凄く緩やかにADLを低下させていた@さんだけど、食事、更衣、排泄は全介助だったけれど、拘縮が進んで間接がとんでもない方向に曲がったまま固まってしまっていたり、発語も無くなって「アー」とか「ウー」とかしか言えなかったり、咀嚼している間ですら口を閉じる事が出来なくなって、食べながら食べた物を次々と食べこぼしていたり、そんな、人としての尊厳を保って行く事が限りなく不可能に近い方ばかりの僕の職場で、きちんと日本語でのコミュニケーションが可能で、全介助だけど食事は経口摂取が出来て嚥下も問題無くて、そして何より、感情の変化もちゃんとあって、@さんと関わるこちら側が、「介護」をしていると実感出来る方だった。夜勤明けで帰る直前、@さんの部屋に入ってオムツ交換をしながらくっだらないジョークを言って、それに「ぷぷっ」とか笑ってくれたりもして、ある意味可愛げのあるおばあちゃんだった。

徐々に身体機能を喪失・低下させていって、臨終がカウントダウン出来るくらいになって亡くなられる方と違って、前日夕に@さんと会話していた時は、この先数年はそんな日々が続いてもおかしくない。って感じだったので、翌朝に出勤したら既に死亡退院されていた。と言うのは、僕にとって@さんは、かなりディープに関わっていると感じられる入所者さんでもあったので、少なからぬ衝撃を受けた。

@さんは右手が少し動く以外では、自力で体を動かす事が全く出来ない方だったから、2時間毎の体位変換が必須な方で、そして寂しがり屋さんでもあったので、よく、ナースコールで職員が特に用も無いのに呼びつけられたりしたものだった。時々は「んもぅ!!」ってなる時もあったけど、頻回のナースコールもその原因が寂しさから来ているだろう事は推測出来たので、時間に余裕がある時は話し相手になってあげたりもして、人間関係はそれなりに上手くいっていた。

だから、

夜勤帯で亡くなられて、日勤者が出勤する前に死亡退院されていて、
「さよなら」を言う機会すら与えられなかったのが、少しだけ寂しかった。

ADLが最低辺って辺りまで低下して、自発的に行うのが呼吸だけ。ってなってしまって、生命維持にフォーカスされたケアが施される様になった患者さんとは異なり、
まだまだ全然元気なのに、体が動かせない以外は全て自分の意思で決められるのに、突然亡くなってしまうと言うのは、こちらに準備が出来ていない分、衝撃は大きい。

死亡退院はもう何度も経験したし、そうやって多くの患者様を見送って来た僕だけれど、

@さんの死は、僕の心にそれなりのダメージを残していった。

慣れるしかない、慣れていかざるを得ない、そして慣れていく「死」だけど、それに慣れた者にも、深く衝撃を与える死もある。
そんな事を考えた・実感した、@さんの死だった。

 

悔しいなぁ・・・

 

 

食事介助をしてる時、
「アタシはお魚が好き。」って言ってた@さん、

 
天国で、美味しいお魚とか一杯食べてね。

 

さよなら。

 

 

 

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