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2008.08.09

消える男性介護職員

「・・・ナニナニ、・・・月・・・日・・・・時、・・・・・・において送別会?」

職場の伝言板に、来月で退職になる職員の送別会についての案内が貼り出されていた。今回は一度に4人の大量退職。しかも辞めるのは、定年退職する事になった病棟内最高の知識と経験と技術を持った介護福祉士さんを筆頭に、ベテランの男性ケアワーカーと、御主人の転勤で退職となった、めっちゃやり手の介護福祉士さん。我が職場のクリーンナップ・クラス3人が、一度に辞める事となった。

これは例えて言うならば、ヤンキースから松井とジーターとA・ロドリゲスが抜けるようなものだ。F1からマッサとハミルトンとライコネンがいなくなるようなものだ。阪神から下柳と矢野と金石がいなくなるようなものだ。星野ジャパンからダルビッシュと上原と藤川がいなくなるようなものだ。米第7艦隊からカウペンスとシャイローとブルーリッジがいなくなるようなものだ。スーパーカップから超バニラと抹茶と・・・・もう充分?

って話が横道に逸れかけたけど、ベテランが一度に3人も退職しちゃう事になった我が職場、定年退職しちゃうベテランさん、ご主人の転勤に付いて行っちゃう介護福祉士さんは仕方が無いとして、ベテランの男性ケアワーカーさんがいなくなっちゃうのは、ちょっとだけ困るし考えさせられた。
僕が勤め始めたばかりの頃、職場には僕を含めて5人の男性職員がいた。個人的事情で退職していった一人は仕方が無いとして、まず最初にめっちゃやり手・凄腕の介護福祉士さんが「介護じゃ食えない」と言って退職。次に、同じくめちゃめちゃ仕事師だったケアワーカーさんが結婚する事になって、同様に「介護じゃ家族を養えない」と言って退職。僕ともう一人のケアワーカーさんだけになっちゃってたんだけど、その残ったもう一人も、遂に退職を決意したようだった。

昇給も賞与も無く、そしてその手当は30代が受け取る賃金としては安過ぎる。その現状は一向に改善の気配無く、ただ「低賃金でこき使われる労働者」でいるだけの現状に耐え兼ねたのだろう。「介護以外の仕事をする」と言っていたワーカーさん、もう介護の世界からは足を洗うようだった。
僕の職場は、ケアワーカーとして契約社員をやっている限り、永遠に年収240万弱だ。そしてそれは、昨今の物価上昇が緩やかに続く世相では、恐らく「最低辺の職業」にカテゴライズされるだろう。職種を選らばなければ、介護よりもラクに稼げる仕事は幾らだってあるし、その不規則な勤務時間と言う性格上、アルバイトで副収入を得る事もほぼ不可能に近い。現場職員をやっている限り、絶対に低所得者層から抜け出す事が出来ないのだ。

パラサイト・シングルや、主婦のパートとしてならそれでもなんとかなるだろうが、メインの仕事として家計を支えるには、介護職はその給与体系があまりにも貧弱過ぎる。その現実に見切りを付けた男性ワーカーさんは、この「介護」と言う船からは下りる事に決めたようだった。

10月からは、我が職場に男性職員は僕だけになる。それは別に構わないのだけれど、この「家計を支えるには貧弱過ぎる」賃金しか用意されていない”介護”と言う業種は、もう職業としては既に死んでいるのだろうなぁ・・・。なんて事も考えさせられた。実際の話僕自身も、可能ならば続けたいとは思っているんだけれど、現実問題として今の給料では生活するのがギリギリ。子供が生まれて支出が増えても収入が増えなければ、介護業界からは退場するしかないんだろうな。とはぼんやり考えてもいる。

自民党と厚生労働省が用意したこの国の介護システムは、職員に家計を支えるだけの報酬を用意してはいなかった。そして自民党が政権にいる限り、これは絶対に変わらない。そう遠くない将来、この国は高級老人ホーム以外には日本人職員なんかいなくなって、庶民の介護を担うのは低賃金で酷使される東南アジアからの出稼ぎ労働者だけになってしまうかもしれない。

だけどそれは、自民党・公明党に投票した全ての日本人と、選挙になんかいかなかった全ての日本人が望んだ事であって、現場職員の僕等がここでどんな声を上げたって、何の力も無い。

 

 

 僕は、この”民主共和制”と言う政治システムが、時々本当に嫌いになる。

 

 

 

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コメント

介護保険の報酬って全国同じなのに、ごくわずかな地域差はありますが
(在宅訪問介護 標準1単位 10円が東京で10.72円)たいした差ではありません。
mizzieさんのような施設の報酬は勤めたことがないのでわかりませんが
地方だと土地代が安いのでその分、人件費にまわせると思うんですが。
なんでそんな安い賃金なのでしょうか・・。

投稿: BERANA | 2008.08.09 21:18

BEREANAさん>
僕も詳しい事は判らないのですが、全国平均でも介護職者の月収は20万円前後なんだそうで、昇給・賞与無しの契約社員待遇やパート待遇の場合が多い介護職員は、年収250万以上の介護職員って殆どいないと思います。
確かに、施設経営者は高給取りでもありますが、彼等の報酬を職員の給与に回したところでタカが知れていますし、やはり、厚生労働省の決めた介護報酬額が、僕等が低賃金で押さえられている最大の原因ではないのでしょうか?

投稿: mizzie | 2008.08.10 00:26

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