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2008.10.08

自己放棄・自己虐待

自己放棄
意欲を喪失するような状況に置かれた人が、自虐的・自己放置的な態度や行為や生活をする事。

 

僕は仕事として介護をやっていて、この『自己放棄ステージ(仮称)』に到達している被介護者と接するのが、ある意味一番胸が痛むし、やりきれない思いにさせられる。

何をしても無反応。抵抗もなければ協力も無い。介護記録を読んでも、その中に「・・・に笑顔で応じられる。」も無ければ、「・・・に拒否動作あり。」なんてのも無い。ただ、介護者にされるがまま。

「・・・さ~ん、お昼ごはんですよ~♪」

無反応。

べッドのギャッジを上げ、エプロンを付けてテーブル等をセッティングする。その間もずっと、こちらのされるがままになっている。食事は、口に入れると飲み込むが、自分の意思で食べようとする事は無い。咀嚼もしないので食事はもう随分と前から、ミキサー食となっている。要介護5。食事、入浴、更衣、生活動作は全て全介助。食事はまだかろうじて経口摂取が可能なのでミキサー食での経口摂取が続いているが、自分の意思で何かを行う事をやめてしまった結果、様々な機能を緩やかに低下させ続けているこの方が、経口摂取が困難になって経管栄養となるのは、そう遠くないだろう。

食事介助が無反応なこの方は当然、入浴介助も排泄介助も無反応だ。ただされるがままにオムツを交換されて、されるがままに機械浴で体を洗われる。自己決定権を放棄したこの方は、この後数年は続くであろうその状態を、ただ陰鬱にやり過ごすだけなのだろうか?

僕がこの仕事を始めたばかりの頃、この自己放棄ばーちゃんはまだ全然衰えてなんかいなくて、脳梗塞後遺症で下半身が麻痺している以外はどこにもおかしい所なんかなくて、ヘタクソな介護しか出来なかった駆け出しの僕はよく怒鳴られたものだった。いつか技術的に向上して、「アンタも上手になったねぇ。」って言わせてやりたかったのだが、その機会を得る前に、この方は自己放棄ステージに突入してしまった。

自己放棄ステージに降りてしまった高齢者達は生きる気力を失い、深い深い絶望の底に沈んでいるように見える・思える。様々な生体としての機能を殆ど喪失し、準植物状態となっているならまだしも、まだかろうじてながらも、言語でのコミュニケーションが可能なのに、この『自己放棄ステージ』まで堕ちてしまった高齢者達を、引き上げる方法は無いのだろうか?

 

 

 


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