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2008.10.05

アメリカの民主主義は、まだ死んではいない

世界経済の、低下・悪化が止まらない。

世界中の主要なストックマーケットは、どこも下げ続けている。東証、香港、ドイツ、ロンドン、NYSE、どこもかしこも劇的と言ってもいいくらいの急降下ぶりで、急落した翌日に反発で買いが入っても、その翌日には再び急落する。200ポイント下げて100ポイント上げて、また200ポイント下げて、って感じで、中期的に見れば下がりっぱなしだ。こう言う時、資金があれば急落した翌日の反発を予測して指値買いと指値売り注文を入れて、上手く値動きの読みが当たればそれなりに儲ける事が出来るのだが、それは今日のトピックとは話がズレるので、それについては今日は触れない。

米国のサブプライムローン問題を発端として始まった、この世界的な株価下落なんだけど、NYSE株価下落から始まった信用収縮は、実体価格以上に膨らみ過ぎて、完全なバブルになっていた株価等を利用して資金調達をしていた米英金融界を危機に陥れ、庶民感覚だと想像も出来ないくらいに巨大な金融機関が、いくつも経営危機に陥っている。

それらの超巨大金融機関をそのまま倒産させてしまうと、それらの金融機関に資産を預けたり運用させたりしている個人や、それらの企業から融資を受けている企業、そしてその企業に雇用されている従業員など、それこそ物凄い数の人達が影響を受ける事になるので、アメリカは公的資金、つまり税金を投入してそれらの金融機関を救済しようとして、その為の法案を提出し、国家事業としてそれらの巨大企業群を救済しようとした。

しかしながら、その救済案は米議会で否決され、「救済法案否決」のニュースに敏感に反応したマーケットは、失望売りでさらに株価が急落、NYSEから始まったその法案否決を原因とした株価下落は、瞬く間に世界中に広まった。
ここ数日の世界的な株価下落は、その最大の原因が米議会の金融機関救済法案否決にあるので、その事実だけを見れば、「このアメリカのバカチン議員どもめ!」って思うかもしれない。そのせいで世界中に不景気をまきちらしているんだから、愚痴だって言いたくもなるだろう。しかしこの否決理由を吟味してみると、法案を否決した議会の方に理があると、少なくとも僕には思える。

法案に反対した議会と議員の言い分を要約するとこうだ。

自分達の経営判断の甘さと、目先の利益に走った結果で招いた巨大な損失を税金で補填するのに、それを招いた経営陣に対するペナルティーがほぼ皆無で、さらに救済期間中も経営陣の報酬には制限が無く、国民の税金で救済する企業の経営陣が巨億の報酬を得る事を認めたままでは、とてもじゃないが法案に賛成など出来ない。自分達の失策を国民の税金で尻拭いさせておきながら、その失策に対する総括も反省も謝罪も贖罪も無しで救済すると言うのでは、納税者達の理解は得られない。

この言い分は、僕の考え・感覚ではしごくまっとうなものだ。庶民の生活などお構い無しで、自分達の利益だけを追い求めた結果、こんな事態を招いておいて、自分達の力では収集がつかなくなったからと言って税金で助けてもらうのに、その失策についてペナルティーが皆無では、納税者達の理解は得られまい。ブッシュ政権が提案した救済策で使われる税金は、納税者は巨大企業を助ける為に払ったのでは無く、教育や福祉や災害復興やインフラ整備の為に払った税金なのだ。

確かに、今のアメリカ発の金融危機をこのまま放置しておけば、世界経済は1920年代の世界恐慌クラスの大不況に見舞われてしまうだろうし、そうなると世界中が危険で不安定な時代に突入してしまう危険性がある。経済対策としての税金投入は、どこか適切な時期(それもなるべく早く)に、数百兆円規模の巨大さで、米欧日だけでなく世界規模で行わなければならないだろう。
しかしながら、その前に今回の信用収縮と金融不安、そしてこの深刻な景気後退を招いた原因を作った、バブルに乗って・踊って濡れ手に粟の巨利を手にしながら中・低所得者層や第三世界の貧困層を踏みにじっていた連中に、その罪に相応しいペナルティーを課さない事には、公金投入による救済はするべきではないと、少なくとも僕はそう考える。
実際、80年代にアメリカ経済が物凄い不景気に陥って、赤字で倒産寸前までいった巨大企業を税金投入で救済した時、それらの企業の経営陣が何人も、その失態の罪を問われて刑務所に送られたのだから。
経営陣の失態で招いた巨額の損失を税金で救済して、経営陣の責任を問わなかったのは、日本の90年代のバブル崩壊で危機に陥った金融機関を自民党が税金で救済した時ぐらいのものだ。

納税者の、有権者の理解が得られない法案には賛成など出来ないと言って、たとえ世界経済をさらに悪化させかねない事になろうとも、有権者の側を向いた行動をした米議会の事を、僕は批難する気にはなれない。

 

 

 


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