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2008.12.17

"今年のヒット商品"と言う名の虚構と欺瞞

需要など全く無い所に、消費操作で人工的・強制的に需要が生み出され続ける現代日本。人は常に生み出され続ける、「新しい何か」をまだ自分が持ってはいない事に、いつまでもいつまでも欲求不満を感じ続ける。そうしてやっと「新しい何か」を手にしたと思ったら、その時には既に次の「新しい何か」が生まれていて、自分はそれをまだ持っていない事による、欲求不満を感じ続ける。

車を持っていれば幸せで、それを新車に買い替えられればもっと幸せ。DVDをブルーレイに買い替えられると幸せで、ワンセグ携帯を使いこなせるともっともっと幸せ。

プラズマテレビ

ファイン液晶のノートパソコン

iPodにiPhone3G

ドラム式洗濯乾燥機

IH調理器と全自動食器洗浄乾燥器

 

もうキリが無い。

そう言ったアイテムは、僕等にとって本当に必要なのだろうか?そしてそうやって手に入れた、メディアが「マストアイテム!」と煽るそれらは、本当に『must;【形・名】《口》絶対必要なもの(こと)』なのだろうか?自分の時間と労力を売ってやっと手にした可処分所得を、それらの購入に使うだけの価値があるのだろうか?マストはmustなんかじゃなくって、massed(集団となったもの)に過ぎないのではなかろうか?

この、資本主義と言う経済システムを採用する社会では、常に人々が何かモノを買い続けていてくれないと、経済が回って行かないように出来ている。資本主義経済下では、流通する資本の9割近くが社会の上部にいる富裕層や支配層の間だけで滞留して、その下にはホンの少ししか堕ちては来ないのだが、支配層や富裕層がその地位に止まり続ける為には、果てしなく生産され続ける商品を在庫余りさせる事なく回転させ続ける為には、そうして社会を構成する9割の人々から資本を自分達の元に環流させる為には、大衆の心理を操作して、
『この世で幸せを生み出せるのは、モノを買う事だけだ』
と信じこませる必要がある。

そう信じ込んだ大衆がその金を、次々とモノを消費・浪費し、そしてそれを次々と廃棄して新しいモノに買い替え続けていてくれないと、自分達の会社の利潤が減少する。だから、営利企業はこぞってテレビコマーシャルを作成し、莫大な広告費用を使って大衆に「あれ欲しい!」と思い込ませる事に腐心する。

そうやって「物質的に満たされる事こそ、至上の幸福だ!」と大衆に信じ込ませる事は、国家権力にとっても実に都合がいい。

人々が物質的に満たされる事を望み、幸せの質も量も、手にしたモノとカネの寡多で量れると信じ込んでいるうちは、人々はカネを稼ぐ事と、他人に自慢出来るような新しいor豪華なモノを手にする事を追い求める。しかし、もし人々が『暮らしの質は精神的・文化的な次元にある』なんて思想を持つに至って、この狂った消費競争レースから「いっち抜っけた♪」なんてされたら、自分達政治家のパトロンである経済人の取り分が減り、自分達に回って来るカネが減るだけでなく、大衆が精神的・文化的に洗練される事を志向するようになって、大衆が独自の文化を持ち、一人一人が独立した自分自身の思想を持つようになったりすれば、それは人々が批判精神(critical thinking skill)を持ち自分の頭で物事を考えるレベルまで成長してしまう。

そんな事になってしまえば、せっかくテレビと言う強力でとても強い影響力を持ったメディアを利用して、数十年も掛けて大衆の知性を抑圧し、人々を『自分の頭で考える事を止めてしまった馬鹿』にする事で、大衆を「とまどえる群れ」に変え、自分達の望むままに人々を操り、国民合意の上で大衆支配と操作を続けてきた支配者が、その地位を著しく危険な状態にしてしまう事になってしまう。

去年も、一昨年も、その前も、またその前も、毎年発表される「今年のヒット商品」だけど、その中に「生きていくためには必要不可欠なもの」が入った事は一度として無い。

この天の河銀河の端っこにある小さな星には、そこに住む全ての人々に僕達と同レベルの暮らしをさせるような資源もキャパシティーも無いと言うのに、そして消費文明をこのまま進めると自分達の首を絞めてしまう事になるのが明白だと言うのに、

今年も、また新しい需要が人工的に作り出される。

大企業のエグゼクティブ達のサイフを膨らませる為と、

政治家達の大衆操作システムを永続化させる為に。

 

「これ欲しい!」って思った時、それをレジに持って行く前に少しだけ考えてみようよ。(本当に、自分にとってそれは必要なの?)って。
そしてもういい加減に、この狂った消費社会から「いっち抜っけたっ♪」ってしませんか?

 

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