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2009.08.09

ドキュメント出産 その6

(前回からの続き)

12時間近く続いた陣痛、その強度もmizzieが人生で経験したどの痛みよりも強力としか思えないような物凄さで、忍耐の限界などとうの昔に超えている姫は、

「もう早く産みたいの~、早く産ませて~(>_<)分娩室に行かせて~゚゚(´O`)°゚」って感じで、4時前に分娩室の準備が出来てそちらに移る事に。

分娩室に移ってからは、僕はずっと姫の手を握り体を支えていたので、陣痛の記録を取る事は出来なかったんだけど、間近で見るそれは、そーとーに物凄かったDEATH。

 ヒィー(((゚Д゚)))ガタガタ

分娩室に移ってから子宮口が全開になっている事も確認され、さらに胎児が少しずつ産道を下りて来る。30秒おきくらいの間隔でやってくる陣痛に、姫も懸命にいきんで胎児を先へ先へと送りだす。送り出すんだけれど、胎児の頭が出てくるまであと20mmくらい。って所から、全く先に進まなくなってしまった。この時点では先に進まなくなった事の原因は不明。

あと20mmで頭が外に出る。って所から、全く先に進まなくなって、その状態で陣痛が来る度に、姫は胎児を産もうと懸命にいきむんだけど、最後の20mmが出てこない。その状態でどんどん時は進み、時間が朝8時になろうか?って時点で、疲労困憊した姫は体力低下で陣痛が来てもいきめない状態になって、日勤で出勤してきた産科医はその状態の姫を見て即座に、

「吸引分娩。すぐに機械準備して。」

と助産師に告げ、自分は手際良く手術衣に着替える。吸引分娩と決まったら即座に、姫はベッドから分娩台に移され、両足に血を避ける為のカバーみたいなものを履かされる。助産師Aが吸引分娩用の吸引機を姫の横に置き、電源をつないで吸引圧を調整、助産師Bが姫の足を固定、僕は姫の左側に立ち、姫の手を握り上体を支える。吸引分娩用の吸引カップを自分の手にあてて吸引圧を確認していた産科医は、圧が十分に上昇したのを確認し、その吸引カップを姫の体内へと差し込む。姫はカップを差し込もうとする産科医を見て、(ムリ!そんなの絶対に入らない!!)って思ったそうだんんだけど、産科医は冷徹にカップを突っ込む。


「痛ぁぁぁぁいいいいぃぃぃぃっっっ!!!!」

病棟中に響き渡る、姫の絶叫。

吸引カップに吸いつけられた胎児の頭が、産科医によって強引に産道の外へと引きずり出される。初産で産道出口が狭い姫は、胎児の体が引っ掛かって外に出られないので、産科医、麻酔もせずに会陰を切って道を広げる。

 
「きゃぁぁぁぁ!!痛い痛ぁぁい!!!」
 

再び病棟中に響き渡る、姫の絶叫。切開された会陰から飛び散る鮮血。夫の眼前で妻の会陰を麻酔無しで切った産科医だけど、その甲斐あって、胎児の頭が外に出てきた。

「ほら!赤ちゃんの頭出てきたよ!!もう少しだから頑張って!!」

助産師Cが姫に声を掛ける。会陰切開の激痛と出産の激痛に耐えながら姫、懸命にいきんで胎児を完全に外へ出そうとする。しかし胎児の肩が引っ掛かり、またもやそこから先へと進め無くなる。それを確認した産科医、先ほど切った会陰をさらに切り開く。もちろん麻酔無し。飛び散る鮮血。轟く姫の絶叫。
助産師Aは渾身の力で姫の足を広げ、助産師Cと助産師Dが姫の下腹部を押して胎児を外へ出そうとする。助産師Bは肩が出てきた胎児の体をぐいぐい引っ張って外に出そうとしている。姫の下半身に巻かれた手術衣と、下に敷かれたビニールの上に置かれた滅菌布が鮮血で赤く染まる。身体の半分ぐらいが外に出た所から、胎児の体を掴んでぐいぐいと左右に揺すりながら引きずり出そうとしていた助産師さんの努力もあって、8時49分、遂に胎児が姫の体内から外に出てきた。産科医がすぐに臍の緒をクリップで挟み、専用のはさみでそれを切る。羊水を飲んでいた胎児は産声が出なくて、臍の緒を切るとすぐに、助産師Dが胎児を専用の保温器付きの処置台に乗せ、サクションで気道・肺に入った羊水を吸い出す。そして出産から約1分後、胎児が力強く産声を上げた。

「オギャーッ!!」

産声を聞いて安堵の表情を浮かべる姫&僕。破水してから32時間超、陣痛が始まってから16時間超と言う、長い長い闘いは終わった。身長49cm、体重3286gの、五体満足な元気な男の子だ。

 

しかし、姫の闘いはまだ終わってはいなかった。

出産時、会陰を切開していた姫だけど、胎児が出てくる時に産道に傷が入った様で(多分、吸引カップを差し込んで胎児を吸い出した時)、出血が止まらない。産科医はすぐに、産道の傷と会陰の縫合処置に掛かる。
後から助産師さんに聞いた話では、この処置は麻酔していたとの事だけど、僕は産科医&助産師が、姫に麻酔をしていた所を見ていない。恐らく麻酔無しで縫合をする産科医と、一針刺されるごとに絶叫する姫。止血ガーゼが真っ赤に染まり、汚染バケツが真っ赤に染まったガーゼで一杯になった頃、全ての処置が終わった。

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