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2010.07.03

消費税増税は金持ちのため

参院選、投票日まであと1週間になった。

党・候補者のポスターを見掛ける頻度が増えたし、候補者の宣伝カーや街頭演説に行き当たる回数も随分と増えた。

今度の参院選で、最大の争点となっているのは管総理が打ち出した『消費税増税』だ。増税幅は自民党が打ち出した「消費税率10%案」に、民主党が乗った形となっている。
自民党、民主党は消費税の増税を主張し、今増税を掲げるのは選挙を闘う上で不利になると考えた他党は、早急な増税には反対しつつ、公明党やみんなの党、たちあがれ日本、新党改革、日本創新党は、「将来、消費税も含めた税制の抜本改革を・・・」と言った感じの玉虫色な言い方で、消費税増税を否定していない。増税反対を掲げる社民党は増税派の民主党と選挙協力体制にあるし(公明党も自民党と協力体制にある)、絶対反対と叫ぶ国民新党だが、増税案が明記された税制改正大綱に署名したのは党首の亀井静香氏その人だ。

日本共産党だけが唯一、筋の通った消費税増税反対論を展開している。少数意見を黙殺する「小選挙区制」のあおりを食って、議席数が10にも満たない弱小政党になってしまった共産党だが、そのブレる事の無い党の姿勢と、入念で詳細な調査の上で展開する、政府の弱者切り捨て、大企業・資産家優遇政策への痛烈な批判は、メディアで取り上げられる事こそほぼ皆無だが、自立的・自発的に政治情報にアクセスする人達にとって、党の存在意義とその主張の正当性は常識となりつつある。

その日本共産党が主張する、消費税増税反対の最大の理由、それは、

『消費税増税とセットになった法人税引き下げは受け入れられない』

だ。

政府案、自民党案、そして彼等にそれをさせている日本経団連の案では、法人税は現行の40%から25%に、率として15%、現行の6割にまで法人税率を引き下げる。となっている。
リーマンショック後の景気後退以前の額で考慮した場合、法人税を25%にすると減税額は約9兆円。消費税を10%に引き上げた場合の増税額は11兆円と試算されているから、引き上げられた5%の内、約4%分は法人税減税の穴埋めに使われる事となる。
管総理の言う、「消費税増税分は社会保障費の為に使う」と言うのは、増税を受け入れさせる為の方便なのだ。

法人税減税で恩恵を受けるのは、法人税の最高税率が適用される資本金1億円以上の大企業だけだ。
そして法人税と言う税金は企業の売り上げから人件費や材料費など、経費を差し引いた後の利益に掛かる税金なので、法人税が引き下げられても、そういった大企業に勤める労働者の賃金は上がらない。
例えばトヨタ。
2007年3月期決算にある損益計算書によれば、トヨタの総売上高は22兆円とちょっと。原材料費や材料等の調達費、広告宣伝費、研究開発費、人件費、その他諸経費を差し引いた純利益が2兆円ちょい。法人税を含めた納税額の総額は、8900億円とちょっとだ。
トヨタが2007年に払った人件費の総額は1600億円(たったの‼売り上げ高に占める比率はなんと0.7%‼)だが、人件費は既に経費として計上されているので、法人税率が25%に引き下げられて生まれる約3000億円が、人件費に回る事は無い。

では、法人税減税で生まれる3000億円は、一体何処に行くのか?

株主配当と、内部留保だ。

2009年3月期から20103月期までの1年間で、大企業は内部留保を総額1兆5000億円も増やしているが、その1兆5000億のうち、設備投資等の国内投資に回った金額はごく少なくて、その殆どが海外金融資産等、流動性の高い金融資産に流れている事が決算書等で判明している。
そして法人税減税で生み出される数千億円の資金、そのかなりの部分が、株主配当に回る事は想像に難くない。株式会社と言うものは、事業活動で利益を生み出しそれを株主に配当する事が課せられた会社の事を言うのだ。法人税減税で利益幅が拡大したのなら、それを配当金と言う形で株主に支払うのは義務ですらある。発行株式総数が約35億株のトヨタの場合、法人税率15%引き下げで生まれた利益の半分を配当に回したと仮定すると、1株辺り配当金額を40円ほど増やす事が出来る。トヨタ株を10000株保有する個人投資家なら40万円の増収に、10万株保有する投資家なら400万円の増収となる。
しかし、株価が3000円前後で推移しているトヨタ株を、10万株(時価3億円)保有出来るのはそれなりの資産を持った富裕層だけだ。年収500万円以下の中・低所得者層にとって、法人税減税で恩恵を受ける大企業が株主配当を増やした所で影響なんてほぼ皆無なのだ。
(資産家の収入増は、その殆どが貯蓄に回り消費はそれほど増えない)

大企業の利益を増やす事にしかならない法人税最高税率引き下げと、その穴埋めとしての消費税増税は、管総理の言う「安定した社会保障財源確保の為」ではなく、「危機的状況となっているこの国の負債を減らす為」でもなく、大企業と資産家をさらに肥え太らせる為の財源作りでしかない。それどころか、法人税減税で国家財政はさらに9兆円も収入を減らし、消費税増税で消費は冷え込み、旺盛なアジアの需要に乗ってせっかく回復の兆しを見せている内需を一気に冷え込ませ、国内景気と国家財政を危機的な状況に追い込むどころか、この国の経済それ自体にトドメを刺す『痛恨の一撃』となる危険性すらある。

大金持ちと彼等と癒着した政治家だけしか喜ばない消費税増税と法人税減税。

この国の多数派である僕達中・低所得層に属する大衆は、何がなんでもこの企みを阻止しなければならない。
そしてその為には、消費税増税と法人税減税に真っ向から筋道の通った反対を唱えている唯一の政党、『日本共産党』に信託を付す以外に道が無くなっている。

政治的思想・信条から、共産党と共産主義を受け入れる事がとても難しい人が沢山いる事も知っている。
今、これを読んでいる貴方もその中の一人かもしれない。

だけど、

今回だけは、そういった事に目をつぶって力を貸して欲しい。
7月11日は投票所に行って、7月11日は都合が悪くて投票に行けないと言う人は期日前投票に行って、
選挙区選挙では貴方の選挙区に立候補している共産党候補の名前を、
比例区選挙では共産党の名前を書いて、投票箱に投じて欲しい。

大資産家と大企業連合軍に乗っ取られてしまった、
僕達の民主主義を取り戻す為にも。

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コメント

民主党は消費税を10%に上げて、集票のためのバラマキ財源を確保しようとしている。
子ども手当などの民主党の得意とする各種のバラマキを全廃後に消費税を上げるのならよい。
低所得者の税負担を軽減するためには、食料品の消費税率のみ今まで通り5%とすればよい。
消費税の低所得層への還付案は、経済音痴の迷走民主党らしい非現実的な腹案施策。
科学技術と経済に無知な蓮舫は、消費税を上げなくとも事業仕分けで税収が得られると愚かにも考えているらしい。
日本は法人税が高すぎるから、アジア支社を日本に置く外国企業は例外である。アジア支社は法人税の安いシンガポールや中国などに置く企業が多い。
そのため、シンガポールなどには税収が入り雇用もあるが日本にはない。
日本共産党は中小企業の見方ではないのだろうか。なぜ、中小企業の所得税の減税を言わないのだろうか。

投稿: 左巻き菅 | 2010.07.04 06:19

>左巻き管さん

私も、民主党の言う低所得層への消費税還付案は無意味だと考えています。
食料品等、生活必需品の提言税率適用or非課税に関しては、消費税が導入された20年前から必要性が言われながら一向に実現しなかった現状を考慮するに、「事業者の事務手続きが煩雑化するから」等の適当な言い訳を並べ立ててそれをしないまま税率だけを引き上げる。と言う財務省の思惑はミエミエです。

日本共産党の中小企業待遇改善への取り組みは、大企業の下請け企業に対する製品納入単価引き下げ圧力に対し、その非道を指摘し糾弾すると言う姿勢を取っています。また、法人税は中小企業に対する低減税率が適用されていますが、それを現行の18%から11%に引き下げよう。と言う政府案(但し実現の見込みは低い)には反対はしていないようです。

投稿: mizzie | 2010.07.04 09:57

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