« 福島原発の現実 | トップページ | 東北魂は負けない(Tohoku people never surrender) »

2011.03.18

東電隠蔽責任追及 菅政権が今やるべき事

危機的状況が続いている福島原発1~4号機。

平時の被爆許容量を大幅に超越した放射線量が検知されている現地では17日、陸自と警察機動隊による決死の放水作戦が展開された。

今福島原発で行われている作戦は、本当に「決死の」作戦なのだ。福島原発の1~4号炉がメルトダウンを起こしてチェルノブイリの時の様に爆発→放射能拡散。などと言う事になれば、風向きにも寄るだろうが、東北と関東のかなりの地域が、人どころか生物の住めない死の土地になってしまう。その最悪のシナリオを回避する最後の砦として、陸自隊員達や機動隊員達は、死の恐怖と闘いながら、国民の生命を守る為、献身と自己犠牲を捧げているのだ。

今、福島原発で最前線に立っている彼等は、相当な訓練を積んだエキスパート達だ。固定翼機の数倍難しいと言われる回転翼機を自在に操るパイロット達は、数百から数千時間と言う飛行時間経験を持つ凄腕なのはもちろんとして、その熟達したパイロットを育成する為に、莫大な額の税金が投入されてもいる。
装備調達とそれを運用する人材の育成に莫大な資金を必要とする軍用機だが、ここで軍隊の必要性うんぬんを論じるつもりはない。

ここで僕が言いたいのは、そうやって莫大な税金を投じて育成したパイロット達を死地に立たせ、ようやく育て上げた優秀な人材が失われてしまうかもしれないという事態に陥ったのは一体誰の責任か?と言う事だ。

敢えて書く必要も無い程に明白な事なのだが、今回の原子力発電所原子炉制御不能を招いたのは、東京電力の隠蔽体質と東京電力経営陣の自己保身のせいだ。
そもそも、1号炉が水蒸気爆発を起こした時点で、冷却水温が上昇していた2~4号炉への海水注入を決断していれば、このような事態になるまで悪化する事は無かったのだ。東京電力経営陣に2~4号炉への海水注入をためらわせたのは、海水を注水した原子炉は廃炉にしなければならないからだ。
福島原発2号炉の建設費は約560億円、3号炉は約620億円、4号炉は約800億円なので、(参照:http://www.pref.fukushima.jp/nuclear/hatsudensyo/gaiyou.html)、2~4号炉に海水を注水すると言う事は、東京電力は1900億円超の損失を出すと言う事になってしまう。そのコストには解体費用と廃材撤去費用は含まれていないので、仮に1~4号炉が廃炉→再建設となったとすると、東京電力はひとつの企業では背負い切れない程の巨額の負債を抱える事になってしまうのだ。海水注入で1~4号炉が全て廃炉となれば、廃炉によって負った負債から立ち直り、東京電力が倒産を回避出来たとしても、今の経営陣達は次の株主総会で全員解雇されていただろう。

2000億円超の損失を恐れて海水注入をためらい、結果として関東~東北の広範囲にセシウムをばら撒く事になってしまった(そして1~4号炉は廃炉となる)東京電力経営陣だが、彼等の後始末を押し付けられた自衛隊員や警察官こそいい迷惑だ。
「行け」と命じられたらどんな過酷な現場にでも飛びこむ彼等だって、当然死にたくなんかないだろうし、彼等にだって家族はいる。
東京電力経営陣の自己保身と、人命より利益。の経営姿勢のせいで致死量に近い放射線を浴びさせられている彼等だって、誰かにとっての良き夫であり、良き父親であり、良き恋人で良き友人なのだ。

今こそ、僕は東京電力経営陣に言いたい。

原子炉上空から、ヘリコプターで放水作業を行っている自衛隊機。
お前らも、あれに乗り込んで一緒に原子炉上空に行って来い。と。
老朽化した福島原発の危険性が指摘される度に、
「日本の原発は安全です!」と、自信たっぷりで言い切っていた東京電力経営陣。

日本の原発は安全なんだろ?

だったら、その安全な原発上空にお前達も自衛隊員達と一緒に行って、お前らのケツ拭かされてる自衛隊員の手伝いぐらいはしてこいや。

そして菅総理。

原子炉の冷却機能が失われ、危機的状況へと近付いていたと言うのに、その情報を政府や原子力保安院には断片的に、そしてかなり時間が経ってからしか通告せず、ここまで事態の悪化を招いた経営陣を重罪とする法律を早期に成立させ、そしてその法律(仮称で原子炉暴走通告義務法としようか)の違反への罰則は、執行猶予の無い禁固12年以上の実刑のみとし、企業利益と自己保身を人命よりも優先させた東京電力経営陣を、一人残らず刑務所送りにするべきだ。

今、この国には稼働中のものだけで37基、非稼働中のものも含めると55基もの原子炉がある。事故を起こせば、そしてその事の通知を怠ったり滞らせたりしたら、事故を起こした原子炉を管理する企業の経営陣が刑務所に送られる。と言う前例が出来れば、原子炉の運用について、少なくとも今よりはマシになるだろう。

原子力発電と言うものは、この地震大国である日本からは無くなった方がいい発電システムなのは言うまでも無い事だが、自民党時代の歴代政権が原発依存のエネルギー政策を進めてきたお陰で、この国は全エネルギーの約3割を原子力に依存しているのだ。つまり、今すぐこの国から原発を全て無くする事はほぼ不可能なのだ。だから、代替エネルギーが普及するまでの間は、原発に頼らざるを得ない。
原発に頼らざるを得ないのだから、電力会社には今よりももっともっと安全に慎重に公開された形で原発を運用させなければならないのだ。今回の事故で情報を隠蔽させた東京電力経営陣全員がその責任を問われ、執行猶予無しの実刑となって刑務所に送られれば、それは他の日本中の電力会社経営陣にとって、貴重な教訓となるだろう。

どうせこの事態がどんな形で収束しても、菅政権の寿命はそこまでしかない「緊急事態内閣」なのだ。だから菅総理は、退陣前にせめて未来の為に一つくらいは、「いい事」をしておくべきだ。

|

« 福島原発の現実 | トップページ | 東北魂は負けない(Tohoku people never surrender) »

コメント

利益追従をしていい会社と、赤字になってでも企業活動をし続けなければならない会社はあると思います。

インフラ関係は赤字になってでも(その場合理由によっては税金投入もやむなし)企業活動をしなければならないと思います。
そういった会社が株主のことしか見ないのであれば、いっそ、国営でもいいくらい。

この災害で、また、公衆電話がなく、NTTに公衆電話をもっと増やしてもらいたいというようなブログなりを見ましたが、
NTTだって、今は一般企業です。
利益のためには稼働率の低い公衆電話は撤去するでしょう。維持費もかかるし。
なら、公衆電話だけでも国営でやるとか。

話は変わりますが、昨夜の時点で、
アメリカや韓国は福島第一原発から80㎞圏内の自国民に避難勧告を、
日本は20~30㎞圏内の人には屋内退避を。
この温度差はなんなんでしょう?

ちなみに我が家は150㎞圏。
ぎりぎりの判断に迫られているところです。

このあたりのここ数日の放射線量は1時間当り1μシーベルトちょいという発表を信じれば、
まだ大丈夫ですが、その発表自体が信じるに値するものかどうかが分からなくなってきています。。

投稿: ハルシオ | 2011.03.18 08:33

いつもmizzieさんの意見には賛成してきましたが、今回も賛成です。前回は時期早々だと書いただけで反対はしていません。「菅総理」であって、「管総理」ではないです。

投稿: 元関西人 | 2011.03.18 13:54

 人はそれぞれの立場があって、その立場に立ってみて初めて分かる事ってあると思う。
 よく、「その人の身になって・・・」と言うけど、自分の考えの上での「その人」な訳で、結局、後からや横からは何とでも言える、だって責任ないもん。
 批判を繰り返しても前には進めないと、私は思っています。 私達は私達の明日の為に、私達の出来る事を考え、行動するべきで、政府の発表することに、いちいち何かを言ったところで何も変わらん、と思う。
 政府は政府のするべき事を行動し、私達は私達のするべき事に邁進する、それしかない。

投稿: okeihan27 | 2011.03.18 22:17

>ハルシオさん

>利益追従をしていい会社と、赤字になってでも企業活動をし続けなければならない会社はあると思います。

そうなんです。経済活動の全てを、市場の手に委ねてはいけないのです。特にインフラ関係と医療・福祉は、絶対に市場原理に委ねてはいけないのです。
今の福島原発の現状に、過去のこの国の原子力政策についての批判を展開しても意味はありませんが、事態の総括と反省と責任追及、そして再発予防策の構築だけは、絶対にやらなければいけないと私は思っています。
諸外国と日本政府の避難指示等対応の差は、危機感を持って自国民保護を最優先させている他国と、パニック阻止と自国民保護をバランスさせなければならない日本政府との立場の違いからくるものだと、(日本政府にとって好意的な視点から)考えます。

それとアメリカとフランスは、核の恐ろしさを良く知っているんだと思います。

ハルシオさんの避難するべきか?に関しては、現状では、最悪の事態への備え(避難準備や避難先の確保など)は有効だとは思います。政府発表が信じられないのは僕もそうなんですが、ガイガーカウンターを個人購入するのは資金に余裕が無い限り必要ないと思います。

http://borzoi.cocolog-nifty.com/blog/2011/03/post-7c0b.htmlによると、現在(3月16日時点)に東京で観測された最大値の放射線を一年間浴び続けたとしても、CTスキャン1回撮った時に受ける放射線量よりも少ないんだそうです。

>元関西人さん

でしょう?
過去の失敗を批難しても何もはじまらないけど、それを総括して未来への対策をキチンと立てて、そして今回の事態を招いた責任者達を断罪する事は、政治の必要最低条件だと思います。

追伸
ご指摘頂いた誤字、訂正させて頂きました。(^^ゞ

>okeihan27さん

okeihan27樣の考えも、一つの意見としてはアリなんだと思います。しかし、
この国は民主共和制を採用する国です。
全ての市民にとって、政治と政治家を監視するのは権利であり義務なんです。

「政治は政治家に任せて、自分達は自分達の事にまい進」で全てが上手く行くと考えるほど、僕は楽観的にはなれません。市民が政治に関心を失った民主国家が、衆愚政治へと堕して行ったのは、歴史が証明しているではありませんか。
だから、僕はこれからも政府と政治と政治家をウォッチし続けるし、「それっておかしくないか?」って思う事があれば、ためらう事なく声を挙げ続けます。

投稿: mizzie | 2011.03.19 08:50

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/8531/51148465

この記事へのトラックバック一覧です: 東電隠蔽責任追及 菅政権が今やるべき事:

« 福島原発の現実 | トップページ | 東北魂は負けない(Tohoku people never surrender) »