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2011.04.27

日本では再生可能エネルギーは普及しない

菅直人首相は18日の東日本大震災に関する参院予算委員会の集中審議で、福島第1原発事故を受けた今後の原子力政策について「一度白紙から検証して再検討する必要がある。安全性を確認することを抜きに、これまでの計画をそのまま進めていくことにはならない」と述べ、計画見直しを検討する考えを表明した。
(毎日新聞4月18日Web版 URL:http://mainichi.jp/select/seiji/news/20110419k0000m010099000c.html)

経産省が提唱する『産業構造ビジョン2010』に忠実に従って、原子力政策の推進と原子力ビジネスの海外展開を官民協同で行って来た、政権奪取後に「日本経団連」から巨大な献金を受け取る様になった民主党政権だが、この度の福島原発での事故を受けて、菅総理は国内に新規増設予定だった14基の原子力発電所建設計画を全面的に見直す。と公言した。
野党転落後も、経団連を最大のパトロンとし、経団連加盟企業の利益最大化が党是である谷垣自民党は、原発計画の見直し案に対し(大声で主張すると国民から反発されるので)こっそりと異論を唱えている。
そして日本の原発製造企業が原発を世界中に売って儲ける為の協定に賛成している公明党は、この件に関してはダンマリを決め込んでいる。
原発反対を30年以上主張し続けて来た共産党と社民党は、「今こそ、原発から自然エネルギーへの転換を!」と主張している。

世界に目を向けると、経済成長著しく今後の電力需要増加が見込まれ、原子力発電所の新規建設を計画していたベトナムは、福島原発事故を受け建設計画を凍結させた。
他にも、原発導入を検討していた新興国はその殆どが、原発建設計画の見直しや凍結に踏み込んでいる。
国民意識が高く環境保全に熱心で、国内の電力需要に占める再生可能エネルギーの比率が16%(日本は3%ちょい)のドイツなど、新規建設計画の凍結だけでなく、建設して30年以上経過している老朽化した原発の全てを運転停止させた。
(ちなみに我が国では、建設後41年経過の敦賀1号炉も美浜1号炉も全力で稼働中)

環境意識の高い欧州以外では、その建設コストと効率の悪さ、発電量の不安定さ故に敬遠されてきた再生可能エネルギー(風力、太陽光、地熱、バイオマス、小水力発電など)が見直されていて、オランダのヴェステス(世界最大の風力発電プラント製造メーカー)などが、かなり業績を伸ばしそうな勢いだし、我が国でも今後、復興と共に再開発が進む東日本から、再生可能エネルギーによる発電が一気に普及するかもしれない。

しかしながら、環境問題と言う点からも、原子力発電と大規模な石炭火力発電は大変好ましくない。と思っている僕だけれど、それでも、この国では恐らく、再生可能エネルギーは皆が思う程には普及しないだろう。と読んでいる。その理由はこうだ。

再生可能エネルギーによる発電では、この国を牛耳る『日本経団連』加盟の巨大企業が儲けられないのだ。

なぜ、この国では54基もの原子炉が稼働しているのだろう?
なぜ、この国では大規模な火力発電所や巨大なダムが国中至る所に建設されているのだろう?

その答えは簡単だ。原発も、大規模火力発電も、巨大ダムも、それを建設する事に関わる巨大企業がめちゃめちゃに儲かるからなのだ。
例えば原発。原子炉1基を建設する為に掛かる建設費は、800億円を超えるとされている。原子力発電所全体では、一つ作るのに2000億円は掛かると言われている。そして原発建設は技術的問題から中小の建設会社には出来ないので、大手のゼネコンが受注する事になるし、国内で原子炉を製造しているのは日立や東芝と言った、巨大企業だ。原発と原子炉の利益率がどれくらいなのかは判らないが、それらの利益率が20%以下だとはとても考え難いが、仮に利益率20%とすれば、原子力発電所を一つ作るだけで、大手ゼネコンと巨大電機メーカーには、合計で400億円超と言う大金が転がり込む事になる。
大規模火力発電も、専用の大型発電タービンを備えたそれは、建設コストが一基辺り数百億円と言われている。日本中にある大手ゼネコンしか建設出来ない巨大な多目的ダムも、その建設費は数十億から数百億円だ。

上で挙げた様に、原子力発電、大規模火力発電、大型多目的ダムは、事業規模が巨大な上に建設と運用で大企業がめちゃめちゃに儲かるシステムが出来あがっているのだ。それだから、3つの地殻プレート衝突点上に位置する地震多発地帯と言う、原子力発電所を建設するには危険極まりないこの国に、54基もの原子炉が建設され稼働しているのだ。値段は安いが二酸化炭素排出量の多い石炭を燃料とし、高効率で発電するとても高額のガスタービンエンジンが開発されるのだ。

それらは全て、この国を牛耳る大企業が儲ける為なのだ。そしてその大企業に高給で天下る為に、経産省(旧通産省)の役人達は自民党の政治家を抱き込んで、巧妙に国民を欺きながらこの国のエネルギー政策を推し進めて来たのだ。

翻って再生可能エネルギー。

少し考えたら判ると思うが、これが普及しても大企業は全然儲からない。三菱重工は世界最高水準の風力発電プラントを開発・販売しているが、それだって1基辺りのコストは2億円前後と言われている。原子炉の約1/400だ。そしてその設置は日本中にある中堅の建設会社で十分なので、大手ゼネコンは受注の為にはそれらの企業と競争せねばならず、当然利益率は原発と比較すると劇的に下がる。
太陽光発電プラントなんか、設置コストは4kwで300万円とか言われてる。原子炉1基分の予算があれば、4kw型を26000戸に設置出来るのだ。(発電量は10分の1以下だが・・・)
そして太陽光発電モジュールの設置なら、小さな工務店で十分だ。大手ゼネコンに出る幕は無い。
(全国に8万箇所ある落差5m程度の砂防ダムに発電機を設置する)小水力発電も同様に、設備も規模も地元の建設会社レベルで事足りるので、大手が受注してもその利益はごくわずか(発電機の設置に掛かるコストは、1基10万円程度と言われている)。そんな仕事を計画・設計・資材調達・施行全てに専門部署がありそれらを使って複雑に仕事をする大手が、いちいちやる事は無いだろうし、やっても赤字になるだけだ。

上記に挙げた通り、再生可能エネルギーと言うものは、建設でも運用でも全然儲からないのだ。設置コストは安くプラントやモジュールの価格も安く、それでいて発電量は少なくメンテナンスコストも安い。
『利益の最大化』を至上価値とする経団連加盟巨大企業にとって、再生可能エネルギーの普及は、企業の利益に反する忌むべき行為なのだ。

だから経団連加盟巨大企業は、与党政治家への献金(贈賄だ)と、経産省官僚への退官後の高級・好待遇での再就職と言う美味しいエサをぶら下げて、それらの普及促進となる政策を実行しないように圧力を掛け続けるだろうし、原発や大規模火力、巨大ダムのメリットだけを強調した提言を経産省にさせ続けるだろう。

そして、国民がそのカラクリを見破り与党と元野党に「No!」を突き付けない限り、この国で再生可能エネルギーが普及する日は永遠に訪れないだろう。

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コメント

日本語は略するとホントの意味が間違えて伝えられますからね。

エコと言うのは私はエコロジーの略だとてっきり思っていましたが、
少なくとも政治が絡むとエコノミーの略になっているようです。

環境のためと言うよりも、経済活動を活発化(それも大企業が儲かるような)のためと言う意味のようですね。

自然エネルギーの利用、再生可能エネルギーの利用は私の学生時代からのテーマでした。

CO2が地球温暖化にそれほど影響を与えていないとか、
実は温暖化自体起こっていないとかいろいろな説がありますが、
そんなことはどうでもいいんです。
エネルギーを自給自足できる国にしたいんです。
日本は資源に乏しいので、自然エネルギーの利用しかありません。
仮に海水からエネルギーを取り出すことができれば、エネルギー輸出国にさえなれます。

そういう国になれるよう、私は頑張りたいです。

投稿: ハルシオ | 2011.04.27 08:33

>ハルシオさん

"eco”が一部の人達、特に少数特権層の人達にとって"economic"の略として利用されているのは、まず間違いないと思います。
経団連の老人達にとって地球環境は、
「自分達が生きている間さえ持っていればそれでいい」
ものでしかなく、この星の未来の為に、自分達が負担を強いられたり利益を減じられたりする事は耐えられないのでしょう。そしてそれは彼等の為に働き彼等から利益を得る一部の政治家や官僚の老人達にとっても同様です。


エネルギーの自給はこの国にとって悲願でもありますが、それは危険極まりない原子力によってではなく、再生可能エネルギーや、(常温核融合の実用化など)科学の進歩によってなされるべきだと私は考えています。
再生可能エネルギー実用化を学生時代からのテーマに据えられていたハルシオさんには、僕が「株式会社・地球防衛軍」設立のあかつきには、幕僚としてお迎えに上がらせて頂きますね。ヽ(´▽`)/

投稿: mizzie | 2011.04.30 05:21

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